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海外から見た日本と日本人のイメージ【アメリカ人の視点を理解する】

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“ところで日本とか日本人って、海外からはどう思われているんだろう?特に、アメリカ人がもつ日本人に対するイメージって、どんな感じ?”

こんにちは、テツです。

ぼくは10年間ほどアメリカに住み、今でも仕事でつながっているので、「アメリカ人がもつ、日本・日本人のイメージって、どんな感じ?日頃、日本のことって話題に出る?」と、よく聞かれます。

たしかに気になりますよね。

本記事では、アメリカ人の視点をベースに、海外から見た日本と日本人のイメージについて説明します。

 

本記事のポイント

・アメリカ人にとって、日本といえば、一番は「Sushi (寿司)」!

・基本的に、アメリカ人は日本人を信用している

・東北大震災と第二次世界大戦は、忘れられない出来事

アメリカには、Pew Research Center (ピュー リサーチ センター) という著名なリサーチ機関がありまして、そこのリサーチ内容を参考にしながら紹介します。

これを読むことで、これから旅行や留学に行く人がトラブルなく友達作りをできたり、ビジネスや仕事で正しく信頼関係を築けたりするための参考になればと思います。

海外から見た日本と日本人のイメージ【アメリカ人の視点を理解する】

「日本といえば!?」という質問に対する答え

単刀直入に、「日本といえば!?」

この質問を聞かれたアメリカ人が答えたものは、以下の通り。

第1位:寿司、日本食

第2位:自動車

第3位:第二次世界大戦

第4位:テクノロジー、技術

第5位:津波、福島 (東北大震災のこと)

やはり堂々の第1位は、寿司、そして日本食でした!

第1位は、寿司や日本食とのこと。

今やアメリカ中で、Sushi(寿司)は大人気

大都市に行けば日本から来た料理人がにぎる高級寿司屋がありますが、そうでなくても、アメリカ中の数多くの日本食レストランで寿司が提供されています。

特に有名な寿司と言えば、ロールです。日本でいうところの巻き寿司のことです。

ただ、アメリカのものはちょっとユニーク。

海苔が外側に巻かれている日本の巻物とは異なり、ご飯を外側にして巻かれていることが特徴です。

なぜなら、アメリカ人は見た目が真っ黒のものを食べたくないだからとか。

アボガドを使ったカリフォルニアロールや、チーズを使ったフィラデルフィアロールなどが有名です。色とりどりの魚を巻いて、レインボーロールだなんて呼ばれるものもあります。

こういったロール (巻き寿司) こそがオリジナルの寿司だと思っている人も少なくなく、アメリカ流の寿司として広まっています。

普通の街中の食品スーパーでも、お惣菜コーナーに行けば、必ずそこには寿司のパックが置いてあることがほとんどです。

それほど寿司は、アメリカ人の生活の中に浸透しており、日本のイメージそのものなのでしょう。

第2位は、日本が世界に誇る、自動車。

トヨタやホンダをはじめ、日本の自動車メーカーはかねてよりアメリカでの生産・販売に力を入れてきました。

過去にあった日米間の貿易摩擦を解消すべく、現地生産を協力に押し進め、今では非常に多くの数の雇用も産み出しています

自動車に乗るだけではなく、日本の自動車メーカーで実際に働いている人も多いため、本当に多くのアメリカ人たちから愛され、リスペクトを受ける存在です。

事実、アメリカを走る日本車は多く、トヨタRAV4、ホンダCR-V、日産RogueといったSUVタイプの乗用車が大人気です。

そしてセダンタイプの乗用車も昔からのロングセラーで、トヨタカローラ、トヨタカムリ、ホンダシビック、ホンダアコード、日産アルティマといったラインアップは、販売台数リストで常に上位に位置しています。

こんど出会ったアメリカ人の方に聞いてみてください。

「家族や友達で、日本車に乗っている人はいる? Anyone in your family or your friends own a Japanese car?」と。

すると、「もちろんいるよ!」と必ず返してくれることでしょう。

なぜなら、アメリカで売られる自動車の約40%もが日本車だからです。

そして第3位は、第二次世界大戦。

激しく戦った過去は、お互いに忘れられないものなのでしょう。

毎年12月7日になると、「リメンバー・パールハーバー(真珠湾攻撃を忘れるな!)」といって、テレビやネットなどのメディアで特集が組まれるほどです。

第1位の寿司と第2位の自動車と違って、「第二次世界大戦」の話題は非常にセンシティブで気をつけなければいけません。

第二次世界大戦というと、現代を生きるぼくたちの祖父母の時代の話ですから、ずっと昔の話です。

しかしながら、これは今でも非常にセンシティブな話題で、気安く話せるものではありません。

今でも広島や長崎といった原爆の話になると、どことなくお腹の底で、グッと複雑な気持ちを抱えるのが、ぼくたち日本人。

それと同じように、アメリカ人たちにも、本人たちの事情があるわけです。

ぼくの親しいアメリカ人の友人の一人が退役軍人で、日本に駐留していたこともあり、大の日本びいきです。

しかしその彼が、唯一、現代の日本人たちに対してネガティブな感情をもつことがあります。

それは、彼がハワイにあるパールハーバーの歴史記念館を訪れたときのこと。

その時、日本からの観光客団体がいたそうですが、どうやらヘラヘラとしゃべって笑いながら歩いていたそう。

何を話していたかは理解できなかったけれど、なぜ戦死者を弔うべき場所で、そのように笑っていられるのかが理解できず、非常に悲しい思いをしたとのことでした。

たしかに、逆にアメリカ人観光客が広島や長崎の記念館で同じような行動をしていたら、ぼくたちだって感じるところがありますものね。

何はともあれ、お互いに良き友達としてリスペクトし合い、不用意な誤解を与えないようにしたいですね。

日米間の信頼関係

さて、過去には激しく戦いあった日米関係ですが、今の信頼関係はどうでしょう?

