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三日坊主の治し方のコツ。『習慣の力』本レビュー【次こそは!】

“良くない習慣を断ち切ろうと決心するのですが、いつも三日坊主で挫折してしまいます。良い方法があれば教えてください。”

こういった悩みをかかえるあなたに、まずは朗報です。

 

新しい習慣を身につけ、三日坊主を乗り越えることは可能です。

ただ確かに、禁酒に禁煙、ダイエットに運動に、いろいろと取り組んでも三日坊主になることって、よくありますよね。

「習慣」を変える難しさに悩んでいるのは、あなただけではありません。

「今回こそは!」と強い意志をもって取り組んだところで、挫折に悩む人も、あとをたちません。

 

実は、三日坊主になってしまうことには理由があることを知っていましたか?

その理由を理解し、習慣の力を身につければ、あなたも三日坊主を克服できます。

 

 

本記事のポイント

・習慣の仕組みを解説

・意志や自制心の限界が分かる

・新しい習慣を身につけるヒントを説明

 

 

受賞歴多数のアメリカ人ジャーナリストが書いた、「習慣の力」という本の内容をベースに解説します。

三日坊主の治し方のコツ。『習慣の力』本レビュー【次こそは!】

三日坊主を治したいのならば、まず、習慣とはどのように成り立っているのか、その仕組みから理解しましょう。

これを理解することが出来れば、治し方のコツも簡単に理解できるようになります。

習慣の仕組み

まず最も大事なことは、習慣とは無意識のうちに繰り返される行為のことであり、それを自覚することです。

そう、だれも意識して、「ダイエット中なのにクッキーに手を伸ばしている」わけでも、「禁煙中なのにタバコに火をつけている」わけでもないのです。

あ、っと気づいたときにはクッキーやタバコが口の中に入っているわけです。

行動が習慣化する裏には、一つの流れがあります。

それは、「きっかけ」があり、習慣としての「ルーチン」があり、それを行なった結果としての「ごほうび」がある、というものです。

習慣とは、「きっかけ→ルーチン→ごほうび」がパターン化すること。

実は、これを逆から考えると分かりやすくなります。

まず、脳が「ごほうび」を認識すると、その「ごほうび」を得られるための「ルーチン」を身体に覚えこませるようになります。

そして、その「ルーチン」をはじめるための「きっかけ」も探し出すよう、無意識にプログラムするようにせっせと働きはじめます。

 要は、「ごほうび」が欲しいから、必要な作業を「ルーチン化」し、それを頻繁に行えるよう、自分の中での「きっかけ」まで作ってしまうのです。

これは、「ごほうび」を得ることに対して、毎回、どうすれば良いか考えるエネルギーを節約するために、ぼくたちの脳が考え出した効率的な方法なのです。

習慣パターン化の事例

たとえば、安くて手軽なファーストフードのハンバーガーがあります。

身体にはあまり良くないとは分かっているものの、安さや手軽さという「ごほうび」を脳が認識してしまったが最後、そこにたどり着くまでの「ルーチン」と「きっかけ」を探しはじめます。

お店はどこに入っても同じような作りと店構え、店員は決まったユニフォームを着て、いつも同じあいさつの言葉で迎えてくれる場所。

すると、たとえば、「駅前にある、黄色と赤色のお店」を見ただけで、それが「きっかけ」となり、お店に入ってからハンバーガーを買って食べるまでの一連の流れが「ルーチン」となり、もう気づけばお店に足が向かっているのです。

はじめは月に1回であったのが、週に1回、そして週に2回なんてことになっていくのです。

習慣の仕組みを理解することが、第一歩 

自分の行動を変えるには、まずこの習慣の仕組みを理解することが第一歩となります。

「習慣」というものは無意識のうちに作られていて、「きっかけ」があると、「ごほうび」にたどり着くまで、無意識に「ルーチン」を繰り返すよう、身体が勝手に行動する。

これが習慣の仕組みです。

 

