読書会のやり方:本『エッセンシャル思考』をテーマに実践レポート
“こんど読書会を開催しようと考えているのですが、手順や進め方などはありますか?ちょっと恥ずかしいので、正しいやり方を知りたいです。”
こういった疑問に答えます。
もしかしたら、職場で必要になるケースもあるでしょうし、友達や知人と盛り上がって開催することになったというケースもあるかもしれないですね。
読書会といっても、非常にシンプルで簡単です。
本記事ではその方法を紹介します。
本記事のポイント
・読書会のやり方について説明
・参加者全員が満足度高く、効果的に学びを得るポイントを紹介
・実際に読書会を主催した時の実例を紹介
難しく考えず、肩ひじはらず、いろんな業種やバックグラウンドの人たちと集まって行う読書会は、学びに富んでいておすすめです。
読書会のやり方
仲間をつのる
まず、仲間をつのりましょう!
職場の同僚でも、学校の同級生でも、日頃の友人知人でも、学習仲間は誰であっても問題ありません。
ただ、「一緒に読書会を読書会をしよう」と声をかけても、そこまで多くの人たちが集まってくることは期待しない方が良いです。
参加人数を気にするよりも、ディスカッションの質を高めることの方が重要ですので、人数の多い少ないは、一切気にしないようにしましょう。
3〜4人もいれば、十分に効果的な読書会ができます。
案内を出す
参加者が決まったら、案内を出します。
案内の内容も、いたってシンプルで構いません。
・本のタイトル
・読書会の日時
・集まる方法
・参加者の事前予習
これらを参加者に連絡するだけです。
参加者の事前予習にはコツがありまして、「本を読んで気付いたり学んだりしたこと」に加えて、「その学びを元にして、今後どのように自分の行動を変えていくいか?」という2つについてまとめて来てもらうようにしましょう。
その際、2点目の変える行動については、ひとつだけにするよう、合わせて伝えましょう。
ひとつだけであれば、参加者にとっても難しくなく、それでいて、しっかりと考えをめぐらすきっかけになりますので。
本の選び方
本の選び方には、幹事の方のセンスが試されるものですが、だからといって、そこまで難しく考える必要はないでしょう。
すでに読んでいておすすめしたい本でも、これから読んでみたい本でも、巷で売れていて話題の本でも良いです。
もし、学びを仕事やビジネスに活用したいと考えるなら、ビジネス書が良いでしょう。
読書会当日の流れ
予定通りに読書会が始まったら、次の流れで進めていきましょう。
・着席する
・幹事からの簡単なあいさつ
・全員が自己紹介
・小グループに分かれてディスカッション
・最後に全員で集まって学びを共有
着席する
会議室やカフェなどで集まる場合は、お互いの顔が見えるよう、輪になって座るようにしましょう。
特に人数が多くなった場合でも、お互いの顔が見えると安心です。
幹事からの簡単なあいさつ
最初に、幹事のあなたから簡単なあいさつをお願いします。
ここでは会の始まりなので、特別なことを話す必要はありません。
自分の自己紹介と、みなさんの参加へのお礼を伝えるだけで十分です。
全員が自己紹介
ここがポイントで、全員で一人ずつ順番に自己紹介をしましょう。
ポイントは、「名前」と「仕事や趣味といったバックグラウンド」のような基本的な情報に加えて、「今回の読書会に期待すること」も話してもらうようにしましょう。
読書会に期待することを話してもらうことで、その人の考えていることが分かるだけでなく、その会の真剣度がグッと上がる雰囲気を感じるでしょう。
それによって、全員がその時間に没頭する雰囲気を作ることができます。
ここは幹事のあなたが手助けしてあげて、「これから一人ずつ、自己紹介をお願いします。」「名前、バックグラウンド、そして今回の読書会に期待することを、お話しください。」と言って始めてあげれば十分です。
小グループに分かれてディスカッション
自己紹介が終わったら、小グループに別れてディスカッションをしましょう。
参加人数が3〜4名であれば、グループ分けせず、そのままで大丈夫です。
参加人数がそれよりも多い場合は、ひとグループが3〜4名になるよう、グループ分けしてください。
