転職や昇進をして確実に成果を出す方法。【よくある失敗事例も必見】
あなたが転職や昇進をして、新しい仕事についた時、最初に考えることは何ですか?
ほとんどの方は、「すぐに成果を出さないと!」だと思います。
すぐに成果を出さないと、上司や同僚、そして部下からガッカリされてしまうかもしれないという焦り。加えて、自分の力を試してみたく感じることもあるでしょう。
ただ、必ずしも短期間で成果を出そうと努力することだけが正しいやり方とは限りません。焦らないようにしましょう。焦ると、思わぬところでつまづくことがあります。
本記事では、転職や昇進をして新しい仕事についた時に、確実に成果を上げ、長期間にわたって成功をつかんでいく方法を紹介します。
最初の3ヶ月間が大切で、とくに新任のマネジャーや管理職、リーダーの立場に立つ方に読んで欲しいです。
転職や昇進をして確実に成果を出す方法 【最初の3ヶ月が肝心】
業務内容や職場のカルチャーについて、学ぶ!
まず、新しい業務内容や職場のカルチャーについて、徹底的に学びましょう。
過去の成功体験やバイアスは一度脇におき、新しい職場や仕事の状況について、分析し、正しく理解を深めましょう。
学んだことに対しては、上司や同僚、部下に説明し、フィードバックをもらっても良いでしょう。理解が足りないところは指摘をしてもらい、それを何回か繰り返すとより精度が上がってくるはずです。
もちろんこのような積極的な姿勢を見せることによって、新しい同僚たちからの信頼が得られることも間違いありません。
上司と一緒に、最初の業務目標を設定する。
次に、学んだ結果にもとづいて、最初の業務目標を設定し、それを上司とすり合わせましょう。
期間と具体的な目標を上司と話し合うことによって、後になって「この3ヶ月間、何をしていたんだ!」なんて誤解をうけるようなことがなくなります。
もちろん、話し合いの場を設定することも、あなた自身の責任です。どのような頻度で報告をすべきかも含め、上司とよく話し合ってください。
職場での人間関係を構築する。
そして同時並行で、人間関係も築いていきましょう。
上司や部下はもちろんのこと、他部署や他グループの中でもキーパーソンとなるような人にはアプローチをしておくことが賢明です。
最初から仕事の難しい話をする必要はありません。しかし、相手のことを知ろうとする努力が、相手の心を開く鍵になるでしょう。
小さな成功を作る。
最後に、小さな成功を作ることです。
これによって、上司はもちろん、同僚や部下からのあなたに対する信頼を獲得することができます。
上司とも目標のすり合わせができていますから、早速、成功例を作ったとなると、非常に頼もしい人材として見なされるようになるでしょう。
できれば、あなた一人ではなく、部下や同僚たちと協力して成し遂げたような実績にできると、あなたのチームワークスキルの高さを理解してもらうことにもつながります。
英語で、スモール・ウィン (Small Win) とか、クイック・ウィン (Quick Win) とも呼ばれています。
新しい職場や仕事を理解するための3つの視点
ただ、これらの行動をはじめるにも、まずは新しい業務内容や職場をよく理解することが必要です。
そのとき、非常に重要な視点が3つありますので、紹介します。
上手にチームになじみ、中長期的に成果を上げていくには、これらの視点が欠かせません。
1. ビジネス
ひとつめは、ビジネスについてです。
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、まずは新しい職場や仕事そのものについて、学びましょう。
その会社が販売している製品やサービスが、どういった性質のものか?どのようなビジネス環境にあるか?そしてそのビジネスが、今どのようなステージにあるか?、など。
たとえば、その会社が創業初期のスタートアップ期にあるのであれば、どれだけ急スピードで成長させていくことができるかが、会社全体のテーマになっていることでしょう。
製品やサービスの認知度をあげて、強力に営業活動を進めていくことが、会社の一番の目標になっているかもしれません。
そのような時に、「幹部メンバーの後継者育成に取り組みましょう!」などと提案しても、とんちんかんなものとなります。
他にも、創業初期を超えて、安定的な低成長を続けているようなステージであれば、無理に戦略を変えることは間違った打ち手になりかねませんし、むしろ、社内のガバナンスを高めるような施策を実行していくことの方が、求められる仕事となることがあります。
それが赤字が続いていてターンアラウンドが必要な会社であれば、できるだけ早く戦略を見直し、大幅に方針転換を進めていくことが不可欠となります。
このように、ビジネスそのものを見つめることで、その時に必要な打ち手が変わってくるのです。
2. カルチャー
次が、カルチャーです。
ひとつめのビジネスに比べて、カルチャーは曖昧でわかりにくいものです。しかしながら、これが非常に重要です。
どの会社も長期間にわたって築いてきたカルチャーがあり、メンバーたちは無意識に、それに沿って、コミュニケーションをしたり判断したり、行動したりしているのです。
そこから外れた行動をすると、どうしてもギクシャクしてしまうことが起こりえます。
たとえば、何か意思決定をするときに、トップダウンなのか?ボトムアップなのか?それとも、正しい意見であれば、それが誰のものでも採用されるのか?
他にも、会議とは、情報共有のために行われているのか?それとも、意思決定のために行われるのか?会議内では、率直に意見を言い合うような文化か?それとも、お互いのメンツを守るために、率直な物言いは避けられ、会議の外で個別の話し合いがなされるものなのか?
