映画「アメリカン・スナイパー」とオバマ米大統領の一般教書演説
映画「アメリカン・スナイパー」を観た。
映画「アメリカン・スナイパー」とオバマ米大統領の一般教書演説
映画に感じたこと
現在、アメリカで高い興行収入を上げていると共にアカデミー賞にもノミネートされ、大きな話題になっている。
内容は、海軍特殊部隊の狙撃手として中東地域で貢献した故クリス・カイルの伝記映画であり、戦争を経験した人間が抱える苦悩をまざまざと描いている。
実際、戦争がもたらす悲しみに気持ちが重たくなるもので、映画館でも泣いている観客がいた。
オバマ米大統領の一般教書演説 2015年
今週の火曜日、オバマ米大統領による一般教書演説が行われ、連邦議会の両院議員に対して国政の現状と今後の方針が語られた。
史上最高値の株価や失業率の改善等をしきりにアピールし、中流階級への後支えこそが主要因であり今後も最重要であると主張する。
そして、これらは本人が大統領職に着任当時から描いていたプランであり、残りの任期2年間においても方針を変えることは無いと言い切る。
それに続けて言及されたのが対中東政策。2011年末までに米軍をイラクから完全撤収させた実績をアピールするオバマ大統領。
長引くテロとの戦いに疲弊するアメリカ
この時、列席者達の顔色が一斉に曇った様子がテレビ中継に映った。
完全撤収させたことにより、それまで以上にテロ組織が勢力を増して現在に至ることは周知の通り。
当時、一定数は現地に残しておかないといけないと多くの反発が有ったにも関わらず、理想主義を貫いて完全撤収を断行したオバマ大統領に対し、保守派を中心として国民が怒っているのだ。
現実を鑑みない個人勝手な理想のみで滅茶苦茶にしてしまった、と。
この映画を観るまでもなく、戦争は辛く悲しいもの。
自分の子供を戦争に行かせて構わない親などいるわけがない。
それでもあの時、あそこまでやっていたのだから、嫌でも続けるべきであったと今になっては思うわけだ。
故クリス・カイルのように犠牲になった人たちの命が水の泡になってしまった、と。
当時、長引く戦争に疲れ、オバマ大統領を支持していた国民も当然多くいる。
結果のみを取り上げて非難することも建設的でない。
今、アメリカ国民は何を思っているのか。この泥沼が更に長期化することに涙を流しつつ覚悟を決めているところだろうか。
日本人としても対岸の火事でないことを、現在の人質問題が浮き彫りにしている。
今週は非常に気持ちの重たくなる1週間だ。
尚、本映画は、日本では2015年2月21日に公開予定とのこと。