グループ分けも、できるだけランダムであることが良いので、輪になった左端から順番に、グループ1、グループ2、グループ3、グループ1、グループ2、グループ3、などと選ぶとランダムになりやすいです。
小グループになったら、それぞれが部屋の隅の方に移動してもらって、ディスカッションを始めてもらいます。
ディスカッションのやり方は、本を読んで学んだり気付いたりしたことを順番に共有してもらいます。
幹事のあなたは、時間管理をお願いします。「残り5分です。」などと優しく声をかけてあげると親切です。
最後に全員で集まって学びを共有
最後にもう一度全員で輪になって、学びを共有しましょう。
また左端から一人ずつ順番に、「学んだことや考えたこと、そして今後どのように行動を変えていくか?」について発表してもらいましょう。
意外な考え方や意見が発表されて、お互いの学びが深まる瞬間です。
本「エッセンシャル思考」をテーマに読書会を実践
ぼくも実際に読書会を主催したことがあり、その時の学びを紹介します。
テーマに選んだ本
テーマに選んだ本は、「エッセンシャル思考」でした。
内容は、人生の時間配分に優先順位をつけ、本当に大切なことに時間を多く使おう、というものです。
15名ほどで集まり、参加者各自が事前にしっかりと読み込んだ上で参加してくれました。
「読書会当日は、本を読んで学んだことや気付いたこと、考えたことをシェアしましょう。そして、最後に一つだけ、これからどうやって自分の行動を変えていくか、一人ずつ宣言しましょう!」と事前に決めていました。
参加者からの声は千差万別で学びがいっぱい
実際に開催すると、非常に多くの収穫を得ることができました。
同じ本を読んでいるはずなのに、参加者の一人一人それぞれが、まったく違う学びを得ていたのです。
たとえば、
「仕事の時間には上限をもうけ、家族との時間を優先的に作るようにしたい。」、「日々の生活に忙殺され、時間がないことを口実に自分が本当にしたいことを考えることから逃げてきたことに気付いた。」、「自分にとっての最優先事項はすでに明確だが、これで良いのだということに安心した。」
など。
他にも、
「何でもかんでも従うのではなく、ノーと言って断る勇気が出た。」、「毎日の仕事帰りに、ちゃんと自分と向き合う時間をとるようにすることにした。」
といった考えもシェアされました。
同じ本を読んでいるのに、みんな、まったく違う考えを得ていることが分かり、ぼくは驚いたのです。
とくに印象的だった声
特にぼくにとって印象的であったのは、
「この本は男性的な目線で書かれている。」
という声でした。
本の一部には、「仕事ばかりではなく、家庭にも一定の時間を費やすことは素晴らしい。」といった内容のことが書かれており、主体的にそういった時間配分のバランスを取ることが推奨されています。
しかし、女性参加者から、「全然理解ができない。家庭と仕事とをトレードオフで考えるとか言っている時点で、ありえない。家庭以外に優先することなど無いはず。」と。
「なるほど、たしかに言われてみると、その通りだ。」と、目からウロコが落ちる思いがしました。
おそらく、この本の著者 (男性) も、こんな反応は想像していなかったと思います。
そして、他の女性の方からも話を聞かせてもらうと、ワーキングマザーの場合、仕事も育児も両方を完璧にこなすことは時間的に難しく、いつもどちらかを犠牲にして後ろめたい気持ちでいる、と感じているそう。
むしろ、「そもそも、自分はすでに、自分にとっての優先事項を持ち、それに合わせて犠牲を払いながら生きている。しかし、そうやって小さなことでも続けていれば、将来の大きな成果につながるという考え方を知り、とても安心し、自分に自信を持つことができた。」とのこと。
男性の自分には、これまでこんなこと、想像すらできていませんでした。
まとめ:読書会のやり方とメリット
このように、読書会のやり方は、それほど難しくありません。
それでいて、学びは無限大です。
職場の同僚や知人友人など、気軽に声をかけて一緒にやってみることがおすすめです。
一冊の本をテーマにした読書会から、さまざまなことを気づかせてもらい、とても貴重な学びを得ることができます。