MBA

コアカリキュラムとスタディーグループ

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前回まで、オリエンテーション期間を通じてアメリカのカルチャーを学んだり自分の強みを学んだりしたことに触れて来ました。いよいよ本プログラムが始まり、勉強や課外活動、そして就職活動などに取り掛かることになります。その中で今回は、ビジネススクールに於ける勉強のカリキュラム構成とスケジュールについて、特にコアカリキュラムで濃密な時間を過ごすスタディーグループメンバーについて書きます。
私が通ったビジネススクールは2年間のプログラムでした。中には1年間のプログラムの学校も有りますが、基本的にコアカリキュラム(必修科目)とエレクティブカリキュラム(選択科目)の2つで構成されているところがほとんどです。
私が通った学校のカリキュラム構成:
必修科目
  13科目 – ファイナンス論、ファイナンシャルツール、マーケティング、ストラテジー、オペレーション、マクロ経済、ミクロ経済、統計、財務会計、管理会計、組織論、倫理、プレゼンテーションスキル
選択科目
  卒業要件の最低取得単位数をクリアすることを条件に、125以上の科目から好きなものを組み合わせて受講します。科目は専門分野それぞれの深堀りで、学校の定めた基準に従い、自分の好きなように専攻分野(ファイナンスやマーケティングなど)を組み立てることが出来ます。
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必修科目で構成されるコアカリキュラムの期間は約5ヶ月間に渡りました。本プログラム開講と合わせ、学校の事務局から自分のスタディーグループメンバーが発表されます。コアカリキュラムの間は、ほぼ全ての科目をチームで取り組むことを求められ、その為のメンバーがスタディーメンバーなのです。コアカリキュラムの間ずっと、このスタディーメンバーと苦楽を共にすることになるのですが、自分では選べない点、多様なバックグラウンドの集まりである点が大きなポイントです。開講早々の5ヶ月間は、泣いても笑ってもずっと同じメンバーと一緒にいることになります。
自分のスタディーグループメンバー:
1. アメリカ人男性:広告業界出身・マーケティング職志望・コミュニケーションやプレゼンテーションに強みを持ち、誰とでも仲良くなれる性格
2. インド人女性:ソフトウェアエンジニア・コンサルティング職志望・分析スキルが強みで、目標志向な性格
3. アメリカ人男性:金融業界出身・投資銀行志望・バリバリのファイナンスバックグラウンドで、負けず嫌い
4. アメリカ人男性:ガン研究所の研究員・医療業界でマーケティング/ストラテジー職志望・前職でマネジメント経験が有り、チームのお兄さん的存在
5. 自分:日本人・営業出身
実際のビジネスでは、よほどのことが無い限り、自分でチームメンバーを選べないですよね。加えて、グローバルにビジネスをする際、文化やバックグラウンドが異なる人と仕事をすることが絶対に必要です。その為の練習として、このように多様なメンバーで構成されているのです。
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チームで最初に決めたことは、集まる頻度やコミュニケーション方法など。独身メンバーもいれば家庭持ちメンバーもいた為、学校に遅くまで残ることは避け、夕方には一度帰宅し、夜にまた電話やコンピューターを活用してグループミーティングを行うことで合意。自分はというと学校のすぐ裏の寮に住んでいた為、夜遅くまで学校に残っていても良かったのですが、メンバーの大人の判断に感心したものです。その後、学校から与えられる「絶対に消化し切れない」量の課題を前にして、学校で遅くまで居残らざるを得ないことも幾度となく有りましたが。
その他、メンバーそれぞれの強みや弱みに加え、好きなこと、そして「イラっとする他人の行為」という点も含めて話し合い、お互いの理解に努めました。これは学校側からの指示・提案でもあったのですが、カリキュラムが忙しくなる前にしっかりと話し合うことはとても有効であることを学びました。更にはチームの目標も含め、これらをチームチャーターと呼ばれる宣言書にまとめて学校側事務局に提出しました。
しかし、実際にプログラムが始まり忙しくなると、徐々に心の余裕が失われて行きます。宿題はほぼ全てチームで取り組む必要が有るのですが、どれだけ「貢献したか?」という基準でお互いがお互いを評価するようになって来ます。メンバーそれぞれ、分野によって強み弱みが有ったり、勉強以外の行事に時間を費やす必要が有ったりと、皆んな異なる都合を抱えています。忙しいのは当たり前。それでも言い訳をせずにチームに貢献しないといけないのです。そして教授をはじめ学校側は「絶対に消化し切れない」量の課題を課して来ます。学校側は生徒のポテンシャルを最大限に発揮させる意図なのですが、プレッシャーばかりが募り、どんどんと心身が疲弊して行きます。まともに睡眠を取れる日なんて有りません。翌日の予習が終わっていないけど、授業が午前9時から始まるから諦めて寝床につくのが午前4時過ぎ、という日も珍しくありません。常に長時間睡眠で生きて来た自分には、とても辛い日々でした。
こうなると、相手を思いやる余裕も無くなってしまいます。チームによっては内輪揉めをするメンバーが出て来ます。かくいう自分も、チーム内で一人だけ英語非ネイティブで議論についていけないことが多くなり、落ちこぼれて行きました。特にファイナンス出身のメンバーとは考え方が合わないことが有り、口をきかないことも。以前の投稿(こちら)で記載の通り、自分はファイナンス的な考え方に疎く、それがモロに裏目に出たのです。その彼にはファイナンスという明確な「スキル」が有ったのに対し、自分には営業経験しか無く、貢献どころの話では有りません。毎日情けない思いを噛み締めながら、他のメンバーのサポートのお陰で乗り越えることの出来た、苦い5ヶ月間のコアカリキュラムでした。
さて、このように辛くて苦い思いで過ごした本プログラムのコアカリキュラム。正直、学んだ内容の大半は覚えていません。勉強以外に忙しくしていたという背景も有るのですが、苦い思い出になったことは事実です。「もし当時に戻ることが出来るなら、どのように取り組みたいか?」と聞かれても、どうしたら良かったのか今でも分かりません。それだけ忙しく、生半可な勉強量ではついていけないレベルの学習でした。
但しこの後、選択科目で自分の興味の有るものを集中して受講することによって、少なからず授業についていけるようになり、楽しむことも出来るようになりました。どのような選択科目を受講し何を学んだかは、追って記載して行きます。
See you next time!

ブログを引っ越しました。→https://presence-japan.com/blog/

現在、プレゼンスジャパン株式会社としてエグゼクティブコーチングを提供しています。

プロフィール
西原哲夫
西原哲夫
経営アドバイザー | エグゼクティブコーチ
慶應→住友電工→アメリカ駐在(25歳)→ノースカロライナ大MBA(30歳)→エマソン米国本社幹部候補(32歳)→日本エマソンGM(35歳)→ユーピーエス社長(39歳)→経営アドバイザー兼コーチ(今) | 2児の父親|アメリカ在住10年|表千家茶道学習者
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