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【本レビュー】ドラッカーの『自己探求の時代』:自分の強みを活かす

これから益々ビジネスで活躍することを目指すあなたにおすすめの本。

今回は、ピーター・ドラッカーによる「自己探求の時代」です。英語原書のタイトルは「Managing Oneself (マネジング・ワンセルフ)」。まさに、「自分で自分自身をマネジメントするには?」という内容が書かれています。

「もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら)」を読んだことがある人も多いと思いますが、マネジメント論や経営論の大家ドラッカーによって書かれたキャリア論です。

アメリカの経営者たちや、アメリカのトップMBA生たちに広く読まれ学ばれている一冊です。

こんな人におすすめ

・自分の中長期キャリアの構築方針に悩んでいる人

・今の仕事でしばらく働いたけど、なかなか結果が出ていない人

・新しい仕事に移ることや転職を検討している人

・リタイア後やライフシフトとして第二の人生を計画している人

・パラレルキャリアや副業を検討している人

・自分の強みや個性を再確認し、さらに活躍の幅を広げたい人

 

本の要約・ポイント

「知識労働者への教訓──自己の強み、仕事の仕方、価値観を知り、自己をマネジメントする」と副題にある通り、私たちが自分自身のキャリアについて考える際に指針となるような、大変有益な教訓がつまっています。

過去には「一度入社した会社に定年まで勤め上げ、無事にリタイアする」ことが人生の成功と考えられていた時代がありました。

しかし現代は、私たちの就労可能年数が長くなっているのに対し、会社の寿命が短くなっており、過去の成功モデルが成立しづらくなっています。

ですから、私たちひとりひとりが、「どうやって自分の仕事キャリアや人生を設計し、マネジメントして行くか?」という点を考え、それに対して責任をもつことを求められるようになってきています。

自分の強みは何か

何事かを成し遂げるのは、強みゆえです。

当たり前ですが、弱みによって何かを成し遂げることはできません。

自分の強みを知るために、何かを始めた時、それを数ヶ月後に振り返って確認し、それが強みとして成果が出ていたかどうかを確認しましょう。

これを繰り返していくことで、自分の強みを知っていくことができます。

強みが分かったら、その強みへ集中しましょう。

そして、その強みをさらに伸ばしたり、その際に必要となる技能や知識を積極的に習得する努力が必要です。

また同時に、自分の欠陥や成果の妨げになっていることは改める必要があります。

加えて、人との協力関係を疎かにせず、その人たちへ丁寧に接することが大切です。さらに、できないことはしない、並以下の能力を向上させるために無駄な時間を使わない、といったことも忘れないようにしましょう。

仕事の仕方を自覚する

仕事にはいろいろな仕方があり、人それぞれ違った仕方を得意としています。

ですから、強みと同じように、自分が得意とする仕事の仕方を知り、それに集中することが重要です。

たとえば、何かを理解しようとする際、読むアプローチを得意とする人もいれば、聞くアプローチを得意とする人もいます。

また、学び方も人それぞれで、メモを書いて学ぶ人、実際に行動することによって学ぶ人、自分が話すのを誰かに聞いてもらって学ぶ人など、さまざまです。

強みと同様に仕事の仕方も、人それぞれ生まれもったものであり、変えられるものではありません。

ですから、自分のスタイルを自覚し、それに集中することが大切です。

自己にとって価値あることは何か

自分をマネジメントするには、自分にとって価値あるものが何であるかについても知る必要があります。

仮に組織の価値観が自分の価値観と違う場合、日々の仕事に集中できず、成果を上げることが難しくなります。

たとえば会社で幹部人材の登用を行う場合、社内人材の育成を重視する考え方と、外部からの採用を重視する考え方とは異なる価値観となります。

また、短期的な利益を追求する姿勢と長期的な利益を追求する姿勢も相反する価値観として位置付けられます。

あなた自身の価値観が、組織の価値観に合っているかどうかは非常に重要なポイントになるのです。

大きな組織と小さな組織、どちらの方で成果を出しやすいか?意思決定を求められる役割、もしくは意思決定車をサポートする役割、どちらの方が向いているか?

