キャリア

【キャリアの棚卸し】これまでの経験とスキルを整理する手順とコツ

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“転職活動には自己分析が欠かせないと聞きました。とくにこれまでの経験とスキルを整理することが必要とのことですが、その手順やコツを教えてください。”

おっしゃる通り、転職活動には自己分析が欠かせません。

とくに過去から築き上げてきた経験やスキルは、あなたの資産であり、書類や面接でしっかりと伝える必要があります。

転職活動では、それを「キャリアの棚卸し」と呼びます。

非常に大切なプロセスですのでしっかりと取り組みましょう。

 

本記事のポイント

・これまでの経験とスキルを整理する手順とコツ

・キャリアの棚卸しを行うことの重要性

・棚卸しをすると見えてくる、あなただけのキャリアストーリー

 

ぼくは現在は外資系企業の経営にたずさわっていますが、過去に転職をした際、自己分析の一環としてこのキャリアの棚卸しを行いました。

これをやったことによって、自分のスキルや強みを再確認することができ、それを面接官にも効果的に伝えることができました。

また、採用をする側としても、キャリアの棚卸しをして自己分析をしている人としていない人の違いはすぐに分かるものです。

本記事で説明するポイントは、ぼくがアメリカのMBAで学んだものですので、ぜひ活用してください。

 

これまでの経験とスキルを整理する手順とコツ

転職活動とは、採用をしたい会社と求職者とのマッチングですが、会社側は求職者の経験とスキルを中心に確認をしています。

なぜなら、その人を採用したときに、すぐに即戦力として活躍してもらうことを期待するためです。

つまり、目当ての会社から採用オファーをもらうためには、そのポジションに必要な経験やスキルを、あなたがもっていることを説明しなければいけないということです。

そしてそのためには当然、あなた自身が自分の経験とスキルをよく理解していなければなりませんので、整理が必要です。

過去にたずさわった仕事について時系列に書き出す

まず最初は頭のウォーミングアップもかねて、過去にたずさわった仕事についてひたすら時系列に書き出しましょう。

あなたのキャリアが5年でも10年でも、仕事をはじめた時から順番に書いていきます。

「<例>これまでの経験とスキルを整理」というタイトルのサンプルを上につけていますのでご参照ください。(実際はもっと詳しく書き出してください。)

人によって仕事の内容や期間もバラバラですが、まずは手を動かして書いてみることが重要です。

最初は書きやすい仕事の内容だけ書いていき、筆が止まるまで書き続けてみましょう。

それぞれの仕事で達成した成果を書き加える

仕事を書き出すことができたら、それぞれで達成した成果を書き加えます。

この時、あなた一人ではなくチームで達成した成果でもかまいません。それはあなたがチームに貢献して得た成果ですので、胸を張ってください。

コツ:成果はできるだけ定量的に書く

仕事の成果を書く時、できるだけ定量的に書くことがコツです。

定量的に書くとは、数値化することです。

たとえば、売上や受注の金額であれば、しっかり「〇〇円のプロジェクトを受注した。」と書きます。

これが「プロジェクトを受注した。」としか書いていないと、その影響度が分からないからです。

中には、数値化することが難しい仕事もあります。

たとえば、新製品の設計のような仕事がそれにあたります。

しかしそういったものでも、「設計を完了した。」ではなく「設計納期遵守率100%を達成した。」と定量的に書くと、よりプロフェッショナルらしくなります。

どんなことでも定量的に書くことができますので、ひとつひとつ工夫してください。

成果を出すために発揮したスキルを書き足す

それぞれの仕事に対して成果を書き加えることができたら、そこで発揮したスキルも書き足してください。

プレゼンテーションスキル、分析スキル、チームワークスキル、設計スキル、交渉スキル、マーケティングスキルなど、どういったものでもかまいません。

これらこそ、あなたの強みですので、転職活動でもそれらをアピールしましょう。

コツ:業務を通じて新しく身につけたスキルもOK

また、ひと口にスキルといっても、最初から身につけていたものだけでなくても問題ありません。

多くの場合、それぞれの仕事を通じて新たに身につけたスキルの方がほとんどでしょうし、それでまったく問題ありません。

ぼくたちは最初から仕事ができるわけでも、スキルが身についているわけでもありません。

むしろ、さまざまな仕事にチャレンジし続けながら、同時にスキルを身につけて成長していくものです。

そうして身につけたスキルが将来に活かされることが重要ですので、業務を通じて新しく身につけたスキルも堂々と書いていきましょう。

重要項目を選び出し、まとめる

ひと通り、過去からの仕事内容成果、そしてスキルを書き出すことができましたら、その中からもっとも伝えたいものを選び出しましょう。

この時に意識したいことは、これから受ける会社が重視してくれそうな業務経歴やスキルを選ぶということです。

冒頭で説明しました通り、会社はいつでも即戦力を求めていますから、求められる仕事に関連しそうな経験やスキルを中心にアピールしましょう。

さらにその上で、インパクトが大きいものや、あなたが自信をもっているものを選ぶこともアリですが、面接官の目線を見失わないことが大切です。

コツ:課題・アクション・結果の形でまとめる

重要項目を選び出しましたら、それらを文章の形にしましょう。

この時のコツは、(1)課題、(2)アクション、(3)結果の3点をおさえることです。

たとえば、マーケティングプロモーションで売上改善したことを文章にする場合、ただ「プロモーションを行って〇〇円の売上増加を達成した。」と書いてはインパクトが伝わりません。

