アメリカMBAから現地就職する方法【体験談・徹底解説3万字超】
“アメリカでMBA留学をして卒業した後、現地で就職したいのですが、とても難しいと聞きます。どうすれば成功できるか、その方法を教えてください。”
こんにちは、テツです。
たしかにアメリカでMBA留学から就職することは簡単ではありません。しかし、日本人でもMBAを卒業後にアメリカで現地就職できている人は少なからずいます。
そういった先人たちの体験談に加え、ぼく自身が自ら得た経験と知恵をまとめましたので、ぜひあなたの就職活動に役立ててほしいと考えて本記事をまとめました。
本記事のポイント
- 日本人MBAにとってアメリカ就職が難しい3つの理由
- あなた自身を差別化するための競争戦略
- アメリカ現地就職には留学がおすすめである理由
- アメリカMBA就職活動に必須のネットワーキング
- 書類選考を突破するためのレジュメとカバーレター
- 最終関門のインタビューを確実に攻略する方法
- MBA就職活動のスケジュールと効果的な進め方
ぼく自身、アメリカのTop20とよばれるMBAのひとつに通い、現地多国籍企業にMBA幹部候補として就職しました。アメリカから日本やアジアの市場を担当するといった日本人カードもアジア人カードも使っていません。アメリカ人MBA生たちと競争し、表玄関から入りました。
世界一の経済大国であるアメリカでそのようなポジションに就くということは、まさにビジネス界のメジャーリーグ。今でこそ自分にとっては当たり前になりましたが、仕事で与えられる権限や裁量の大きさに、当初は驚きましたし興奮もしました。
それから数年が経った今は、外資系企業の経営職に就いています。30代のうちから経営経験を積めているのも、アメリカ現地で幹部候補として入社したからに他なりません。もちろん、入社後の実績の方が重要であるものの、就職活動を突破することができなければ、そのスタートラインにすら立てなかったことは説明する必要もないでしょう。
もちろん、アメリカで働くことだけがすべてではありません。実際にぼくも、今は母国である日本に帰ってきています。ただ本記事は、人生で一度はアメリカで現地就職をして挑戦したい!と考えているすべての方に、自信をもっておすすめできる内容です。
日本人MBAにとってアメリカ就職が難しい3つの理由
アメリカで実際に就職活動をして成功することは、簡単ではありません。ましてやMBA留学から現地企業の幹部候補として採用されるには、一段とハードルが高くなります。
新しく人材を採用しようとしているアメリカ企業に対し、どうやって自分を売り込み、納得して採用してもらうか、がぼくたちの舞台背景です。
この際、その会社に売り込んでくるのはあなただけではありません。たくさんいる現地のアメリカ人はもちろんのこと、ぼくたちみたいに「アメリカで働きたい!」と意気込んで海を渡ってやって来る、インド人や中国人といった外国人もいます。
彼ら彼女らと限られた数の椅子を取り合わなければいけない中で、ぼくたち日本人にとってアメリカ就職が難しい理由を考えてみましょう。
最初から「アメリカ就職が難しい理由」を説明されるとゲンナリするかもしれませんが、成功する方法は後段でしっかり説明しますのでご安心を。まずはしっかりと現実に向き合い、難しさを認識してから必要な対策をとりましょう。
アメリカ就職が難しい理由その1【言葉】
まずは当たり前のことですが、アメリカ就職を難しくさせる理由のひとつは、言葉です。
当然ながらアメリカなので、英語を話すことができなければいけません。コミュニケーション能力はビジネスに必須のスキルです。
仮に日本企業の就職面接に外国人の方がやって来て、「オンシャ チョウキセンリャクリツアン ワタシ マカセテクダサイ!」と売り込んで来たらどうでしょう?「そんな難しい言葉を知っていてすごい!」とほめたくなりますが、そのレベルの日本語では行く末が心配になります。
アメリカ企業から見ても同じことです。
日本ではどんなに「英語がしゃべれる人材」と見なされていたとしても、母国語として英語をあやつるアメリカ人にはコミュニケーションの面で劣るのです。
アメリカで育った人でなければ、このハードルを乗り越えることは困難です。ですから、他のところで輝く必要があります。
アメリカ就職が難しい理由その2【現地文化の理解】
次に難しさの理由として挙げられるのは、現地文化に対する理解です。
「所変われば品変わる」で、日本に常識やマナーが有るように、アメリカにも常識やマナーが有ります。
たとえば、日本において目上の人の名前は苗字に「〜さん」と、敬称をつけて呼びますが、アメリカではたいていの場合、ファーストネームで呼びます。自分のボスだろうが、更に職位が上の大ボスだろうが、ファーストネームで呼びます。それを、日本式に良かれと思って「Mr./Ms. XX(苗字)」と丁寧に呼びかけたところで、逆に困惑させてしまうだけで、相手に対して心理的距離を感じさせることになります。
こういう微妙なニュアンスがチームワーク形成に影響を与えてくるので、現地文化を理解している人が優先して採用されることになります。
他の例としては、新しい製品やサービスを開発するにあたって消費者の嗜好をリサーチする際、ずっとアメリカで暮らして来たアメリカ人よりも、日本人であるぼくたちが現地のニーズを正確に理解するということは非現実的です。なぜなら、アメリカ人の方がぼくたちよりも現地の生活様式のことを理解しているからです。当然ですね。
このように、現地文化に対する理解という面においても、ぼくたちのような外国人はアメリカ人に比べてハンデを背負うことになるのです。
アメリカ就職が難しい理由その3【就労ビザ】
そして3つ目が特に厄介です。そう、就労ビザです。
このビザというものが無いと、法的に、外国人はアメリカで働くことが出来ません。母国日本で暮らしている時にはビザのことなんて考えたことすらなかったでしょうが、アメリカで働くためには必要になるものです。
アメリカという国は基本的に、(1) アメリカ人に無い専門性をもった人材、(2) アメリカで雇用を生んでくれる人材、にしか就労ビザを発給してくれません。
要するに、「私たちアメリカは、アメリカ市民の仕事が奪われることが一番イヤなんだ。だから、アメリカ人のために仕事を作ってくれるなら働いてもいいよ。さもなくば、アメリカ人の誰ももっていない専門性が有ることを証明してよね。」ということです。
就労ビザといっても、さまざまな種類があります。全体像を知りたい方は米国市民権・移民業務局のホームページから確認してください。
ただ、ぼくがアメリカで出会った数多くの日本人・外国人は、ほぼ次のどれかのビザを使ってアメリカで働いていました。(ぼくはアメリカ移民法の専門家ではないので、記述の正確性には目をつぶってください。)
- E2:E2は投資家ビザと呼ばれます。投資家といっても、外国企業がアメリカに拠点を構えていれば投資と見なされるので、日本企業からの駐在員がこれを取得しています。
- L1:E2と同じように、関連企業間での転勤に使われるビザです。こちらも多くの日本企業からの駐在員たちによって取得されています。
