北米自動車販売台数から景気を読むポイント【トラックに注目】
いきなりですが、クイズです。
アメリカで最も売れている車のベスト3は何でしょうか!
トヨタのカムリかな?カローラかな?
ホンダのシビック?
それとも、お膝元のGM・Fordあたりのセダンかな?
もしかして、プリウス?
答えはこちら!(2014年販売数上位3位 – source: www.usatoday.com)
第1位:Ford F シリーズ (ピックアップトラック)
第2位:Chevrolet Silverado (ピックアップトラック)
第3位:Ram (ピックアップトラック)
そうです、アメリカ人は、トラックが大好きです。
北米自動車販売台数から景気を読むポイント【トラックに注目】
「ピックアップ」と呼ばれる大型トラックが上位ベスト3を占めています。
農耕器具等を運ぶのに必要だからなんて声も有りますが、実態は違います。
アメリカ人がピックアップトラックを好む理由
アメリカ人特有の「The bigger, the better (大きいことは良いことだ)」という性格がこれに繋がっていると自分は考えています。
自分もその昔、アメリカンスタイルに憧れてピックアップトラックを所有していたことが有ります。
車体価格が高い割に、燃費が驚くほど悪かったです。
それでも、高いところからバスのような図体で走る乗り心地は、とても快適でした。
しかしその後、急激なガソリン価格の高騰と景気悪化のダブルパンチによって財布の中身が枯渇し、購入後1年も経たずに手放すというイタい過去となりました。
いずれにせよ、アメリカ人はこのピックアップトラックが本当に大好きなんです。
自分が所有していた当時、駐車場に止めていると色んな人から「ちょっと見せてくれ」とか「それは何馬力だ?」とか声をかけられたものです。
「V8(V型8気筒)エンジンだよ!」と伝えると、なんともうらやましそうな目で見られました。
気筒の数も、多ければ多いほど良いかのように。
アメリカが好景気に湧いている
今、アメリカは失業率も下がり、静かに好景気に沸いています。
そして何といってもガソリン価格の値下がりが後押しし、北米自動車市場が絶好調なのです。
2014年度の自動車販売台数はついに2008年のリーマンショック前のピークレベルにほぼ戻っています。
また、昨日付けのWall Street Journalによると2015年1月の販売台数も好調で前年比14%増加.
それを大きく牽引した車種こそ、アメリカ人が大好きなトラックやSUVといった大型車であったとのこと。
「仕事が見つかったしガソリン価格も安くなったよなぁ。よし、欲しかったピックアップトラックでも一つ買っちゃうか!」と、無邪気に大人買いするのがアメリカ人なのです。
日系自動車メーカーも好調
この北米好景気に恩恵を受けている会社の一つが、我らが日本を代表するトヨタ自動車。
トヨタは昨日、今期業績見込みとして、過去最高益になる見通しであることを発表しましたね。
日経新聞によると、売上高27兆円・純利益2兆1300億円の見通しとのこと、とんでもない数値です。
自分にはトヨタやその関連企業で働いている友達もいますし、とても嬉しく思います。
そこで是非、お祝いをして欲しい。
この成果は好調な北米市場のみによるものでなく、為替変動に対する体力強化や、汗と涙を流して地道に続けて来た原価低減努力によってももたらされたもの。
これまでずっと、景気が悪いから我慢をし、円高で業績が厳しいから乾いた雑巾を絞り続けてきたのですから、今こそ喜びを分かち合う時。
「勝って兜の緒を締めよ」の気持ちが大切ですが、それよりも大切なのは、「勝った」ということを認識することではないでしょうか。
これだけグチャグチャな世界情勢の中で結果を出したということは、日々の業務、時には不安な思いをしながらでも下した決断が「正しかった」ということ。
そしてそれを認め称え合ってはじめて、「来年はどのような戦略で活動しようか」と、次のステップに進めるはず。
結果が出て来た今こそ、これまでの苦労を労い、さらに次の高みを目指して欲しいものと思います。