意志の力と自制心

意志の力や自制心を使っても挫折した経験があると思いますが、それも解説します。

意志の力と自制心には限りがある

まず、意志の力や自制心は有限である、ということを認識することが大切です。

そうです、一度使ってしまうと、無くなってしまうのです。

はじめはどんなにやる気があっても、しばらくすると疲れてきてしまうのは、このためです。

おもしろい実験があります。

被験者を集めて部屋の中に入れます。

すると、そこには甘い良い香りのするクッキーがあります。

一つのグループの被験者には、「どうぞご自由に食べてください。」と伝え、食べてもらいます。

逆にもう一つのグループの被験者には、「クッキーは食べてはいけません。代わりに、こちらの赤カブを食べてください。」と伝え、赤カブを食べてもらいます。

中には、クッキーを食べたくて、手にもって匂いだけをかいで我慢する人もいます。 

そのあと、それぞれのグループに、絶対に解けないような難しいパズルを解いてもらうよう、指示を出します。

すると、

クッキーを食べた方のグループは15分以上、パズルを解こうと粘りました

そう、ここで意志の力と自制心を使ったのです。

しかし逆に、先ほどクッキーを食べられず赤カブで我慢したグループは、なんと5分そこらでギブアップ!

クッキーを我慢するときにすでに自制心を使い果たしてしまっていたため、もう、パズル解きに粘るための自制心が無くなってしまっていたのです。

ぼくたちの意志の力や自制心には、限りがあるです。

つまり、習慣を変えたり、自分の行動を変えたりしたい場合、「今回は本気でやるぞ!」などと意志の力や自制心に頼ることは得策ではないということです。

意志の力は鍛えられる

実はこの意志の力と自制心、使うと疲れてしまうのですが、実は鍛えることもできます。

まさに、「筋肉」のようなもの。

ここでまた実験です。

あるところにどうしても自分の爪を噛んでしまう癖を持ち、爪がすべてボロボロであった人がいました。

その人に、一つ、簡単なことに取り組んでもらうようにしました。

それは、常にメモ用紙とペンを持ち歩いて、爪を噛んだらチェック印をつけるというもの。それだけです。

その後その人は、爪を噛むたびにチェック印をつけるのですが、その行為によって、自分がどれだけ爪を噛んでいるかを自覚できるようになります。

そしてその過程で、チェック印をつけるために意志の力を使っているのですが、少しずつ継続することによって徐々に意志の力が鍛えられていきます。

結果として、これまで無自覚に爪を噛んでいたことが自覚できるようになり、意志の力を使って少しずつ改善がなされ、1ヶ月でその癖を克服することができたのです。

 

また別の実験では、ある被験者たちに、お金の無駄遣いを減らすことを目的に、お小遣い帳をつけてもらう取り組みを始めました。

最初は慣れないお小遣い帳でも、何を買ったか記録するだけですので、それほど難しいことはありません。

これに慣れてくると、自分がどのようにお金を使っているかが見えるようになり、自分の浪費癖を自覚するようになるのです。

それまでは無自覚であったことが、自覚できるようになるところが第一歩で、自覚した後は、少しずつそれを改善するように取り組み始めます。

すると、「お小遣い帳をつける」という単純な取り組みであるものの、意志の力を使ってその作業をコツコツと続けるうちに、やがてその意志の力が鍛えられていきます。

結果として、無駄遣いが減らされまして。

そしてなんと、ダイエットが進んだり、仕事のパフォーマンスが上がったり、他の面でも改善効果が見られるようになったのです。

このように、大がかりに使おうとすると意志の力はすぐに消耗してしまうものの、小さいことをコツコツと続けるのであれば意志の力は鍛えられていきます。

よって、小さい子供にピアノやスポーツを習わせるということは、それらが上手になるだけでなく、小さいうちから意志の力を鍛えることができるという意味で、とても有益なことなのです。

習慣の力を上手に利用した例 

ここで、「習慣の力」を上手に利用した例を紹介します。

習慣の「きっかけ」を利用する

一つは、中東地域の内紛を抑えるためにアメリカ軍が見つけたもので、「習慣の中で鍵となるきっかけ」を見つける重要性についてです。

駐留軍が見つけたところには、大規模な紛争のきっかけとなるような暴動が起きる場所はいつも広場や広い道路であるとのこと。

そして、そこにどんどんと人が集まり、騒ぎが大きくなってくると、その人だかりにビジネスチャンスを求めて食べ物屋台のトラックがやってきます。

そしてそこにいる人たちが騒ぎに加わっている最中にお腹が空くものですから、その屋台のトラックからケバブなんかを買って食べて腹ごしらえをし、さらにエネルギーを満たして暴動に戻っていくのです。