- H1B:専門職ビザ。E2やL1のような駐在ではなく、現地で直接アメリカ企業に就職しようとする際に、このH1Bビザが必要です。ぼくがMBA卒業後に取得したものがこちらです。上に書いた通り、「専門性が有る」ことを証明して取得するビザです。
- J1:J1はトレーニービザと呼ばれ、研修が目的なので1年から1年半という期間限定です。
- O1:O1はアーティストやアスリートなどが取得できるもので、これこそまさに専門性の極みです。このビザで就労している人もいます。
このように、アメリカの就労ビザにはさまざまな種類があるものの、ぼくのようなMBA留学を経て現地就職を狙うようなビジネス系人材が目指すべきはH1Bビザということになります。
ただ問題は、そのH1Bビザの取得ですら一筋縄にはいかないことです。いろいろと要件が有ります。
まず、アメリカ企業が雇用主としてスポンサーにならないといけません。また、学歴が大卒以上であること。しかも国に認められた学校でなければいけません。
他にも、大学での専攻とビザ取得後につく職種の専門とが同じであること。さらにそれらが「専門的である」と見なされる必要もあります。
会計士や弁護士、医師、そしてエンジニアなんかですと「専門的である」と言いやすいのですが、ぼくのような文系・事務系・ビジネス系人材にとって「専門的スキル」を証明するのは簡単ではないので、相応の準備が必要です。
そして最大の難所は毎年の発給数に上限があること。基本的に、合計で85,000人分が発給され、そのうち65,000人分は学部卒者の枠、20,000人分は修士以上卒者の枠となります。これは申請者の中から抽選で選ばれます。(本記事を記載した2015年当時)
ちなみに毎年4月1日にその年の分の受け付けを開始するのですが、2015年4月度はアメリカ移民局によると、「(4月7日発表) 上限を上回る数の申請が有ったため、受け付けを締め切りました。」「(4月13日発表) 申請数は約233,000でした。」とのこと。つまり、受け付け開始と同時に枠が埋まり、しかも申請した人のうち、4割すら当選しなかったということ。
ぼくは修士卒の枠で申請したために学部卒の枠に比べて倍率が良かったはずですが、それでも狭き門であったことは事実です。
企業の採用担当者の立場を想像すれば分かることですが、「わざわざお金と時間をかけて採用にこぎつけ、ビザ申請までしたのに、抽選で外れて政府からビザが発給されない可能性が有る。」ということが、企業にとっての最大のリスクとなります。
ようするに、日本人を含め外国人を採用することには就労ビザのリスクがつきまとうため、すすんで取り組みたいものではないということです。
アメリカ就職が難しい理由のまとめ
このように、日本人を含む外国人がアメリカで就職活動をしようとすると、(1) 言葉、(2) 現地文化の理解、(2) 就労ビザという3つの高いハードルが待ち受けています。そしてこれらは同時に、アメリカ企業の採用担当者にとってもリスクであると言い換えることが出来るのです。
「なぜ、そんなにリスクだらけの外国人を、わざわざ採用しないといけないのか?」
この問いに答えることこそが、ぼくたちがクリアしなければいけない真のハードルなわけです。
それはつまり、現地のアメリカ人と競争し、そのポジションにおいてはアメリカ人より自分の方が適任であると認めてもらい、ビザの抽選に外れてしまう可能性が有ったとしても、それでもリスクをとって採用したい、と採用担当者に思ってもらう必要があるということです。
ここまで「アメリカ就職は難しい!」ということばかりを説明しましたが、あきらめる必要はありません。それらハードルを乗り越え、現地就職に成功する方法をここから解説していきます。
あなた自身を差別化するための競争戦略
では、「アメリカでの現地就職が難しいことも、競争が激しいことも分かったけれど、どうすれば良いの?」「どうやって自分自身を差別化ができるだろうか?」という疑問が頭に浮かぶと思います。
アメリカでは外国人であるぼくたちはハンデを背負ってのスタートですが、どうやって自分自身を差別化し、周囲から抜きんでた存在になれるかを考えたいところ。
とはいえ近道は無いというところが実情で、結論としては、競争相手であるアメリカ人たちがやっていることを、誰よりも熱心に取り組むしかない、ということです。
あなた自身の差別化を考えるための問い
差別化を考えるにはまず、以下の問いを立ててみましょう。
「その企業は、どういった素質を持った人材を探しているのか?」
どうやって自分自身を売り込むかということも大事ですが、採用企業の立場に立って、その採用担当者たちがどのような人材を探しているのか?と考えることが大切な視点になります。
分かりやすい例が、これから日本市場に進出しようとしているアメリカ企業で、その進出計画をリード出来るような「日本とアメリカの両方のビジネス慣習に通じている人材」が求められている場合。こういうケースでは、ぼくたち日本人がアメリカ人に対して差別化が図れるところですね。また、アメリカで事業を行っている日系企業に対しても、日本語が話せて日本の文化を理解していることが差別化要因になることもあります。
逆に、アメリカ市場専門の営業責任者なんてポジションでしたら、どう逆立ちしたところで外国人が採用されることはないでしょう。ただ、同じアメリカ市場専門であっても、「マーケティング部門で高度な統計解析ツールを使いこなせる人」という要件であれば話が変わって来る、ということです。この場合、スキルが主軸になって採用活動が行なわれているはずなので、そのスキルで抜きん出ていれば採用される確率が高まります。
差別化のための競争戦略
アメリカでは俗に、「職を変える時、(1)業界、(2)職種、(3)地域(言語) の1つでも変えることは難しい。2つを変えることはよほどのこと。3つは、ほぼ不可能。」と言われています。
ぼくたち日本人がアメリカで就職をする場合、必然的に (3)地域(言語) が変わりますから、あとの2つは同じままにするか、どちらか1つを変えることが精一杯となります。
ここでもう一度、「自分を差別化すること」について考えてみたいと思います。
ぼくたち日本人であれば日本市場に通じていることが差別化になりますね。つまりは(3)地域の軸です。他にも、ファイナンスやマーケティングなど、職種として専門性をアピールすることが出来るものもあります。こちらは(2)職種の軸です。もしくは不動産やヘルスケアなどといった(1)業界の軸がありますが、要は、3つの軸のうち、どれかで抜きん出ている必要があるということです。そしてそれが1つよりも2つ以上あった方が望ましいわけです。
このように考えたとき、(1)業界か(2)職種のどちらかは変えず、その上、それらで競争相手の誰よりも抜きん出ていることをアピールしていくことが、求められる戦略となります。
郷に入っては郷に従え:アメリカ流の就職活動
競争戦略を考えたら、次のポイントはマインドセットの確認をしましょう。
それは、「アメリカ人よりもアメリカ人らしく就職活動をする。」ということ。郷に入っては郷に従え、です。