 

[jin_icon_pencil color=”#41a317″ size=”18px”]「この国を信用できますか?」とアメリカ人に聞いたときに、「信頼できる」と答えた人の割合

日本 オーストラリア 韓国 中国
68% 80% 49% 30%

韓国を信頼できると答えた人の割合が49%、中国が30%である中、日本を信頼できると答えた人の割合が68%でしたので、比較的、日本はアメリカ人から信用されていると理解できます。

しかし、アメリカと同じ英語圏であるオーストラリアは80%と高い信頼を得ていますから、「日米間に固い信頼関係がある」とまでは言い切れないかもしれませんね。

決して悪い意味ではなく、お互いにもっと信頼関係を深めることができる余地があるということです。

日本の総理大臣は、だれ?

ちなみに、「日本の総理大臣が誰か、知っているか?」という質問もあります。

その結果を見ると、がく然とします。

なんと、アメリカ人の74%もが、日本のリーダーで現首相である「安倍 (Abe)」という名前を聞いたことがないというのです!

この事実を信じられますか?

反対に、日本人で、オバマ元大統領や、トランプ現大統領のことを聞いたことがない人は、ほとんどいないでしょう。

多くの人が、少なくとも名前は知っていると思います。

アメリカ人は、日本のリーダーや政治のことについて、ほとんど知らないのです。

ただ、そういったリーダー層に頼らずとも、民間で相互信頼関係を築いて来たことが尊いとも考えられます。

過去75年の日米関係の中で、歴史的に最も印象深い出来事

「過去75年の日米関係の中で、歴史的に最も印象深い出来事はどれですか?」という質問に対するアメリカ人たちの答えが、こちら。

出来事 最も印象深いと選ばれた割合
2011年の東北大震災 31%
第二次世界大戦 31%
日米安全保障条約 23%
80年代の貿易摩擦 8%

 

東北大震災は、第二次世界大戦と同じくらいにショッキング

第二次世界大戦に対するアメリカ人の思いはすでに説明した通りですが、それと同じくらいのインパクトでショッキングであったのが、2011年の東北大震災です。

当時、あの大規模な地震、そして恐ろしい津波の映像は、アメリカで毎日のように報道されていました。

ぼくも当時はアメリカに住んでいましたが、いつも友人や同僚たちが「家族は大丈夫か?」と気遣って声をかけてくれました。

アメリカ人には正義感の強い方が多く、「今、大変な思いをしている日本をサポートしよう!」ということで、非常に多くのところで草の根の募金活動が行われていました。

日本への募金活動を見るたびにグッと来ていましたが、アメリカ軍の強力な支援活動も含め、「やはりアメリカは日本のことを親しく感じてくれている。」と感じ入った出来事でした。

まとめ:アメリカ人の日本に対するイメージ

乱暴ですが、アメリカ人のもつ、日本・日本人に対するイメージをまとめますと、次のようになりますでしょうか。

「Japan(日本)?ああ、Sushi(寿司)の国でしょ!Sushi(寿司)はおいしいよね、大好きさ!」

「Japan(日本)の総理大臣の名前?ごめん、それは聞いたことがないから知らないなぁ。」

「でも、トヨタとかホンダとか、日本車も素晴らしくて愛用しているよ!」

「過去にはいろいろとあったようだけど、今はもう悪い感情は抱いていないな。」

「何かあったらお互いに助け合う、トモダチ関係だよね!」

 

こういった過去の歴史などのセンシティブな話題への配慮を示しつつ、寿司や自動車といった話題・ネタに触れると、自然と話が盛り上がっていくと思います!

参考にしてください。

 

参考文献

“Americans, Japanese: Mutual Respect 70 Years After the End of WWII (April 7th, 2015)” Pew Research Center

 

アメリカのトップMBAを取得し、卒業後にアメリカ企業本社の幹部候補生として採用されたノウハウを紹介しています。

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ブログを引っ越しました。→https://presence-japan.com/blog/

現在、プレゼンスジャパン株式会社としてエグゼクティブコーチングを提供しています。

プロフィール
西原哲夫
西原哲夫
経営アドバイザー | エグゼクティブコーチ
慶應→住友電工→アメリカ駐在(25歳)→ノースカロライナ大MBA(30歳)→エマソン米国本社幹部候補(32歳)→日本エマソンGM(35歳)→ユーピーエス社長(39歳)→経営アドバイザー兼コーチ(今) | 2児の父親|アメリカ在住10年|表千家茶道学習者
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