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【手法解説】チェンジマネジメントで業務改革【リスク回避ポイント】

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“業務改革や組織変革にはチェンジマネジメントが有効だって聞いたよ。無理やり改革しようとすると社員の反感を買って逆効果になりかねないから、リスクを抑えて実行する手法を知りたいな。”

こういった疑問に答えます。

確かに、みんな誰しも、改革や変革が必要なことは理解しても、それが自分に降りかかってくるとイヤなものですよね。

その中、マネジメントや管理職の一員として変革をもたらす側に立って実行するとなると、並大抵の覚悟では済みません。

しかも、中途半端にやってしまうと、社員の反感を買い、改革をもたらす以前よりも悪い状況におちいるようなリスクだって考えられます。

本記事では、できるだけリスクを抑えつつ、業務改革や組織変革を行うチェンジマネジメントについて解説します。

本記事のポイント

・仕事に業務改革や組織変革をもたらす手法をチェンジマネジメントという

・社員からの反感などリスクを抑えて実行するための手法を解説

 

これはぼくがアメリカでMBA留学時代に学んだもので、アメリカの大企業を中心として活用されている方法です。

ただし、手法を学ぶことはそれほど難しくないですが、実際に実行することは、非常に難易度が高いです。

ぜひ、あなたの上司や同僚など、「改革の仲間」となるみなさんと一緒に読んでいただき、しっかりと議論をした上で取り入れていただくことをおすすめします。

 

【手法解説】チェンジマネジメント:7つのステップ

さっそく結論として、リスクを抑えて成功を導くチェンジマネジメントの手法として、7つのステップを紹介します。

[jin_icon_checkcircle color=”#41a317″ size=”18px”]チェンジマネジメント:7つのステップ

1. どのような変革が必要か、分析する

2. コアメンバーを集めて変革チームを編成する

3. 変革チームでビジョンと戦略を定める

4. 組織内に危機感を醸成する

5. ビジョンと戦略を伝える

6. 実行に移す

7. 成果を刈り取る

これら7つのステップを確実に踏んで行くことができれば、かなりリスクを最小化しつつ、業務改革や組織変革を実行することができるでしょう。

 

それぞれのステップの詳細を説明する前に、そもそもなぜ「変わることが必要なのか?」をしっかりと理解しましょう。

ここで腹落ちできないと、手法だけを学んでも効果が発揮されません。

チェンジマネジメントの必要性:なぜ「変わること」が必要か?

会社組織の競争力は、「どれだけ早く変わり続けることが出来るか」に尽きます。

グローバリゼーションや技術イノベーションのスピードが益々早まっている今日のビジネス環境において、毎日毎日、世の中は変わって行きます。

顧客が変わります。競合他社が進化します。そして市場環境も変化します。

すると当然、自分たちも変わり続けることだけが、生き残っていく為の必要条件となるのです。

なぜなら、昨日は通用したやり方が、明日も通用するとは限らないからです。

しかも、競争相手よりも自分たちの方が早く変わらないといけません。さもなければ、自分たちの取り分が奪われてしまいます。

つまり、「変わり続ける」ことこそが大事なのです。

ただ、「変革」だとか「改革」だなんて言葉を使いすぎても肩がこりますので、「成長」や「進化」といった言葉を使ってチームをリードしても効果的でしょう。

 

【詳細解説】チェンジマネジメントの7つのステップ

チェンジマネジメントが主眼とするところは、「早いスピードで、人を変える」ことです。

それができれば、おのずと業務も組織も変わってきます。

いきなり全員に「今日から変わりましょう!」と言ってもなかなか変われないので、そのスムーズなやり方を、7つのステップで学びましょう。

1.どのような変革が必要か、分析する

  • 内部環境よりも外部環境がどのように変化しているか、そしてその外部環境の変化が自分たちにどのような影響を及ぼしているか、という視点で分析を行います。
  • 信頼性有るデータを集め、出来るだけ思い込みを取り除き、バイアスのかからない状態で分析を行います。
  • マーケット・技術・財務・オペレーションの各方面から隈なく分析することが大切です。
  • 表面的な事象のみならず、問題が発生する理由の根本まで掘り下げるようにしましょう。

 

2.コアメンバーを集めて変革チームを編成する

  • コアメンバーは変革を起こす中心となる為、次の要素を少しでも多く持っていることが望ましいです。たとえば、チームのモチベーションを上げることが得意・ビジョンを掲げてチームに語ることが出来る・チームメンバーの気持ちを理解しサポートする姿勢を見せられる・計画を策定し実行まで出来る。
  • また、変革をよりスムーズに運ぶ為には、コアメンバーに次の要素が有ることも望ましいです。組織内での立場や職位が高い専門知識を持っている・過去に信頼出来る実績を持っている・リーダーシップスキルを持っている・実行力が有る。
  • 組織変革を起こそうとする時は一般的に、組織の20%は協力姿勢を見せ、60%はどっちつかず、そして残りの20%は変革に抵抗をします。説得の為に一番労力を割くべき相手は、どっち付かずの60%です。この層を説得出来ると、組織の80%が味方してくれていることとなり、大きな流れとなって変革の方向に進む力が生まれます。もちろん20%の抵抗勢力に対しても真摯な態度で説得を図る努力が必要であることは言うまでもないですが、そこだけにとらわれていては前に進めません。