これは別に、「アメリカ人になろう!」と言っているわけではありません。
「言葉も現地文化への理解も劣るので、少なくともアメリカ人の競争相手以上に努力をしよう。たとえば、アメリカの就職活動で必要となるレジュメ・カバーレター・インタビューについてはいくらでも事前準備が出来るため、ここで自分を差別化させよう!」ということです。「日本カード」を使わずに就職活動をする場合、これが特に重要となります。いわば必須の姿勢ともいえます。
当然ながら、企業の採用担当者はアメリカ人であり、アメリカ流のやり方を期待しています。
当たり前ですね。その人の頭の中にあるフレームにのっとってアピールをしない限り、聞く耳すら持ってもらえないことでしょう。外国人が日本で就職活動をすることを考えたって、同じことです。
そのように考えると、就職活動で自分をアピールすることとは、「自分が言いたいことを言う」のではなく、「相手が聞きたいことを言う」ことだといえます。さらに言いかえれば、相手が求めている人物像に自分自身を近づけることが重要とも考えられるわけです。
ぼく自身も、就職活動の過程では、自分を「アメリカ人化」しようと努力をしました。レジュメやカバーレターの準備は当然のこと、ネットワーキングやインタビューで話している際にも、現地のアメリカ人たちと同じようなリズム感で取り組むようにしていきました。
採用担当者であるリクルーターが、「この候補者に違和感を感じない。」と考え、親近感や信頼感を得てもらうように努めたわけです。その上で、誰よりも準備をして臨むことで、ようやく結果が出てくるようになったというわけです。
アメリカ現地就職には留学がおすすめである理由
ここまで説明した、アメリカ現地就職の難しさやハードルを超え、どうにかして自分が価値ある人材であることを採用担当者に納得してもらえた時、企業側が次に考えることがあります。
それはぼくたち個人ではどうにもできない、就業制度の仕組みの話です。そしてそれに対する解決策は、「留学をする」ということになります。
Probation Period 試用期間が待ち構えている
その企業が次に考えることとは、「就労ビザのスポンサーをする前に、候補者に実際に働いてもらって、その能力が本物であることを証明して欲しい。」ということです。
日本でもどこかの会社に就職をすると、一般的に最初の3ヶ月間は試用期間となることがほとんどですが、同じような仕組みがアメリカにもあります。
それは英語でProbation Periodと呼ばれています。日本と同じように、90日間であるところが多く、現地のアメリカ人はもちろん、ぼくたち外国人が就職をする時にも当然、試用期間からはじまります。
そしてこの試用期間が厄介なのです。
勘の良い人ならばすぐに気がついたと思いますが、就労ビザを得るためには就職先がなければいけないし、就労ビザがないとそもそも就職もできない、という難しさがあるのです。
ここで助けてくれるのが、留学すると合わせて権利ももらえるOPTという仕組みです。
留学のメリットは、OPTをもらえること
「就職前に、もしくは就職すると同時に就労ビザを発給してもらえないと、働けないのでは?」
こんな疑問をもつと思いますが、実は留学する際に入手するF1という学生ビザには、「OPT (Optional Practical Training)」と呼ばれる「短期間、アメリカで働く権利」がついて来ます。
これは卒業後1年間有効で、「学校で学んだことを実際に仕事で使って、学びを深めましょう。」という建前のものです。
そして企業にとっても、このOPT期間を通じて、新しく採用した外国人を本採用するかどうか見極めることが出来る、というわけです。無事にOPT期間内に採用企業の納得するパフォーマンスを上げることが出来れば、晴れて正規の就労ビザであるH1Bビザの申請に進めることができる、という流れになります。
このため、アメリカで就職を目指す方には留学することをオススメします。留学用のビザがF1ですので、卒業後にはOPTも取得出来るからです。
このお試し期間をすっ飛ばして採用されることは、よほどのことが無い限り、ありえないと考えて良いでしょう。ましてや、日本にいながらにしてアメリカの現地企業に採用されることなど、文字どおりに「名声が海を越えて渡っていく」くらいの人物でない限り、不可能です。
こういった仕組みがあるため、世界中からアメリカの学校に留学しに来る人たちがあとを耐えないともいえるわけです。
アメリカMBA就職活動に必須のネットワーキング
新卒を一括採用する日本のスタイルと違って、もっと労働市場の流動生が高いアメリカにはいわゆる一括採用というものは無く、上から下まで全員が中途採用から入社してくることが多くみられます。
そういった中、非常に重要になってくるのが、ネットワーキングとよばれるものです。ネットワーキングとはいわば人脈作りのことであり、口コミや紹介を頼ることです。
アメリカには本当に多様なバックグラウンドの人材がいるため、日本みたいに学歴だけ見ればその人材のバックグラウンドがだいたい見えてくる、というわけにはいきません。よって、この人づての紹介が、信頼できる情報源として重要になってくるのです。
その中、僕たちが就職活動をする上で実際に必要とするネットワーキングとは具体的に、目当ての会社の採用担当者や社員とのパイプを作ることにあります。
そのパイプが作れてはじめて、ホームページには書いていないような仕事の細かな内容を聞かせてもらえたり、自分を知ってもらえることでようやくインタビューに呼ばれたりするようになるのです。
どんなに素晴らしいレジュメやカバーレターを送りつけたとしても、自分が知られていなければインタビューに呼んでもらえる可能性は低い、という点がポイントです。なぜなら採用担当者は、知らない人のために貴重な時間を割くことにはリスクが有る、と考えるからです。特に外国人である僕たちはなおさら、そういった目で見られます。
ですから、目当ての企業の社員と知り合いになり、少しでも業務について話を聞かせてもらおうと、人づてを頼って毎日のようにせっせとネットワーキングをすることが求められます。
口に出してはいけない、「Elephant in the room」
ぼくたちがネットワーキングをする際に一番気をつけなければいけないことを最初に書きます。英語でElephant in the room、「エレファント イン ザ ルーム」と読みまして、その名の通り、「部屋の中に象がいる」ことを指します。
これは、「部屋の中に象がいて、当たり前のようにみんなそれに気づいているのに、誰もそれを口に出さない」ことのたとえです。
「部屋の中に象がいるよ!」と誰かが口に出してしまうと、「どうしよう!」「誰が警察に連絡するんだ!?」「どうやって部屋の外に連れ出す!?」などなど、それが大きな問題やタブーであったり、いろいろとめんどうくさいことになったりするので、誰も口に出してはいけない空気が有る、ということです。
で、就職活動のネットワーキングにおいて何を口に出してはいけないかというと、「仕事をください。」とか「仕事を探しています。」と言ってはいけないのです!これ絶対!!
