【幸せはいつも自分の心が決める】海外で本『生きがい』が売れる理由。
「しあわせは いつも じぶんの こころが きめる」
相田みつをさんのこの詩を好きな方は多いのではないでしょうか。
上を見たらきりがない、下を見てもきりがない。
隣の芝は、いつだって青い。
でも、上とか下とか、青いとか青くないとか、ぜんぶ、自分の心が決めていること。
そうであれば、自分が幸せかどうかだって、自分で決めたらいいじゃない。
そんな風に、ぼくには響いてきます。
【幸せはいつも自分の心が決める】海外で本「生きがい」が売れる理由。
先日、オランダはアムステルダムのスキポール空港に乗り換えで立ち寄った時のこと。
空港内の本屋で目にした衝撃。
なんと、売れ筋ナンバーワンは、「Ikigai」という本でした。生き甲斐。
副題は、「The Japanese Secret to a Long and Happy Life」。
日本語に訳すと、「日本人が幸せで長寿な人生を送っている秘訣」という意味です。
日本人の生き方や考え方が詳細に研究されている
本を開いて中身を読むと、日本が長寿大国であるということを理由に、日本人の生き方についてさまざまなことが分析され、賞賛され、学ぶことが提案されていました。
日頃、どのような暮らしをしているのか、著者が事細かくレポートをしています。
たとえば、これ。
「Radio Taiso」とは、「ラジオ体操」のこと!
えー、これを読んだオランダ人が、ラジオ体操をしようとするのか!?
とても新鮮ですが、著者はいたってマジメです。
そして、さらにページをめくると、見慣れた詩と再会をしました。
「しあわせは いつも 自分の こころが きめる」
(本書では、「きめる」を「きれる」と書いてありますが、翻訳の中で間違えてしまったのでしょう。)
オランダは、豊かな国というイメージ【働き方先進国】
オランダといえば、人口1600万人と小国ながら洗練された生活水準を誇る、非常に豊かな国。
エネルギーのロイヤルダッチシェル、保険のING、消費財のユニリーバ、電機のフィリップスなど、世界に名だたるグローバル企業も抱えています。
一人当たりGDPは$44,291(世界第13位)と、日本の$34,524(世界第26位)の約1.3倍。
(参照元:The World Bank – GDP per capita)
それでいて、労働時間はいたって短い。
CNNによれば、オランダの週平均勤務時間は29時間とのこと。しかも、週4日勤務がスタンダードになりつつあるようです。(参照元:CNN Money – World’s shortest work weeks)
ワークライフバランスにおいて、非常に先進的。
日本のメディアもそこに注目し、最近はこぞってオランダの特集記事を組んでいます。
「オランダ 働き方」と検索すれば、その豊なワークライフバランスから、それを下支えする先進的な取り組みや制度の数々を紹介する記事を読むことができます。
オランダの人々の心の中の実態
そんなオランダでは、きっと、みんな幸せをかみしめながら毎日を生きているに違いない。
ぼくだって、そのように想像していました。
それなのに、日本人のもつ「生き甲斐」という考え方や、日本人の生活スタイルに、救いを求めようとしているとは驚きました。
どれだけ経済的に発展しようが、ワークライフバランスが充実していようが、人生の意義を見つけることや心の豊かさを手に入れることは、それほどまでに難しいということなのでしょうか?
いや、それは難しいのではなく、本来はずっとシンプルなのかもしれません。
そう、
「しあわせは いつも じぶんの こころが きめる」
<日本語訳図書>