Diorの展示会で学んだこと。【贅沢とは何だろう?】
Diorのエキシビション 「エスプリ ディオール – ディオールの世界展」に行ったら、贅沢について考えさせられました。
日本に一時帰国中に大好きな銀座をブラブラ歩いていたところ、Diorの展示会を発見。
最近、「ビジネスのみならず、アートや文化にも学ぶべきものはたくさん有るはず。」と考えることが多く、何かインスピレーションを得られることは無いか、勉強の為に迷わず入館。
Diorの展示会で学んだこと。【贅沢とは何だろう?】
黒を基調とした館内は照明が落とされ、展示物のみにスポットライトが当たっている。
目が慣れて来るに従って、来訪者の姿が目に入ってきた。
皆さん、実にオシャレである。
シックなドレスを着ている方もいれば、着物を着ている方もいる。
高級ブランドには縁遠い生活をして来た自分でも、そんなオシャレな来訪者に囲まれているだけで、何だか気分が良くなった。
Diorの歴史
エントランス付近からは、Diorの歴史が紹介されていた。
創始者のChristian Diorの生い立ちを始めとして、どのようにしてDiorが設立に至ったか勉強出来た。
彼は、1905年から1957年までフランスで生きたフランス人。
外交官になって欲しいと願う父親の気持ちとは裏腹に、芸術の道を進んでゆく。
画廊としてスタートしたキャリアは、戦時下の徴兵を経て、1946年(41歳当時)のDior設立へと繋がった。
時は第二次世界大戦終戦直後、「さぁ、これからは今までの分も取り返すべく、楽しい思いをたくさんしないと!」と人々が平和を享受しようとウキウキし始めた時代。
Christian Diorは女性の身体のラインの美しさを最大限に表現することに努めたという。
そうして、あの胸から腰にかけてギュッと細くなり、そこから下半身へ広がっていく特徴的なラインが生み出されていった。
それは、彼が幼少期から美しさを見出していた、花の形からも着想されたものだという。
そして花の美しさは香りが伴って完成するという考えから、服のデザインのみならず香水の開発にも着手し、Dior定番のジャドールが生まれた。
本当の贅沢には、本物の素材と職人の真心が必要
そんな深い拘りを学びながら行き着いた先は、製品の製作実演エリア。
カバンの皮を一枚一枚組み合わせてゆく様子や、香水瓶の封詰め作業などを見ることで、どれだけの手間がかけられているかを思い知らされる。
一つ一つの作業が説明される中、気付けば自分も、周囲の人たちに混じって溜め息が出てしまう。
そして、展示終盤に差し掛かったところでChristian Diorの言葉が目前に広がった。
「本当の贅沢には、本物の素材と職人の真心が必要である。そしてそれは伝統への敬意なしには意味をなさない。」
これには痺れてしまった。
帰り道
確かに、こういった衣服のみならず、口にするものや住環境など、生活の全てを意識してこそ、豊かな気持ちで毎日を過ごせるものだろうな。
でもだからといってブランド品で囲まれた生活をするなんて非現実的だし、知識も乏しい今の自分が出来ることといえば、まずは家に帰って掃除と洗濯からだなー、と思いながら家路に着くのでした。
ちなみにChristian Dior、富も名声も欲しいままにした後でも、パリ都市部の手狭な家に住んでいたとのこと。
街の雑踏から感じるバイブスを大切にしていたようですよ。それもまた粋ですね。