ぼくがこれを知った時、どうして!?というくらいに驚いたのですが、アメリカではそういうものらしいです。
会社説明会に出席して、そこに来ている採用担当者と話をする時にでも、絶対に「仕事をください。」と口にしてはいけません。もちろん、お互いに信頼できる仲になったらその限りではありませんが、初対面の人と話す時、採用担当者と話す時にはとくに、「仕事をください。」とは言わないようにしましょう。
ぼくたち日本人にとって、この考え方を頭で理解をすることが難しいのですが、一緒に就職活動をしていたアメリカ人同級生たちを見ていて感じることとして、次の理由が挙げられます。
Confidence (自信) があることが重要
アメリカに限らないと思いますが、自信を持っていないと良い仕事なんて出来ません。「Winning attitude (必ず勝つと信じる気持ち) 」なんて言葉もありますが、「自分は出来る!」と信じている人のみ、それをつかみ取ることが出来るというものです。
働くということは、常に新しく出てくる問題を解決し続けていくことで、昔と同じ問題は二度と出てきません。その際、「どんな問題でも必ず解決してみせる。」という自信が無い限り、それらが解決されることは無いでしょう。本当の自信は、経験を積み重ねていった上に出来るものですが、最初は「根拠の無い自信」を持つことが必要なのです。
また、アメリカの多様性は本当に幅広く、暗黙知を期待することが簡単でないため、コミュニケーションがストレートです。英語では、「私は自信があります。」と言えば、「ああ、この人は仕事が出来そうだな。話を聞いてみよう。」となりますし、「いやいや、私なんて。」と謙遜をすると、「この人は、自分はダメですと言っている。じゃあ、話を聞く必要は無いな。」と受け止められます。
つまり、「仕事をください。」と言う人は、「自分はどこの会社からも相手にされていない人材です。よって、信頼性が低い人材であり、御社も私を採用しない方が良いですよ。」と自分で言っているように聞こえてしまうリスクがあるのです。
採用担当者たちもフェアで公平であろうとしている
どの採用担当者たちも、候補者たち全員とフェアで公平に接することを心がけています。それにもかかわらず、誰か一人の候補者から「仕事をくれませんか?」だなんて聞かれても困ってしまいます。
「私たちは、募集要項にある通りの人材を探しており、書類選考や面接を通じてその判断をしています。」としか言いようがありません。こちらの事情も察して欲しいと思われるのが関の山です。
これもまた、「仕事をください。」と直接伝えてはいけない理由となります。
候補者には自信のあるふるまいが求められる
ぼくが通ったビジネススクールでは、就職課のアドバイザーたちがぼくたち外国人学生たちに対して、次の言葉を何度も何度も口を酸っぱくして語ってくれました。
「In America, being confident is much more important than being correct!!」
「ここアメリカでは、自信が有るようにふるまうことの方が、内容が正しいか間違っているかより、ずっと大切だ!!」
謙遜を美徳とする日本の文化とは全然違いますが、アメリカではこういった文化が重視されています。
そしてやはり、「口には出しませんが、他社からもたくさんオファーをもらっています。」という振る舞いの候補者の方が魅力的に見えてしまうのもまた、人間の気持ちというものでしょう。
もちろん、プロセスが進んでインタビューも後半になれば、「御社に入って後見させてください!」とハッキリと伝えて熱意を示すべきです。ですが、ネットワーキングの段階では、そこまで言わない方が良いということです。
ネットーワーキングにおける第一印象のつくり方
では次に、どうしたらネットワーキングにおいて自信が有るようにふるまえるか、という点について説明します。
第一印象が大切であることに異論を唱える人はいないことと思いますが、とくに競争が激しい就職活動において、目当ての社員と話し始めたその数秒でジャッジ(判断)されていることを認識することが大切です。「人の印象は最初の8秒で決まる」だなんてレポートが有るということも聞いたことがあるかもしれません。
身だしなみはもちろんですが、ここでバカにならないというか、必要不可欠なものが、視線、笑顔、そして握手です。
視線
視線ですが、相手の目の奥の方をしっかりと見通すことが大切です。絶対に視線をそらしてはいけません。睨みつけるのではなく、自然に、「相手の目の奥の方に自分の自信を伝え込む。」ようなイメージで練習をしましょう。
笑顔
笑顔が大事であることも言うまでもないでしょう。イメージはトム・クルーズです。口角を軽く上げて、少しだけ歯を見せるようにしましょう。(恥ずかしがらずに!)
握手
握手を通じて身体の芯から自信を伝えることが3つ目のポイントです。
- Dead fish (死んだ魚) ではダメ:手に力が入ってなく、相手から握られた時にフニャっと崩れてしまうような握手のことをぼくの先生はDead fish (死んだ魚) と呼んでいました。これでは、自分に自信が無いようであり、握手した相手のエネルギーレベルも下がってしまいます。
- 強過ぎるのもダメ:死んだ魚ではダメですが、ガッチリと力強くするのも、これまた危険。特に身体の大きな男性が身体の小さな女性に対して握手をする場合、力を入れてしまうと、とても痛いものです。相手のことすらおもんぱかれないような人とは一緒に仕事もしたくありません。ということで、強過ぎるのもダメです。
- 人差し指から小指までを縦に一列に並べるだけ:ではどうすれば良いかというと、人差し指から小指までを縦に一列に並べて崩さないようにするだけ。そうすれば、力強く握られても崩れないですし (痛くもありません!) 、力の弱い相手に対しても、相手が自分の手を握った時に確かなグリップ感を感じてもらうことが出来るのです。よって、相手の手を握ることを意識するよりも、自分の手を一枚のしっかりしたものにすることを意識することで、相手に「握った感」を与えることが出来るのです。
- 動きの順番は、奥まで握り込む→一度だけ上下に振る→一秒間ほど静止→離す:何度も何度も振ったり、握ったまま離さないと、相手との間に変な空気が流れますので注意して下さい。人差し指と親指の付け根の奥までしっかりと握り込んだら、一度だけ上下に振り、一秒間ほど静止、そしてサッと離しましょう。この間、笑顔でいることもお忘れなく!