そこでアメリカ軍が取り組んだこととは、人が集まる広場に食べ物屋台のトラックの出入りを禁止すること。

すると、どんどんと人が集まってきて騒ぎが大きくなってきた時、ちょっとお腹が空いたなと辺りを見回しても、屋台のトラックがありません。

食べ物が胃に入らなければエネルギーが出ませんし、いつもの「屋台のトラックを見つける」–> 「食べる」 –> 「暴動に戻って騒ぐ」というルーチンにつながらないのです。

そうこうしているうちに、「まぁ、お腹が空いたし、今日のところは家に帰るか。」ということで、騒ぎが鎮静化されていくことが分かりました。

習慣の力を生み出す過程を活用する

二つ目は、アメリカのアルコアというアルミを精製する会社の例で、「ポジティブな習慣の力の生み出し方」が学べます。

飲料缶をはじめ、ありとあらゆるアルミ製品の原材料を提供する大企業なのですが、1980年代後半に業績不振に陥っていました。

そこで1987年にCEOに就任したポール・オニールのとった取り組みというものが、「安全第一」というものです。

アメリカの会社にあってして、「株主還元」とか「利益率重視」といったキーワードを掲げずに、とても定性的な「安全」を第一の目標に掲げたところが大変ユニークなものでした。

投資家筋からは、「こんどの新しいCEOは頭がおかしい」と受け入れられたものの、ポールがやったことは、「社内で一つ、全社員で共有できる目標を立てて、それに向けてコツコツと努力を継続する習慣を植え付ける。」というものだったのです。

「安全第一」と言われて反対する従業員はいません。

むしろ、これまで利益重視のために従業員の健康を犠牲にしかねないような働き方をしてきた会社が、従業員の安全を気にするようになったわけですから、本人たちはもちろんのこと、その家族にも大いに喜ばれます。

その後、徐々に社内で安全に対する取り組みの熱が上がり、改善が繰り返され、それが習慣になっていきました。

すると、それと合わせて他の分野でも改善をする習慣が見られるようになり、会社の業績改善に大きく貢献する結果となったのです。

小さな成功を積み重ねる

三つ目は、かの水泳世界新記録樹立者であるマイケル・フェルプスの取り組みについてで、「小さな成功の積み重ねの重要性」が分かります。

マイケルは水泳をはじめてから長い間、ずっと継続して取り組んできたことがあるそうです。

それは、「ビデオを観る」という練習。

毎晩寝る前に、頭の中でそのビデオを再生します。

プールのある競技場に入り、着替え、準備運動をし、ゴーグルをつけ、スタートラインに立ち、飛び込み、水をかき、ゴールし、喜ぶ、という一連の流れを頭の中でビジュアルにして再生するのです。

毎日毎日、そのビデオを観ているので、本番中もちょっとやそっとのことでは動じません。

オリンピックの最中のあるレースでは泳いでいる途中でゴーグルの中に水が入ってきてしまったことがあったけれども、そのビデオと同じように水をかき続けてゴールしたら世界新記録であったなんてエピソードもあります。

もちろん他にも様々な努力がなされていたはずですが、何年にもわたって毎日ビデオを観る、という小さな成功を積み重ねていったことが、他の取り組みの原動力にもなったのです。

また本番前の1〜2時間の準備運動においても、必ず同じ動作をするのです。

すると、一つずつの動作を通じ、「この動作ができた。次の動作もできた。」と小さな成功を重ねていくことで、本番が始まる時にはすでにいくつもの小さな成功を重ねているために自信がたまった状態になっており、そのままの流れに乗って本番にも臨めるというわけです。

自分を変えるために、新しい「習慣」を作る方法

では一体、ぼくたちがどうしたら習慣を変えることができるのか?

