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初学者によるプログラミング学習 (その4):プログラミング学習をはじめて気づいたこと

実際に自分でコンピューターの画面に向かい、カタカタとコードを書いていくと、見えてくるものがあります。当たり前のこともあるし、自分が普段からたずさわっているビジネスにつながるようなこともあるのです。また、どんどんと視野が広がってくるし、今はまだ気づいていないけれども後になって分かってくることもあるのだろうなぁ、という感覚も得られます。


ずっとビジネス側で生きてきた人間としての視点で、プログラミング学習によって得られた気づきを紹介します。




基本的なこと


まず、プログラミングって、外国語みたいですね。単語があって、文法があって、組み合わせていくと自分なりの表現ができる。プログラミング「言語」と呼ばれる理由がよく分かりました。


プログラミングエンジニアの気持ち・工数・コストなどが身体で分かるようになります。これは結構大切なことで、エンジニアの気持ちが分からないと、一緒に働くことは一筋縄にはいかないのではないでしょうか。これはプログラミングにかかわらず、機械や電気などでも同じことが言えます。そもそも、同じ言葉をしゃべれないと、新しいアイディアを相談するにもできません。だから、ビジネス側の人間であっても、自分がたずさわる技術について学ぶことは非常に大事ですね。もちろん、逆もまた真なりで、エンジニアだってビジネスの基礎を分かっていた方がより良い仕事ができますので、お互いに学びあう姿勢が必要です。まぁ、そもそも、旧来の文系・理系だなんて区分けしていては早々に行き詰ると、あらためて感じました。もちろん自分の専門はもつにせよ、どのポジションにつこうが、ビジネスの全体像を見る視点は欠かせないですね。


このIT技術というものは無限の可能性を秘めており、新しいアイディアを次々に形にするエンジニアを、これまでよりも一層、リスペクトするようになりました。なによりも、このプログラミングという「言語」を生み出し開発してきた人たちが、すごいですね。偉業です。当初は誰か個人の手によって生み出され、今ではよく知られているように、不特定多数の人の参画によって次々に新しいツールが開発されています。今後、どのようなものが世の中に生み出されていくのか、楽しみです。




マーケティング


自分の専門のマーケティング領域から見ても、IT技術はネタの宝庫だと思いました。マーケティングの仕事といっても多岐にわたりますが、重要なものの例として、マーケットのセグメンテーションや顧客とのコミュニケーションといったものが挙げられます。IT技術を使えば、会社名、業界情報、購買履歴、連絡先といった顧客情報をデータベース化して一元管理することができます。一元管理をすることによって、セグメンテーションが容易となり、それぞれのセグメンテーションに適した内容をもってコミュニケーションすることだって可能となります。実はこれ、カスタマー・リレーション・マネジメントやマーケティング・オートメーションというデジタルツールとして、すでに世の中に広まりつつありますが、その勢いは今後も増していくばかりだと思います。経営判断のための指標だって、自動で作ることが可能ですね。




一番大事なこと


このように、可能性しかないIT技術ですが、やはり先にあるべきはビジネスモデルや、志・思いであると思いました。わざわざ書かなくても当たり前のことなのですが、どんなに素晴らしいツールがあっても、「何のためにそれを使うのか?」「何を実現したいのか?」という思いがあってはじめて、それが実現されるわけです。ツールを持っているだけでは、思いは実現されません。


たとえば、ウェブサイトをひとつ作るにしても、「どんなページにしたいか?」という質問には、そのウェブサイトのオーナーにしか答えが分からないものであり、作成を担当するエンジニアには分からないことです。「このウェブサイトは、こういう人たちの、こういうニーズを満たしてあげるために必要。だから、載せる情報は、かくかくしかじかであるべき。トップページには、こういう情報を載せてあげると、その後の操作がやりやすくなるはず。ブランドイメージを守るため、こういう色使いにしたい。」などは、そのウェブサイトのオーナーがエンジニアに指示すべきもの。「だいたいこんな感じでウェブサイトを作りたいから、よろしく。」といったレベルの依頼であれば、中途半端なものしか出来ないでしょう。その責任は、エンジニアではなく、ウェブサイトを作ると決めた本人にあるのです。だからこそ、ビジネスモデルや思いといったものがもっとも重要であり、先にあるべきであることを、あらためて学びました。これは、何のビジネスでも同じですね。誤解のないようにしたいのですが、エンジニアの貢献を過小評価しているわけでは全くありません。むしろ、以前に紹介した、初代アップルコンピュータを開発した天才技術者スティーブ・ウォズニアックのように、「自分の作りたいものを自分で作る」ほどのほとばしるパッションこそが、一番尊いと思うのです。