これらが自然に出来るよう、何度も何度も練習してください。ぼくもビジネススクールでクラスメートたちと何度も何度も練習をしました。ちなみに日本のようなお辞儀文化は有りませんので、頭は下げないように気をつけてください。
ネットワーキングの機会を得る方法
次に、「では一体どうやって目当ての会社の社員と出会い、ネットワーキングをすれば良いのだろうか?どこにその機会があるのだろう?」という疑問に答えます。
以下にぼくが経験したものを紹介します。さまざまな機会を通じて、積極的にコンタクトを試みてください。
学校での会社説明会
学校の就職課が企業の採用担当者を学校に招き、会社説明会を主催してくれます。そこでその会社に関する情報を入手することが出来ますし、プレゼンテーションが終わった後に直接話しかけることが出来ます。その際、名刺交換をするなどしてフォローアップのための連絡先を入手することも可能です。
なお、こういったプレゼンテーションでは通常、説明が終わると同時に質問を求められるので、積極的に手を挙げて質問をしてください。この時点ですでにアピール合戦が始まっていることを忘れないようにしましょう。採用担当者は良い質問をした人の名前と顔をしっかりと覚えています。
合同就職イベント・カンファレンス
日本でも東京ビッグサイトなんかで合同就職説明会が開かれたりしますが、アメリカにも似たようなものがあります。特にアメリカの場合、人種的なマイノリティーたちが自分たちのコミュニティの結束を強めるために開催しているものがあり、かなり大きな規模のものもあります。
たとえばMBAを対象にしたものですと、National Black MBA Association (http://www.nbmbaa.org/)、National Society of Hispanic MBAs (https://www.nshmba.org/)、Asian MBA International (http://www.asianmba.org/) といったものが大規模で有名です。専門によって色々とありますので、あなたのニーズに合わせて探してみてください。
MBAの学生クラブ
自分が通っているビジネススクールの学生クラブを通じてイベントを開催し、そこに目当ての企業を招くことも、ネットワーキングの機会を作り上げる方法です。
たとえば、ファイナンスクラブのメンバーとして最新の金融情勢を議論するカンファレンスを開き、学校に複数の企業を招いてしまえば良いわけです。そこでカンファレンスと並行し、招いた企業の社員とも親交を深め、パイプを作り上げることができます。こう聞くと難易度が高いように感じることがあるかもしれませんが、アメリカ人MBA生たちはこういったことを積極的にやっていますので、あなたも遠慮する必要はありません。
卒業生ネットワーク
学生クラブでカンファレンスを開催する場合もそうですが、最初のコンタクト先として卒業生ネットワークが活用出来ます。
学校には卒業生担当スタッフがいますので、そこから紹介してもらっても良いですし、名簿をもらって自分で直接コンタクトしても良いです。学校の卒業生ネットワークはどこも強力で、各校ともホームページには自分たちの卒業生ネットワークがどれだけ幅広く活発につながりあっているかがうたわれています。
アメリカ社会ではそれだけネットワーキングが重要ということですし、卒業生たちもまた過去にそのまた先輩たちにお世話になっているわけで、この恩恵に預からない手はありません。自己紹介と合わせて業界に関する情報を教えて欲しい旨をメールし、20分ほどの電話チャットをセットアップすれば、ほとんどの卒業生は快く応じてくれるはずです。
LinkedIn・リンクトイン
日本ではそれほど多く使われていないLinkedIn・リンクトインですが、これも非常に役立ちます。
卒業生ネットワークほどは強力に働かないのですが、友人知人と繋がっている人を紹介してもらうことが可能です。こういったテクノロジーを使うことのメリットは、目当ての人が今働いている業界・企業だけでなく、その人が過去に携わってきた業務経歴なども見られたりするので、どうやって今のポジションにたどり着いたかということも学ばせてもらうことが可能です。ここでもメッセージを送り、電話チャットをお願いしましょう。
知人友人からの紹介
友人知人の紹介やツテも効果的です。
「あなたが過去に働いていた業界に自分は興味がある。誰か仕事の話を聞かせてくれる人を紹介してもらえないですか?」と聞いてみましょう。助けが欲しいのはお互い様。協力し合う仲間を一人でも多く作ることが近道だったりします。
事前リサーチは必須
実際に目当ての人にコンタクトをする前に一つ気をつけたいことがあります。それは、事前リサーチをしっかり済ませておく必要があるということです。
貴重な時間を費やして自分と話をしてくれるというのに、ただ「話が聞きたいから時間をください。」ではいただけません。また実際に話をする段になって、「御社の売上高はどれくらいですか?」など、ホームページを読みさえすれば分かるような質問をすることも喜ばれません。「この人はHomework (宿題) すらしていない。」ということで、その先は二度と話をしてくれないと考えた方が良いでしょう。みんな忙しい中に時間をとってくれますので、マナーを守ることが大切です。
ですから、目当ての人にコンタクトをする前から、その会社のホームページに書いてある内容と、その会社のアニュアルレポートを読み込んでおきましょう。たいていのことはそこに書いてありますし、そこに書いてある内容にもとづいて「相手をうならせるような質問」を考えるようにするのです。
時間をもらえるようお願いのメールを書くときには、「私はこういった業界に興味があり、その業界のリーディングカンパニーである御社のことを勉強しています。御社のホームページも一通り拝見させてもらいましたが、この点については記載がなく疑問が残るので、お時間が許すようでしたらお話を伺わせていただけないですか?」といった具合にします。
またアポが取れて実際に話をする際にも、「御社の事業ポートフォリオ戦略はどのようなものですか?」と焦点がぼやけた質問をするのではなく、「御社はこれまでエネルギー関連の事業に投資を集中させて来たようですが、最近はエネルギー価格の下落が続いていて、成績が芳しくない状況にあると察します。しかし、長期的に見ればエネルギー事業が大事なものであり続けることに変わりない中、どうやって短期的な目標とバランスされようとしているのでしょうか?私はそういった経営戦略の考え方に興味が有り、勉強させていただけないでしょうか?」と、できるだけ具体的に聞くようにします。
もちろん、こういった質問に「正しい答え」など無いのですが、そのような「本当に解決すべき、難しい問題」にまで考えが及ぶ、ということをアピールすることが出来ます。
聞かれた社員の方も精一杯に答えてくれるでしょうし、逆に意見を求めらることも有るでしょう。ですから、少し背伸びをしつつも、自分の身の丈にあった範囲で質問を組み立てられると良いと思います。こういったやりとりを通じて、相手から自分に対する信頼を引き出していくことにつながっていきます。
このように、事前リサーチが重要ですので、時間はかかりますが疎かにしないようにしっかり準備をしましょう。これがネットワーキングの目指すところであり、目当ての会社での自分への評判を高めることにもつながるのです。
スモールトークを身につける
もう一つ身に付けたいものが、「スモールトーク」と呼ばれる雑談力です。