 

3.変革チームでビジョンと戦略を定める

  • ビジョンは、次の要素を含んでいることが望ましいです。具体的である・共感出来る・達成可能範囲にある・的を得ている・シンプル
  • 更に、そのビジョンを作る過程も重要です。チームメンバーみんなで策定する・様々な角度から検討が成されている・風通しの良い議論のもとで策定されている。

 

1から3のステップができてようやく、実行に移すステージとなります。

逆に言うと、実行を焦って1から3をないがしろにすると、4以降のステップでも失敗する可能性が高まりますので、注意をしましょう。

 

4.組織内に危機感を醸成する

  • 少しでも伝えれば分かってくれるだろう、などと甘く考えてはいけないし、大半の人は、現状から変わることに大きな抵抗を感じることを忘れてはいけません。
  • 特に外部環境の変化によって、自分たちの組織が危機にさらされていることを訴えましょう。
  • メッセージに次の要素を盛り込むと効果的です。競合他社情報財務情報
  • また、話し合いの場ワークショップを設けることも有効です。
  • 75%以上のメンバーに組織変革の必要性を納得させることが出来てはじめて、次のステップに進んで良いです。

 

5.ビジョンと戦略を伝える

  • 実行に移す前に、ビジョンと戦略を共有しましょう。
  • 一回で理解してもらうことを期待せず、何度も何度も説明を繰り返す必要が有ることを理解しましょう。
  • シンボルやスローガンなどを作り、共有しやすいようにすると効果的です。
  • メッセージに統一性を持たせることに加え、自分自身やコアメンバーの行動がビジョンに沿っていることも大切です。
  • 社内報やイントラネットなどあらゆるチャネルを通じてコミュニケーションをとると良いです。
  • 一対一でのコミュニケーションも同じように有効で、率先して取り組んでください。
  • 全体像を見せると同時に、一人一人が自分の仕事に結びつけられるような手助けも有効です。

 

6.実行に移す

  • ここまで来て、ようやく実行に移すことが出来ます。
  • 実行の手立てとして、組織構造や業務プロセスをビジョンや戦略に合わせて変えましょう。人材採用・育成のプロセス、トレーニングプログラム、業績評価システムや褒賞システムなどが、その対象です。
  • 重要ポジションに「正しい人材」を配置しましょう。ここまで来ても、組織のビジョンに従わない抵抗勢力がいる場合は、配置換えをしてもかまいません。
  • ビジョン実行の為であれば、部署間のパワーバランスを変えてもかまわないし、部署の統廃合を進めてシナジーが生まれるように仕向けてもかまいません。
  • 気をつける点として、テクノロジーを導入しても、それだけで問題を解決することはないことを忘れてはいけません。テクノロジーはあくまで変革の補助ツールとして有効活用しましょう。
  • また、新しいビジョンを浸透させる為に、メンバーにトレーニングが必要であれば、しっかり提供しましょう。

 

7.成果を刈り取る

  • メンバーのモチベーションを長期的に維持することは難しい為、自分たちの成功を定期的に確認出来るよう、短期的な目標を組み合わせましょう。
  • 短期的な目標を達成出来たら、一つずつ、その成功を確認する。ただし、メンバー達が燃え尽きることを防ぐ為、あくまでそれらはマイルストーンの一部であることを確認するのみに留め、すぐに次の目標に向かって走り出すように方向づけをすることが大切です。
  • これを繰り返し、長期的な目標達成に向け、チームをリードし続けましょう。

 

まとめ:チェンジマネジメントの有効性

いかがでしたでしょうか?

経営者だけでなく、部下が一人でもいるようなマネジャーや管理職の方、それからチームリーダーをしている方にとって、かなり参考になるのではないでしょうか。

組織改造だなんて大それたことだけじゃなく、チームの仕事のやり方を変えるだけであっても、このステップに沿って進めるとスムーズです。

また、どんな変革をもたらそうとする時でも、実行の際には75%以上のメンバーを納得させてからでないと成功しない、という点も参考になりますね。

言われてみると、組織ってホントそうだなあ、と思います。

「なんか最近マズいかもしれない。」程度では結局、組織は変われないんです。

「このままでは大変だ!」と自分も強く思っているし、周りも顔色を変えて同じように言っている状態になってはじめて、大きなうねりが生まれ、組織がググっと動き出します。

こういった空気を醸成することも、チェンジマネジメントのステップのひとつとなります。

あなたの思いを成功させるためにも、仲間をつのってチームを作り、チームワークで当たるようにしてください。

 

アメリカのトップMBAを取得し、卒業後にアメリカ企業本社の幹部候補生として採用されたノウハウを紹介しています。

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ブログを引っ越しました。→https://presence-japan.com/blog/

現在、プレゼンスジャパン株式会社としてエグゼクティブコーチングを提供しています。

プロフィール
西原哲夫
西原哲夫
経営アドバイザー | エグゼクティブコーチ
慶應→住友電工→アメリカ駐在(25歳)→ノースカロライナ大MBA(30歳)→エマソン米国本社幹部候補(32歳)→日本エマソンGM(35歳)→ユーピーエス社長(39歳)→経営アドバイザー兼コーチ(今) | 2児の父親|アメリカ在住10年|表千家茶道学習者
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