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エッセンシャル思考 (その2):エッセンシャル思考になるためには、自分の責任のもと、主体的に選択を繰り返すことが大事

良いことずくめのエッセンシャル思考ですが、かくいうぼく自身こそ、これを苦手としています。色んなことに興味をもつ性格で、これまでもゴルフに手を出してみたり、ビデオカメラに手を出してみたり。今だって、ブログを書きたいし、プログラミングのコードも書きたい。本もたくさん読みたいし、本業の仕事には一番多くの時間を割きたい。これまで出会ったことのないような経験や知識をもとめて、旅行にも行きたいし、気の置けない友達とも遊びたい。それでいて、睡眠時間を少しでも削るとすぐに調子が悪くなりすべてがダメになるので、睡眠時間は削れない。

今改めて、「自分にとって最も重要なことは何か?」「どうやって他のことを削るのか?」「どうやって選んだことに集中して取り組み続けるか?」ということを考えることが自分に必要だと思っています。

それでは、その具体的なステップ・方法論に入っていきます。

Essence (エッセンス)

こまかなステップに入る前に、エッセンスと題し、エッセンシャル思考であることの心構えを今一度確認します。

非・エッセンシャル思考な人の口グセトップ3は、「自分は、~をしなければいけない。」「すべてが重要だ。」「がんばれば両方できる。」です。これを、「自分は、~することを選択する。」「本当に重要なことは限られている。」「どちらか一方は出来るが、両方は出来ない。」に変えることが、エッセンシャル思考への第1歩です。

この第1歩が踏み出せればエッセンシャル思考に近づくことができ、本当に重要なことだけに向き合い、大きな成果を得られるようになっていきます。

そういえばつい先日、職場でデキる人が、その上司から新しい仕事を与えられたとき、「分かりました。では代わりに、今取り組んでいる仕事の中で、どの業務を止めましょうか?」と聞いていました。その対応を見てぼくは、「なるほど!」と思いました。

Choose (選ぶ)

「自分は、~をしなければいけない。」を「自分は、~することを選択する。」に変えるためには、主体的に選択の決断をくださなければいけません。価値のありそうなことは多くあれど、実際に取り組むことは、しっかりと自分で選び決めることが、重要であるというわけです。

この、「自分のことは自分で決める」ということが、とても大事で、実は人間には、「Learned Helplessness・学習性無力感」という怖い習性があります。これはどういうものかといういうと、ぼくたち人間は、抑圧され続けたり、失敗を繰り返し続けたりすると、どうしようもない無力感に取り付かれ、次にどんなチャンスが目の前に降ってこようと、「自分はダメだから」とあきらめ、挑戦することすら忘れてしまうのです。

よって、自分には常に選択することの権利があり、いつだって自分の責任の元により良い道を選択し続けていかなければいけないことを忘れてはいけません。このことを忘れると、気づいたときには、誰か他の人の意思に流されるままになっている自分に気づくのです。それは、会社であったり、国であったり。環境が何であれ、自分で選択することが必要です。

Discern (見分ける)

ぼくたちは小さい時からずっと、勤勉であることやハードワークであることの尊さを教え込まれてきました。実際に、それは正しいことです。しかし気をつけないといけないことは、量的なハードワークと、質的な生産性とは、必ずしも相関しないということ。ここでも、むやみやたらと時間や労力を費やすよりも、本当に意味があることは何なのか、どのような取り組み方が最も効率的で効果的であるかを考え、見極めてから、取り組むことが奨励されています。

行動結果の80%は、努力全体の20%分によって産まれている、ということを聞いたことがあるかもしれません。いわゆる、パレートの法則です。100%を目指すよりも、20%の努力を通じ、80%の結果を得ることが効率的で効果的である、という示唆を与えています。かの著名投資家ウォーレン・バフェットだって、数少ない投資案件のみで、あれだけの超巨大資産を運用しています。それはというと、何百何千という案件を自分で理解し、コントロールすることなど不可能だと考えているからです。真に本質的で重要なものだけを見極める必要がある、ということですね。世の中には星の数ほどの選択肢がありますが、その中で自分にとって本当に大切なものなど、ほとんどない、というわけです。

Trade-Off (トレードオフ)

かの経営哲学の大家であるピーター・ドラッカーが次のように言っています。「戦略とは、選択をすることであり、トレードオフの決断をすることである。あえて人とは異なる道を行くことだ。」と。

あっちを立てるには、こっちが立たない。こっちを立てると、あっちが立たなくなる。そういう時に、どちらかを選択することが、トレードオフという考え方です。道が2つに分かれている時に、右に行く選択をしたら左には行けないのです。両方とも手に入れることなど出来るものではないということを認めなければいけません。それが現実です。

その昔、格安航空ビジネスを世の中に広め大成功したサウスウエスト航空に対抗すべく、大企業である旧・コンチネンタル航空が、「コンチネンタル・ライト」というサウスウエスト航空同様の格安サービスを導入したことがありました。元のビジネススタイルを保持したまま新しいスタイルも追加して、トレードオフという現実に逆らおうとしたわけですが、結果として大失敗します。「がんばれば両方できる。」という考え方は成り立たないということです。

これは必ずしも、「どちらをあきらめるべきか?」というようにネガティブにとらえるべきことではなく、「どちらの方に大きく賭けたいか?」とポジティブに考えれば良いことです。

続きは次回。