人によってはなかなか簡単ではないのですが、アメリカにおける大事なコミュニケーション方法のひとつとされています。
流れ:「スモールトーク→本題→スモールトーク」
アメリカではこの流れにのっとって、話を進めます。いくら大事な話であったとしても、スモールトークをすっ飛ばして本題に入ることはマナー違反と考えられることがあります。
実際に話すことは、天気でもいいですし、その土地のニュースでも、なんでも大丈夫です。「今日は雪が降っていて道路状態が心配だったけれど、特に問題が無くて良かったよ。」といった普通の内容で全然良いのです。
ただ、どうせなら盛り上げて自分を印象付けたいので、工夫が必要になります。たとえば、スポーツのネタがそれにあたります。アメリカ人にはスポーツ好きが多いので、相手の勤務地や出身地のスポーツチームの近況について話を振ると、会話が盛り上がることがあります。
他にも、相手の出身校の校舎が最近リノベーションされるという情報を見つけたら、それをネタにしてもオッケーです。ただし、アメリカでは基本的に宗教と政治の話はタブーですので、ネタとして使うことは避けてください。
ネットワーキングは長期戦
このように、ネットワーキングは長期戦であり、一朝一夕でどうにかなるものではありません。だからこそ、日本にいながらにして直接、アメリカに就職先を見つけることが難しいわけでもあります。
当のアメリカ人たちですら、ネットワーキング、特にスモールトークを苦手としている人たちがごまんといます。「networking」や「small talk」と検索してみてください。Tips (コツ) がわんさかと出てきます。それだけ多くの人たちが助けを求めているということです。
あなたもアメリカ現地就職を狙う際は、長期戦を覚悟の上、根気強く、目当ての会社の社員の方たちに自分を売り込んでいきましょう。ネットワーキングは本当に重要です。
書類選考を突破するためのレジュメとカバーレター
次のステップがレジュメとカバーレターです。日本で言うところの履歴書や職務経歴書にあたります。
レジュメの目的
採用担当者のもとには何十、何百、そして人気ポジションには何千というレジュメが送られてきますが、そもそもレジュメには何が期待されているか?という点を考えることが重要です。
それをまとめると、以下のようになります。
レジュメとは、(1)募集しているポジションに対し、その候補者が適任であると伝えることを目的に、(2)候補者がもつユニークな強みを明確にしつつ、(3)候補者のバックグラウンド、スキル、これまでの成果が、(4)簡潔に分かりやすく、一目見ただけで伝わるようにするもの、です。
これら4点を満たすレジュメを作ることができると、書類選考を通過してインタビューに呼ばれる確率が高まります。
採用担当者の立場を想像してみる
採用活動に携わったことがある方であれば、「そうそう!」とうなずいていただけると思いますが、通常の仕事でただでさえ忙しいところに、この採用活動に時間を割くことはなかなか大変です。
日本でも中途採用がそうであるように、アメリカ企業では採用の時期がランダムで、なかなか十分な計画性をもって出来るものではありません。急にポジションが空いてしまうこともありますし、外部環境の変化から急いで人材を採用する必要が出てくることもあります。つまり、「毎年必ずこの時期に、こんなバックグラウンドの人材を採用します。」などという決まった流れは無い、ということです。
すると、いざ採用活動をする時になると、通常業務の合間をぬって時間を捻出しないといけないことになるのです。「すでに忙しい中で、どうやって採用活動に時間を作り出そうか?」と頭を悩ませる担当者の気持ちが想像できるというものではないでしょうか。
実際に、はじめのスクリーニングの段階では、1枚のレジュメを読むために費やされる時間は5秒以内と言われています。パッと目に飛び込んできて、「うん、この候補者はレジュメを読む限りは良さそうだね。インタビューに呼んでみようか。」と思えるようなものしかそのスクリーニングを通ることはできません。
だからこそ、簡潔で読みやすく、募集要項にピタリとはまるレジュメを作り上げることが大切になります。インタビューに呼ばれるレジュメがある陰で、その何十倍も、「音沙汰なし」となるレジュメがあることを忘れてはいけません。
レジュメを作りこむプロセス
それでは、「どのようなレジュメだったら読みやすく、かつ力強いアピールとなるか?」という疑問がわき上がってくると思いますが、そこに近道はありません。
前述した通り、アメリカ現地の就職活動では、ぼくたち外国人はハンデを背負って活動しています。いくら募集要項にピタリとはまるバックグラウンドやスキルを持っていたとしても、他にも同じレベルのアメリカ人候補者がいた場合、オファーはそちらに出されるでしょう。
そこで、出来るだけ磨き込まれていて、どう見てもその業界・ポジションにピッタリだと思わせるようなものに仕上げる必要があります。そのためには「自分にしかないユニークさ」を前面に出すことが鍵をにぎります。
そこで大事になることが、自分の長期的な目標やキャリアゴール、そして過去の経験を、よく整理して理解をすることです。そして目当ての会社が求める要件も整理し、そのギャップを埋める努力を重ねます。
(1) ゴール設定
まず、自分が本当にやりたいこと、情熱を感じる職種や業界を整理します。次に、それら目指している業界や職種で求められていることも整理しましょう。
目当ての会社のウェブサイトに書いてある「求める人物像」や、Job Discriptionと呼ばれる募集要項を読み込んで、「候補者に求められていること」も正確に理解しましょう。
こうやって自分が就きたいと考えている職種や業界で「求められていること」、つまりは「たどり着くべきゴール」を整理すると、そこにたどり着くまでに必要となることの中で、「自分がすでに出来ていること」もあれば、「ギャップとして残ること」の両方があることに気がつくと思います。
(2) 自分の強みと経験の棚卸し
次に、アピールポイントとなる、「自分がすでに出来ていること」から整理をします。
これまでの経験を振り返り、教育を通して得たスキルや仕事で得たスキル、それらのスキルを使って達成した成果などを書き出します。レジュメは簡潔であることが肝ですので、それらの中でも特にインパクトがあるものはどれか、しっかり考えて絞り込みましょう。
(3) ギャップを埋める
その上で、「ギャップとして残ること」について埋める努力をしていきます。
たとえば、マーケティングの職種に就きたいのにその経験が無い場合、学校でマーケティングを専攻する、マーケティングを研究する学生クラブをリードする、マーケティング職のインターンシップをする、などです。これをやっておくと、たとえギャップがあったとしても、その分野の経験やスキルがあることをレジュメ上で表現することが可能になります。
(4) レジュメを書く
こうしてようやくレジュメを書ける段階に入ります。
「自分が候補者として、そのポジションに求められている要件を全て満たしている。」ことをレジュメ上で表現し切ることを目指しましょう。多少時間がかかっても、ギャップを少しでも埋めることが大切です。
このようなプロセスを繰り返しながらレジュメを作り上げていくのですが、まずは (1) ゴール設定と (2) 自分の強みと経験の棚卸しが終わったら、さっさとレジュメを書いてみましょう。そしてもう一度、「会社が候補者に求めていること」を頭の中で整理し、採用担当者の気持ちになって、自分で書いたレジュメを見直してみるのです。そうすると、「ギャップとして残ること」が浮き彫りになるので、その先、自分が何をしないといけないかが分かって来ます。