このように、どの会社にも固有のカルチャーがあり、既存のメンバーたちはそれに合わせて効率的に働くようになっています。
ですから、そこに新しく加わるあなたも、そのカルチャーを理解し、取り入れた方が、不用意なイザコザを避けることができるでしょう。
3. 組織と人の関係性
カルチャーと並んで難しいのが、3つ目である、組織と人の関係性を理解することです。
誰がオピニオンリーダーなのか?誰と誰とが意見が合うのか、合わないのか?といった点になります。
たとえば、その新しい職場内には、あなたのポジションを狙っていた人だっているかもしれません。
その場合、その人からあなたに向けた嫉妬の感情もあるでしょう。ひどい場合は、あなたの仕事を邪魔しようと考えていることだって、あり得ます。
それをどれだけ正論で反論しようとしたところで、人間はそういった生き物なのです。
そう、つまりは政治です。人のいるところに、政治は生まれます。絶対に避けては通れません。
こういった人間関係や政治に関することは、ポジションが上がれば上がるほど、増えてきます。
ですから、この組織と人の関係性という点についても、しっかりと分析をして理解を深めるようにしましょう。
その方が、余計な障害を回避して、あなたがチームに貢献できるようになるスピードが早まります。
よくある失敗
転職や昇進を成功に結びつけるためには、どのような行動をすべきか、説明しました。
しかし、これらをしっかり意識して取り組まないと、失敗することがあります。
実際、非常に多くの方が失敗する事例が後を立たず、それらを紹介します。
過去の成功体験にしがみつく
前の仕事で成功した実績が、新しい仕事でも同じように成功するとは限りません。
たとえば前の職場が右肩上がりの急成長企業であった場合、人事担当者は採用活動に追われていたことが想像できます。
そこでは、新卒採用のために学校の就職課とのパイプづくり、就職フェアへの定期出展などを提案・実施し、成功をおさめていたかもしれません。
しかし新しい職場が、より成熟した企業、もしくはターンアラウンドが必要となるような業績低迷企業であったとします。
その時、新しく人事リーダーとして入ったあなたが、過去の成功体験にしがみついて、新卒採用のテコ入れや就職フェアへの定期出展などを提案したところで、会社にそんな余裕は無いはずです。
むしろ、組織体制の見直しや人員の再配置など、他のことを求められる可能性があります。
すぐに成果を出そうと焦ってアクションをとる
どうしてもすぐに成果を出そうと焦る気持ちは分かるのですが、すぐに行動やアクションをとることは、失敗につながりやすいです。
なぜなら、そのアクションが、本当にその仕事で求められているものかどうか、深く考えられていない可能性が高いからです。
しかもそういう時に限って、なんとか成果を出そうと、そのアクションを実行に移すべく、無理強いする人までいます。
しかし、そのアクションがその組織にとって良いものかどうかは、これまでの歴史や文化を理解しなければ判断できないもの。
たとえそれが一般的に正しいものであったとしても、もっと他にやるべきことがあるかもしれません。焦ってアクションをとることは失敗の元。
あれやこれやと手を広げすぎて目標が定まらない
最初に自分の力量を証明しようと、「あれもできます、これもできます!」と張り切って手を広げすぎると、どれも中途半端になってしまいます。
もとより、それが上司や組織から求められていることと合っているかどうか、それを確認せずに進めてしまうことは危険です。
結局、3ヶ月が経過した時に、色々やったけれども、どれも中途半端。
そして上司からも、「そんなことは求めていなかった。」と言われてしまうリスクすらあります。
課題や解決方法を一人で”決めつける”
「今の当社・当グループの課題は”これ”です!」
「そのための解決方法は”これ”です!」
歯切れがよく、なんとも頼もしそうに聞こえますが、それが本当に正しい打ち手となるかは、実は怪しいところ。
どれほど過去に実績のある人でも、新しい職場や仕事の実情をよく理解してからでないと、本当の課題や解決方法はわからないものです。
ましてや3ヶ月そこらで、それらにたどり着くことなど、かなりの難易度です。
上司以外との人間関係を軽視する
組織やチームには必ず複数の関係者がいて、その中にはリーダーシップを発揮している人や、オピニオンリーダー、鍵となるような人がいるものです。
みんなが全体の調和をとりながら個々の役割を担っている中で、それを軽視してはいけません。
ついつい、自分が担当となる仕事の直接の上司や部下との関係構築ばかりに気がいきがちですが、他の部門やグループの人たちとの関係をないがしろにしたばかりに、「新しくきた人はチームワークが悪い。」だなんて印象を持たれてしまうこともあります。
そんな印象が出来上がると、将来にわたって仕事がやりづらくなるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。どのような会社でも組織でも、それぞれに特有の事情があります。
そういったことを無視しては、本当にその会社にとって必要とされることを理解し、効果的な貢献をすることはできないものです。
だからこそ、「ビジネス」、「カルチャー」、「組織と人の関係性」という3つの視点をもって理解を深め、その上で、「学ぶ」、「目標のすり合わせ」、「人間関係構築」、「小さな成功」というステップを踏むことが大切になってくるのです。
新しい職場や仕事について早々に、「自分は、このように成果を上げることができます!ほら、早速アクションをとりました!」とアピールすることが、どれほど危ういものかが分かっていただけたことと思います。
みなさんが、新しい職場や仕事でも活躍しますように!
グッドラック!
参考図書:詳しく学びたい人のために
この記事で書かせていただいたことは、自分の実体験にもとづいたものです。
しかし私自身も、いつもうまくいっていたなんてことはあるわけもなく、たくさんの失敗をし、試行錯誤を重ねてきました。
どうしたものかと悩んでいた時に、こちらの本を紹介されました。
非常によくまとまった内容で、とても助けになります。
とくに初期の導入期にこそ使える内容が満載ですので、より詳しく学びたい方は、参考にしてください。
自分自身の振り返りに使ってもアリですし、部下のコーチング、それから社内研修に使っても効果的です。