こういったことも自分の価値観に沿って確認することが重要です。

なすべき貢献は何か

自分が労働を通じて社会に貢献をもたらすことを考える時、なすべき貢献は何であるかという問いに答えを出すためには3つの要素を考える必要があります。

(1)状況は何を求めているか?、(2)自分の強み、仕事の仕方、価値観からして、いかにして最大の貢献を為しうるか?、(3)世の中を変えるためには、いかなる成果を具体的にあげるべきか?です。

目標は背伸びしてようやく届くくらいに定め、かつ世の中のためになるような意味のあるもので、具体的な行動に落としこめるようなものが望まれます。

互いの関係に責任を負う

いくら強みをもっていても、一人で何かを成し遂げることは現実的ではありません。

そこで、第三者との関係に責任をもつ必要があります。

まず、あなたが一緒に働く相手にも、その人特有の強みや価値観、そして仕事の仕方があるということを認識し、受け入れる必要があります。

決してあなた自身の価値観や仕事の仕方を押し付けるのではなく、一緒に働く相手の価値観と仕事の仕方を尊重しなければ良い成果につながりません。

またその際、役職や権力にこだわらず、相手とよくコミュニケーションをとり、相手のことを深く理解し、信頼関係を築き上げることが不可欠です。

第二の人生

ひとつの仕事も20年近くも続けていると、学びも満足も昔のようには増えづらくなってきます。

そこで第二の人生を模索する人が出てきますが、そこで3つの方法が助けになります。

まず第一の方法は、シンプルに組織を変えたり業務内容を変えたりすることです。第二の方法は、パラレルキャリアとして第二の仕事をもつことで、非営利組織で働くことなどが挙げられます。そして第三の方法は、ソーシャルアントレプレナーとして社会のためになるような事業を始めることです。

大切なのは、これら3つのどれを選ぼうと、本格的に踏み出すはるか前から助走していなければならないということです。

最初の仕事をリタイアしてすぐに第二の人生に移ろうとしても簡単ではないのです。

ですから、第二の人生をもつことを前提として、若いうちから長年かけて携わり、準備をしておくことが重要です。

 

自分自身への活かし方

この「自己探究の時代」は1999年に書かれたものですが、今読んでも新鮮で、まさに時代に必要とされる考え方ですね。

この本で学んだことを自分自身の仕事や人生に活かすとなると、あなたならどのように考えますか?

自分の強みの再整理

仕事で成果を上げるには、弱みではなく強みを活かす必要があることは言うまでもありません。

しかもその強みをとことん磨き上げないと、頭がひとつ抜けた状態になりません。

その強みをあらためて整理しましょう。紙とペンを用意して書き出します。

話すことが得意の方がいれば、文章が得意の方もいるでしょう。

技術力がある方がいれば、分析力がある方もいるでしょう。

自分が過去に達成したことも含め、そこにはどんな強みが活かされていたか、という視点で振り返ることも有効ですね。

自分の価値観の再整理

自分の価値観を整理し直すには、自分が大切にしていることや自分がやりたいことと合わせ、自分がやりたくないことを書き出すことも有効だと、ぼくは考えています。

たとえば、いかなる環境でもある程度の競争が求められますが、他の人を蹴落としてまで勝ち上がりたいとは、ぼくは考えません。

ですから、そういった価値観をもつ組織はぼくには合っていません。

かといって、お互いに甘やかし合っているようなところも求めておらず、チームワークが尊重されつつ、お互いに良い意味で切磋琢磨されるような環境がぼくの価値観に合っています。

第二の人生への準備

あなたは第二の人生への準備を進めていますか?

若いうちから進めておかないと、いざとなって第二の人生に踏み出すことが難しくなります。

それは非営利団体での活動でも趣味でもなんでも良いでしょう。

若いうちは本業が忙しくて大変な日々ですが、それでも二つ目の柱をしっかりともっておかないと、第二の人生を有意義なものにすることはできなくなるというのです。

まだこれといって考えが及ばない人も、今からいろんなことを試し、第二の人生の柱になりそうなものに出会えるようにしてみてはいかがでしょうか。

 

【まとめ】ドラッカーによる自己マネジメント論

あのピーター・ドラッカーによって書かれた自己マネジメント論、いかがでしたでしょうか?

ぼくにとっては、「強みに集中する」ことの必要性を再確認できたことだけでなく、自分に合った仕事の仕方や学ぶ方法を選ぶことの大切さにも気づかせてもらえた一冊でした。

また、第二の人生を豊にするには若いうちから十分に準備をしておかなければいけないという指摘も非常に納得のいくところでした。