大事な商談や、英語でプレゼンテーションをするときなど、ここぞ!という大事な場面になると、ぼくは緊張をします。

あなたにもそんな経験があると思います。

緊張を克服するためには、人間が緊張をする理由や仕組みを理解することが第一歩となります。

本記事では、緊張をする理由と、その対応方法について考えてみました。

緊張の仕組みを理解するポイント
・未知の恐怖に直面すると、人は緊張する
・緊張は、「戦うか?それとも逃げるか?」という身体反応
・緊張を受け入れ、見つめる

 

緊張の仕組みを理解することで緊張自体がなくなるわけではないですが、それでもすぐに動揺がおさまり、すぐに平常心に戻れることでしょう。

 

緊張をする場面

まず、ぼくが緊張をする場面を整理するために、絵を描いてみました。

 

「今」の状態では、「できること、知っていること、慣れていること」がある反面、「できないこと、知らないこと、慣れていないこと」があります。

当たり前ですね。

で、この青色ゾーンにいれば、自分は「できるし、知っているし、慣れている」ので、緊張することはありません。

安全ゾーンです。

ただ、時として、「新しいことに挑戦」したくなります。

それは、新しいビジネスチャンスを掴みとりたいときであったり、海外で働きたいときであったり、その時々で興味のあることにチャレンジしようと考えるときです。

あなたが小さいときに、ピアノなど音楽の発表会という舞台に立った時の緊張も、これです。

そうすると、自分の青い安全ゾーンから一歩踏み出し、未知の空白ゾーンに踏み入れなければいけません。

興味はあるけれども、「やったことがないから、できない」「やったことがないから、どんなことが待っているか知らない」「やったことがないから、慣れていない」という状態に直面するわけです。

ここが「自信がない、恥ずかしい、緊張する、怖い」といった感情の生まれてくるところです。

もう自分ではどうしようもありません。

そういう感情が出てきてしまいますし、身体も反応してガタガタ震え出します。

止められません。

ですが、そこでしばらく練習や訓練を重ねると、それが徐々に、「できるようになり、分かるようになり、慣れてくるようになる」のです。

そして、時の経過とともに、右の「挑戦した結果」として、自分の青色安全ゾーンが広がることとなります。

いわゆる、「練習や訓練の成果」というものです。

その練習や訓練ですが、ぼくは、真剣に取り組めば取り組むほど、時間をかければかけるほど、本番での緊張がより大きくなります。

人間には「サンクコスト・バイアス」というものがあることがわかっています。

自分が費やした時間や労力が大きければ大きいほど、その対象により大きな価値を感じるという、心理状況です。

これが原因となって、真剣に時間をかけて練習・訓練したものほど、余計に緊張するのではないかと考えています。

なぜなら、費やした時間や労力という大きな価値を失いたくないあまり、失敗することが怖くなりますから。

真剣に取り組まなかったものに対しては、結果へのこだわりも感じませんので、緊張もしません。

何か、「新しいことに挑戦したい」「新しいものを手に入れたい」「新しい自分に出会いたい」と考え、一生懸命になって取り組み、失敗をすることを恐れた時にこそ、人は緊張をするのでしょう。

 

緊張をする仕組み

日本語の慣用句で「武者震い」という言葉があります。

戦いを前にして、身体が震えてくるわけです。

戦うか?それとも逃げるか?」という状況で、身体を震わせることで体温を上げ、身体的なパフォーマンスを上げて戦いに臨める状態を作り上げていると言われています。

英語でも、「Fight (戦闘) or Flight (逃走)」と言われています。

日本語と同じです。

緊張している人間の身体の中をのぞくと、大事な場面では「コルチゾール」と呼ばれるストレスホルモンが分泌されています。

その結果として、呼吸が激しくなったり、身体が震えたりと、いわゆる「緊張」の症状が出てくることがわかっています。

そしてこれも、古来から人間が生存競争を生き抜くために身につけたものと言われています。

ぼくのケースでは、誰かと生死をかけて戦うわけではないのですが、それでも「将来にわたって生き抜くために」「将来にわたって食べていくために」、「新しいスキルを身につけようとしたり」「新しいビジネスを獲得しようとしたり」しているわけです。

これはぼくにとっての生存競争です。

新しいことに挑戦しないと、この先食べていけなくなるのかもしれない、と無意識に恐れる気持ちが働いているのかもしれません。

人類の歴史がはじまって、何十万年とも何百万年とも言われていますが、刀や槍などの武器をもって戦わなくなったのなんて、ここ100年そこらの話。

つまり、ぼくの身体は過去の長い進化の過程で築き上げられたものであり、今でも「戦うか?逃げるか?」という生存競争を生き抜くための論理で動いているものと思うのです。

それを急に変えようといったところで、変えられるものではありません。

そうであれば、逆に「緊張を受け入れる」ことが、現代のぼくたちに求められるスキルと考えます。

よく、「緊張したら、落ち着くように、あれをして、これをして」などというアドバイスがありますが、ぼくはやめました。

どんなにやっても、落ち着いたためしがありませんし、意識すればするほど、もっと緊張してしまうからです。

だから今は、緊張してきたことを感じられたら、それをそのまま受け入れます。

「あ、自分は今、緊張をしている。」と受け入れ、自分の身体の状態をしっかりと見つめることにしています。