このように、レジュメを作るということは、ただ単に過去の経験やすでに持っているスキルを書き並べることではありません。レジュメを作るということは、自分で自分のゴールを設定し、そのゴールにたどり着くまでに必要となる経験やスキルを確認し、足りないものを埋めていく、というプロセスを繰り返すことです。つまり、レジュメを作る行為には時間がかかるものですし、書き方のテクニックだけでどうこうなるものではないということです。
最初から完璧なバックグラウンドとスキルを持った候補者などいない中、どれだけ工夫と努力を続けられるかがものを言います。
普段の仕事をしている中でも、「今の仕事を始めて3年経った時、レジュメにかけるような結果を出せているだろうか?」「自分のリーダーシップによってこんな成果を出すことができました!と言うためには、逆算すると、今日、何をしないといけないのだろうか?」と自分に問いかけるのです。
このような目標志向の姿勢や、結果にこだわるマインドセットがレジュメ作りはもちろん、キャリア形成にも影響をしてきます。
レジュメの書き方のポイント
以下に具体的なレジュメの書き方を紹介します。
上で述べました通り、レジュメとは自分らしさを表現しつつ、採用担当者が読みやすいことの両方をバランスさせないといけないので、決まった書式はありません。
その上で、アメリカのビジネスで基本としてすすめられているポイントを紹介しますので、以下、参考にして頂ければと思います。
全体構成
最上部に名前と連絡先を書いたら、メイン部には (1) 学歴 (Education)、(2) 職務経歴 (Experience)、(3) 追加情報 (Additional information)、の3点を記載します。学生ではなく働いている人の場合は、(2) -> (1) -> (3) という順番の方がおさまりが良くなります。
枚数
できれば1枚におさめましょう。
繰り返しますが、1人のレジュメに費やされる時間は5秒以内です。複数枚に渡って書いたところで「この人はやる気がある!」だなんて思われることは無いどころか、「ポイントをまとめる力が無い。」と思われることが関の山でしょう。
箇条書き
英語でbullet pointと呼ばれる、箇条書き形式で書きます。だらだらと段落に分けてストーリーを書き連ねるよりも読みやすいからです。
採用担当者がレジュメを読む時というのは、募集要項に記載してあるスキルや経験を探すようにして読みますので、こちらもそれに合わせてレジュメを書いてあげるのです。
時系列の順番
時系列の順番として、最新のものを上から書き、下に進むにつれて情報が古くなるように記載します。
ずっと昔に何をしていたかよりも、直近で力を入れて来たことに一番興味が惹かれるからです。
一つのポイントは3セクション構成
箇条書きのひとつひとつに過去の経験を書く際、(1) Problem (問題)、(2) Action (行動)、(3) Result (結果)、の3つを使って構成します。
たとえば、「(problem) 中国で人件費が高騰する中 、(action) 製造工場をより人件費の安い東南アジアに移転するプロジェクトをリードし、(result) 結果として年間1億円のコスト削減を達成した。」というように書きます。
そうすることで、「自分は生産管理部門で3年間勤めていました。」と書くだけよりも、その人のスキルと成果がより具体的に伝わって来るのです。
また、(1) → (2) → (3) の順番を混ぜることで読み手を飽きさせない、といった工夫も有効です。
定量的に説明
可能な限り、全てを定量化して説明しましょう。
売上であれば「前年比+10%」、多国籍チームのリードであれば「3か国にまたがるチームをリード」といった具合です。
また、長期プロジェクトのリードにおいて、まだ完了前であっても、「自分がそのプロジェクトをリードしたことで、達成率80%まで推し進めることに貢献した。」というように書くことも出来ます。
効果的な動詞
英語でPower Verbsと呼ばれる、力強い意味をもつ動詞を使うことが効果的です。
たとえば、「Accelerated / Chaired / Developed / Engineered / Inspired / Launched / Maximized / Orchestrated / Revitalized / Safeguarded / Stimulated / Synchronized / Tailored / Targeted / Led / Spearheaded」などです。
このような動詞を使うことで、自分のスキルをより明確にアピールすることが出来ます。
追加情報
最下部に記載する追加情報は、「職務経歴や学歴だけでは読み取れない、自分という人材の幅の広さ」をアピールするために使います。
たとえば、資格や外国語能力について書いても良いですし、ボランティア経験や趣味を書いても良いです。
宗教や政治などのタブーは避けるべきですが、「この人は仕事に使う直接的なスキルのみならず、色んなことが出来そうだ。」とか「一緒に働くと楽しそう。」と思わせることが出来たら素晴らしいですね。
また細かいですが、僕たち日本人が外国語能力について言及する際、「Japanese」とは書いても、間違っても「English」と書かないようにしましょう。アメリカでの就職活動ですので、英語が喋れることは当たり前でなければいけないからです。
その他
一通りレジュメが書けたら、就職課のアドバイザーや友人知人、メンターなど、色んな人に見せてフィードバックをもらってください。
みんな思い思いの意見をくれて混乱するかもしれませんが、「いいとこ取り」をするイメージでレジュメを磨き上げましょう。
また、他の人のレジュメも大いに参考になりますので、レジュメ例がまとまっている本を参考にしたり、学校の就職課に過去の学生のものを見せてもらったりするなどしてください。
このように、レジュメを書くという作業だけでも相当な時間と労力が必要になります。ちょっとゲンナリしてしまった方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、就職活動以前に、普段から、「今の仕事内容を、将来レジュメに書くためには、今、何をすれば良いか?」というマインドをもつだけで、日々向き合う仕事に対してグッと真剣味が増すことと思いますし、合わせて成果も出てくることでしょう。
カバーレターの書き方
続いて、カバーレターの書き方について解説します。これは、日本で言うところの志望動機にあたります。
書き方については、レジュメと同じように、ネット検索に加え、本や学校の就職課から他人のカバーレター例を取り寄せて参考にしてください。
以下、カバーレターを書く際に重要となる考え方を記載します。
カバーレターを求められたら必ず提出する
たまに「カバーレターはOptionalであり、必須ではない。」という会社が有りますが、必ず提出しましょう。
同じように魅力的な候補者がいた場合、「カバーレターを提出しているかどうか?」で最終判断をされる可能性があります。カバーレターの提出有無が熱意の有り無しと見られることがあるのです。
熱意に加えてフィットもアピールする