(1)売上分析の結果判明した下位10%の顧客20社に対して、(2)期間限定プロモーションを実施し、(3)それによって〇〇円の売上増加を達成した。」というように書きます。

このように書くことで、そのアクションが必要だった背景や課題、あなた自身がとったアクション、その結果ストーリー仕立てで説明することができます。

選び抜いた重要項目について、この3点を使って文章にまとめあげましょう。

 

キャリアの棚卸しを行うことの重要性

キャリアの棚卸しとして、これまでの経験とスキルを整理するには少し手間がかかりますが、非常に役に立ちます。

面接官への説明が分かりやすくなる

まず当然ながら、経歴とスキルを面接官に分かりやすく説明できるようになります。

面接でさまざまな質問を受けますが、事前に自己分析ができていると、スムーズに回答をすることができます。

スムーズに回答ができると面接官へ好印象を与えることができますし、採用オファーをもらえる可能性も高まります

もちろん、ここで整理した内容を職務経歴署に使うと良いでしょう。

自分自身の強みを理解し、自信につながる

普段はなかなか機会がないですが、キャリアの棚卸しを行うことで、自分自身の強みを理解し、自信につなげることができます。

一人のプロフェッショナルとして、自分は何ができて、何が課題であるかを把握しておくことはとても大切なことです。

キャリア構築のスピードが上がる

キャリアを文章にして可視化すると、これまでの経験やスキルといった強みだけでなく、逆に自分が不足・苦手としているところも浮き彫りになります。

その際、将来のキャリア目標があれば、これからどういった仕事に取り組んでいくべきか、そこからどのような経験やスキルを身につける必要があるかが分かってきます。

そうすることで、キャリア構築のスピードが上がり、あなたの理想とする姿にいち早く到達することができるようになるでしょう。

 

棚卸しをすると見えてくる、あなただけのキャリアストーリー

このように、キャリアの棚卸しをするには多少の時間はかかりますが、手順はいたってシンプルです。

そしてそれを進める中で、ひとつ気がつくことが出てくるでしょう。

それは、あなただけのキャリアストーリーです。

あなたの個性や特色を大切に

ぼくたちはみんな違ったキャリアを歩んでいます。

どんなに似たようなバックグラウンドであろうとも、実際に取り組んでいる仕事は違いますし、経験を積めば積むほど、それぞれのキャリアが個性的で特色のあるものになっていきます。

今なぜ自分はこれまでとは違う道を進みたいと考えているのか?そう考えるようになったのは、過去の何がきっかけだったのか?将来のキャリア目標として、自分はどこを目指しているのか?

こういった内省の質問をした時に、これまでのキャリアを見返すと、そこにはあなただけの答えが浮かび上がってきます。

過去にさまざまな経験をしてきたからこそできるようになったことがあるでしょうし、分かるようになったこともあるでしょう。

それはすべてあなただけのものであり、他の誰も経験していないことです。

多様性が求められる現代において、そういったあなたの個性や特色は大切にするべきものです。

転職活動の書類や面接においても、面接官はそういったあなたらしさに興味をもちます。

キャリアの棚卸しをすることによって、過去の経験がつながって一本の線となり、それがあなただけのキャリアストーリーとなるのです。

 

【まとめ】これまでの経験やスキルを整理してキャリアの棚卸しを行う

転職活動には自己分析が欠かせず、それにはキャリアの棚卸しが効果的です。

あなたがこれまで築き上げた経験やスキルを整理し、職務経歴書や面接を通じてしっかりと説明できるようにしましょう。

これができると、あなた自身にとっても自分自身の理解が深まることにつながり、キャリア構築のスピードも上がっていくでしょう。

Good luck!

 

 

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失敗しない転職活動のすすめ方

 

 

アメリカのトップMBAを取得し、卒業後にアメリカ企業本社の幹部候補生として採用されたノウハウを紹介しています。

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ブログを引っ越しました。→https://presence-japan.com/blog/

現在、プレゼンスジャパン株式会社としてエグゼクティブコーチングを提供しています。

プロフィール
西原哲夫
西原哲夫
経営アドバイザー | エグゼクティブコーチ
慶應→住友電工→アメリカ駐在(25歳)→ノースカロライナ大MBA(30歳)→エマソン米国本社幹部候補(32歳)→日本エマソンGM(35歳)→ユーピーエス社長(39歳)→経営アドバイザー兼コーチ(今) | 2児の父親|アメリカ在住10年|表千家茶道学習者
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