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海外

ももいろクローバーZの顔面黒塗り批判に見る、アメリカの人種差別問題

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海外に住んでいると、否が応にもその土地の文化と自分の育った文化との違いを目の当たりにすることが多い。

毎日が気付きと発見の連続だ。

だからこそ日常を面白く感じるし、不便を差し引いても余りある刺激を得ることが出来る。

逆に、地元住民が異国から来た自分のことを特異の目で見ているだろうと感じることも多い。

自分のカタコトの英語に対して眉をひそめて聞き返してくることもあれば、もっと直接的に、彼ら彼女らとは違う自分の容姿に言及されたことも有る。

人はみんな異なるので、違いに目が付くのは自然だろう。

海外だけでなく、日本国内でもよく見る光景だ。

ももいろクローバーZの顔面黒塗り批判に見る、アメリカの人種差別問題

先日、アイドルグループのももいろクローバーZがラッツ&スターとの共演で顔を黒塗りしたことが批判の対象となった。

黒人文化にルーツを持つ音楽ジャンルを演奏するに当たり、表現上の工夫として取り組んだ結果、人種差別に相当しかねないとして批判を受けているのだ。

パフォーマー本人達は黒人音楽に敬意を表して行ったことであるがゆえ、世間の反応も様々だ。

 

ももいろクローバーZとラッツ&スターの共演画像 image by www.usatoday.com

 

批判と擁護が入り乱れている

批判派の主張はこうだ。

「これは人種差別に相当する。容姿の違いを晒すことは良くない。アジア人の真似として、外国人に目を細める格好をされたら嫌に思うもの。自分がやられて嫌なことは、他人にもするべきでない。」と。

これに対して擁護派は、「本人達に悪意は無いし、そもそも音楽のルーツに敬意を表して行ったもの。 それを敢えて取り上げて批判をするとは、精神がネガティブ過ぎないか。加えて、なんでもかんでも規制を敷いては、面白みの無い社会になる。」と反対の主張を行う。

更には、「そもそもこの記事をネットに流したのは誰だ?日本の恥を海外に晒すような真似をした人が許せない。」という意見も出て来ては、議論が一向に進んでいない。

 

ANA全日空もバッシングを受けたばかり

約1年前にも、全日空が白人の容姿をネタにしたテレビCMを放映してバッシングを受けたばかりだ。

そのテレビCMも、更なるグローバル化を目指す日本人の目標として白人を擁したものであり、決して悪意をもって為されたものではない。

しかし、人種毎に異なる容姿を取り上げること自体が世界的に見て非常識である、という認識が日本社会において余りにも薄く、そこを各方面から指摘されているのだ。

アメリカで発行部数最大規模の大衆紙、USA Todayでは次のように評している。

「先日の全日空のテレビCMの件のように、日本人が人種問題に関して鈍感であることを露呈したのは今回が初めてではない。

外国籍又は移民が全国民の2%にも満たず、日本は世界で最も多様性の無い国の一つだ。

義務教育で英語を習うが、実際に喋れる人は多くない。

先日の産経新聞のコラムに、”移民は特区に住むべき”と投稿されたことも有る。

そのような状態で、2020年には東京オリンピックを開催しようとしている。」

また、

「過去にバッシングを受けたにも関わらず、そこから学習することなく、未だにこういった内容を”面白い”と考えていることが悲しい。」

という識者のコメントも載せている。

アメリカではいまだ根強い人種差別問題で混乱

場所は変わってここアメリカ、昨年2014年8月にミズーリ州・ファーガソンにて黒人青年が白人警官に射殺されたことを契機に、人種差別問題を巡って混乱を極めている。

その黒人青年は当時、高校を卒業したばかりで18歳であった。

そして射殺された時、武器は非所持、無防備の状態であったのだ。

白人警官が権力を盾にとり、黒人に対して武力を行使することは過去から散見されること。

そういった事件は人種差別意識から生まれたものと捉えられることが多く、白人対黒人という構図で憎しみ合いの歴史が続いている。

そして今回の事件も同じ流れで捉えられ、昨年8月以降、抗議デモや暴動が絶えず、ついに先週、黒人青年が白人警官2人に向けて発砲するまでにエスカレートした。

人間は一度憎しみ合うと、なかなかお互いに歩み寄ることが難しい。

それだけに、人種問題はとてもセンシティブに扱われるべきことと受け止められているのである。

ましてや人種の違いによる容姿の相違についてなど、口が裂けても言及出来るものではないのだ。

日本の人種意識は改善されるべき

このように、日頃から人種問題に頭を悩まされ続けている土地の人間から見ると、日本で起きた全日空やももいろクローバーZの事例は「絶対にありえない!」レベルのものだ。

お茶の間のテレビで平和に面白おかしく見て済むようなものではない。

だからこそ、ぼくは同朋の日本人に対しても「ありえないから止めてくれ!」と言いたくなってしまうのである。

普段の生活の中でそのような局面に接することの無い日本人にとっては「なぜそこまで言われなければならないのか?」と首を傾げるようなことだろう。

ぼく個人的にも、それ自体を恥ずべきこととも思わない。

なぜなら、それは日本が平和である証拠だからだ。

ただ、世界には人種問題で苦しんでいる人達が今でも数多くおり、それは現在進行形で存在していることを知らなければならないと、ぼくは考える。

それは、不必要な争いを避ける為であり、自分自身、そして自分が大切にする人を守る為でもある。

あなたはどう思いますか?

 

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ブログを引っ越しました。→https://presence-japan.com/blog/

現在、プレゼンスジャパン株式会社としてエグゼクティブコーチングを提供しています。

プロフィール
西原哲夫
西原哲夫
経営アドバイザー | エグゼクティブコーチ
慶應→住友電工→アメリカ駐在(25歳)→ノースカロライナ大MBA(30歳)→エマソン米国本社幹部候補(32歳)→日本エマソンGM(35歳)→ユーピーエス社長(39歳)→経営アドバイザー兼コーチ(今) | 2児の父親|アメリカ在住10年|表千家茶道学習者
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