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本レビュー:B2Bマーケティング『Fundamentals of B2B Sales and Marketing』

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本記事は、ぼくが過去にマーケティングに携わっていた際の、勉強のためのブックレビューです。

タイトル:Fundamentals of Business to Business Sales and Marketing
著者:John M. Coe

【本レビュー】B2Bマーケティング「Fundamentals of B2B Sales and Marketing」

内容

  • 年々、営業をすることが難しくなってきている。顧客が、営業マンと会いたがらなくなっているのだ。情報が必要ならば、会社のホームページを見れば良いわけで、わざわざ、営業電話などもらいたくない。昔は、情報源としての価値を営業マンに見出していたが、今ではその価値はホームページにある
  • 営業する側にとっては、顧客を開拓し、関係構築し、受注につなげ、リピートを狙う、というサイクル。しかし、顧客にとっては、情報を集め、ニーズに合うか吟味し、競合他社や他の製品・サービスも検討し、見積もりを取り、比較検討し、価格交渉し、購入後にも検証し、リピートにつなげるかどうかを検討する。このように、サイクルが変化していて、かみ合わなくなっている。つまり、購入検討ステージの全てのステップにおいて、営業の力を使うこと自体に無理が来ているということ。
  • 顧客へのアプローチ方法には、営業マン、E-mail、電話、展示会、ダイレクトメールなど、様々なものがあるが、一つに頼るのではなく、顧客のタイプに合わせて使い分けをすることが大事。例えば、コモディティであればE-mailだけで売れるかもしれないが、高額で大規模な製品であれば、営業マンが関係構築をする必要があるということ。
  • ビジネス規模に応じて、市場や顧客をプロファイリングすること。そして、ターゲットを定め、さらにセグメンテーションしてコミュニケーション内容・方法をカスタマイズすることが大事。
  • アプローチのタイミングも大事で、興味を持っただけの段階、購買を検討している段階か、なども分析します。また、その顧客が、実際に予算を持って購入決定をする人か、それとも製品の判断をするだけか、ということも分析必要。
  • あとは、顧客との関係構築において気をつけるべき点、アップセル・クロスセルにおいて気をつけるべき点、などが書かれています。

 

読後レビュー

この著者は、化学会社で法人営業としてキャリアをスタートし、職場は変われどその後も一貫して営業とマーケティングの分野でキャリアを築いています。

現代の流行となっている、テクノロジーを駆使したマーケティングオートメーションがやっていることについて触れています。

2016年(当時)に読んでも、特に真新しい内容はありませんでしたが、出版が2003年であったことを考えると、深い経験に基づいてよく考えられたものです。

また、「ソフトウェアを使ったCRM (Customer Relationship Management) というデジタルツールが流行っているようだが、どんなに高度な機能がついていようと、使い方が複雑で、どこの会社でも、ソフトウェアを購入したはいいが、使いこなせない、という失敗事例が多く出ている。」と書いている点が印象的でした。

マーケティングツールのみならず、ビジネス全般において、シンプル・イズ・ザベストを忘れてはいけないなと改めて感じました。

古い本なので、特に購入を勧めるものではありませんが、長年にわたって、現場で実践・経験を積んできた人だからこその、言葉の重みを感じるような本でした。

なお、B2Bマーケティングといっても、営業活動に直結するような顧客とのコミュニケーションに焦点が置かれており、製品開発や市場・競合分析、プライシングなどについては一切書かれていません。




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ブログを引っ越しました。→https://presence-japan.com/blog/

現在、プレゼンスジャパン株式会社としてエグゼクティブコーチングを提供しています。

プロフィール
西原哲夫
西原哲夫
経営アドバイザー | エグゼクティブコーチ
慶應→住友電工→アメリカ駐在(25歳)→ノースカロライナ大MBA(30歳)→エマソン米国本社幹部候補(32歳)→日本エマソンGM(35歳)→ユーピーエス社長(39歳)→経営アドバイザー兼コーチ(今) | 2児の父親|アメリカ在住10年|表千家茶道学習者
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