以下の3点が重要になります。

「きっかけ」と「ごほうび」はそのままに、「ルーチン」だけを変える

自分が無意識にしてしまっている習慣、つまりは「ルーチン」を変えることが目標になりますが、一番成果が出やすいものは、「ルーチン」だけを変えるというもの。

「きっかけ」と「ごほうび」についてはすでに脳の無意識に埋め込まれてしまっているので、これを変えるには長い時間が必要となります。

実は前述の爪を噛んでしまうケースでも、手が気になるという「きっかけ」があった後、爪を噛むという「ルーチン」を、手を揉むという「ルーチン」に置き換えることによって習慣を変えることに成功しています。

ここで最初に行うべきは、自分自身のことをよく観察することです。

たとえば勤務中にクッキーを食べてしまうという習慣を変えたい場合、まずその「きっかけ」を探します。

決まった時間からなのか、お腹が空いているからなのか、仕事に飽きてくるからなのか、など。

次に「ルーチン」を見てみると、売店に行ってクッキーを買い、それから同僚の机に行っておしゃべりをしているということが分かるとします。

その中で「ごほうび」は何なのか?同僚とのおしゃべりか?本当にクッキーが食べたいのか?それとも休憩することなのか?というように分析をするのです。

いろいろと行動パターンを変えてみると、本当に「きっかけ」となっていることが分かります。

それがたとえば、「仕事に飽きてくるから」という「きっかけ」であることが分かったならば、「同僚の机に行っておしゃべりをする」という「ごほうび」はそのままに、「ルーチン」である「売店でクッキーを買う」という行為を「売店でフルーツを買う」という行為に置き換えてあげるのです。

それがうまくいくようであれば、「売店には寄らずに直接、同僚の机まで歩いていく」という「ルーチン」に変えてあげることもできます。

こうして、「きっかけ」から「ルーチン」「ごほうび」までを観察・分析し、「ルーチン」だけを変えてあげれば、「無意識にクッキーを食べてしまう」という習慣を改善することができるのです。

最初から大きな成功は目指さずに、小さな成功を積み重ねる

最初から大きな目標を立てたものの、途中で挫折してしまったという経験は、誰しもが持っているもの。

これは、意志の力が有限で、使っている途中で疲れて無くなってしまうからです。

これではせっかくの意志の力がもったいない。

そこで、目標は小さく持つことが肝心です。

そうすると、少しの意志の力を使うだけで、その目標を達成することができます。

そして、その小さな成功が果たせた時、しっかりと自分に「ごほうび」をあげるようにすれば、成功を手にしたことを脳が喜び、記憶するようになります。

そして次に同じような小さな成功を目指して努力をする時、前回よりも意志の力を使わずに達成できるようになります。

この小さな成功を、少しずつ、少しずつ、繰り返すことによって、最終的な大きな成功を目指すのです。

仲間と一緒に取り組む

習慣を変えるためには根気が必要となるため、「自分はやれば出来る。」と信じる力が大切になります。

この時、一緒に励まし合える仲間を持つことが有効です。

お互いに励まし合うことができますし、「あの人ができるなら、自分にもできそうだ。」と信じることにもつながるのです。

こうやって自分の掲げる小さな成功の実現が信じられるようになれば、実行に対する心理的なハードルも下がり、少しの意志の力を使うだけで実際に目標を達成することができるのです。

そして、この小さな成功を積み重ねていくと、自分の中の「信じる気持ち」がどんどんと大きくなっていくので、その成長スピードがますます加速されていきます。

この自分の成功を目にした仲間も触発されることはもちろん、その仲間の成功がまた自分に返ってくる、というポジティブな好循環に入ることができるのです。

まとめ:三日坊主の治し方のコツ

こうやって見ていくと、習慣というものが、ぼくたちの脳や身体が生まれもった仕組みであることが分かります。

そしてそれは無意識に生み出されるため、ネガティブに働いてしまうこともあれば、ポジティブに働かせることも可能であるということ。

すべては脳・身体機能の効率化のための仕組みなんですね。

自分がついつい無意識にとってしまっている行動にも注意を払い、ポジティブな習慣をできるだけ多く身につけていきたいところです。

自分を信じ、小さな小さな成功を、コツコツと積み上げていきましょう。

気づいた頃には遠くまでたどり着けているはずです。