「なぜその会社・ポジションに就きたいのか?」という志望動機だけでなく、「なぜ自分がその会社・ポジションにフィットすると考えるか?」という内容も書いてアピールをしましょう。
採用担当者があなたのカバーレターを読んだ際に、「この人には募集ポジションとのフィットがありそうだ。」と感じてもらう必要があるからです。
社員の名前を出す
カバーレターの中に社員の名前を出すことで、これまでのネットワーキングの努力をアピールしましょう。
たとえば、「なぜその会社・ポジションに就きたいのか?」という点について書く中で、「以前に、御社社員のXXさんから業務内容を伺う機会がありました。その話はとてもダイナミックで、御社に対する志望度が益々上がることとなりました。」という具合にします。
すると、カバーレターを読んだ人が、実際にそのXXさんのところに行き、「あなたの名前を出している候補者がいるんだけど、話した時、どうだった?」という風に聞きます。そこで、「ああ、あの候補者はなかなか良かったよ。」と言ってもらえればしめたもの!というわけです。
こうやってネットワーキングがつながってくるのです。インタビューに呼んでもらう確率を上げるために、ネットワーキングが重要になるということがイメージできてくると思います。
最終関門のインタビューを確実に攻略する方法
最終関門として待ち受けているのが、インタビューです。これはいわゆる面接のことです。
長いネットワーキングの期間を経て、提出したレジュメとカバーレターが採用担当者の目に止まった候補者のみがインタビューに呼ばれます。これが最終ステージであり、これまでの準備を存分に発揮すべき、最大の見せ場となります。十分に準備をして臨みましょう
インタビューで見られているポイント
面接官たちがインタビューを通じて候補者の何を確認しようとしているのか、その主なポイントを説明します。
スキルの確認と深掘り
インタビューを設定するということは、すでに候補者のレジュメとカバーレターは読み込まれており、そこに書かれているスキルが募集要項に合っていることは確認されています。
しかしながら、やはり、書かれていることが本当かどうかは面と向かって話して確かめたいもの。さらに、レジュメやカバーレターには書かれていない要素をさらに持っているかもしれず、そちらも確認をしたいというわけです。
コミュニケーションスキル
また、たとえ求めるスキルを備えていたとしても、コミュニケーションスキルに問題があってはまずいわけです。書類は良い感じでも、実際に会って話してみたらろくにコミュニケーションがとれないなんてことになるとガッカリされてしまいます。
自分自身の能力をしっかりと説明して説得出来ることや、ただ仕事の話をするだけではなくソフトな内容の会話も出来ることを確認されます。ここでも、一緒に働きたいと感じられるか、コミュニケーションからフィットを探るわけですね。
論理的思考能力・思考の瞬発力
さらに、複雑な問題を解くための論理的思考能力や、組織を引っ張る上で必要となる思考の瞬発力なども確認の対象となります。
熱意
これらの中で最も重要となるのが、会社やポジションに対する熱意です。
どんなにスキルが素晴らしく、思考の論理性や瞬発力が有ったとしても、やはり最後に見たいものは熱意じゃないでしょうか?それは決して、「私は仕事ができます!」「だから採用してください!」と、威勢の良い言葉を並べなければいけないという意味ではありません。
面と向かって対峙した時にビシビシと伝わってくる、真剣な雰囲気や自信などです。採用する側からしても、同じレベルの候補者が複数いる場合は、「自分たちを本気で好きになってくれている」方の候補者を選ぶことになります。シンプルに、熱意ある人と一緒に働きたいですものね。
インタビューの形式と流れ
実際のインタビューは、だいたい次のような時間配分で行われます。
- はじめ:挨拶とスモールトーク
- 第1ステージ:面接官から候補者への質問 (30~40分)
- 第2ステージ:候補者から面接官への質問 (10~20分)
- 終わり:スモールトークと御礼の言葉
- 合計:40~60分
1ラウンドの面接がだいたい40分から60分で行われ、何人の社員と面接を行うかは、それぞれの会社次第となります。
はじめ
流れとしては、インタビュールームに呼ばれて入室すると、そこに面接官がいて、笑顔で握手をします。「Hi, how are you doing?」や「Thanks for coming!」、「Please have a seat!」 など、簡単な挨拶から入り、軽くスモールトークが始まります。
第一印象が肝心であることは書いた通りですが、これまで何十回と練習してきた握手ととっておきの笑顔を振る舞いましょう。そして、その日のトピックスに合わせてスモールトークも交わします。もちろん、自信たっぷりで。
ここをクリアして軽く盛り上がることが出来ると、「うん、なかなか良さそうじゃないか。」という確認が取れたことを、ニヤっとした相手の目の奥に見て取ることが出来ます。するとすぐに、「よし、じゃあ、そろそろ本題に入るとしよう。」と、相手の目が少し本気モードに変わることにも気づきます。
第1ステージのコツ
ここから、具体的なコツについて話を進めます。第1ステージは、面接官から候補者への質問タイムです。
一般的に質問される内容
一般的に質問される内容として、自己紹介に始まり、その業界・会社・ポジションに就きたいと考える理由を話すことを求められます。
自己紹介は、レジュメウォークと呼ばれることが多く、読んでその名の通り、レジュメを上から順番に歩いて降りるように説明してください、ということです。面接官からは、「Please walk me through your resume.」とか「Please tell me about yourself.」などと言われ、この第1ステージが始まります。
一通り説明すると、次には、「Why XX industry?」「Why YY companay?」「Why ZZ position?」と、なぜその業界・会社・ポジションに就きたいと考えているかを聞かれます。面接官に聞かれるがまま、一問一答で答えても間違いではないのですが、レジュメウォークにこれら全てを入れ込むことが効果的です。
その際、自分の過去の経歴全てが、このポジションに就きたいと考える現状につながっている、というシンプルなストーリーを作り上げるようにするのです。そうすることで面接官が聞きやすくなりますし、貴重な面接時間をこのような基本的な質問に割かずに済むからです。
Behavioral interview
一通りの自己紹介が終わると、Behavioral interviewと呼ばれる質問が始まります。これは例えば、「過去にあなたがリーダーシップを発揮した時のことを教えてください。」というように、候補者の過去の経験やとった行動について聞き込んでいくスタイルのものです。
リーダーシップ以外にも、チームワークを発揮した経験、困難を打開した経験、分析力を発揮した経験、などというように、そのポジションに必要なスキルを過去の実績と照らし合わせながら確認しようとするものです。
「Behavioral interview」とネット検索をすると、質問例が出てきますので、想定できるものは全て完璧に準備をしておきましょう。面接対策本を読んでもいいですし、どこの学校の就職課にも想定質問リストがあるはずですので、それも入手して準備することをオススメします。
繰り返しますが、このBehavioral interviewでは、どんな質問を聞かれても完璧に答えられるように準備をしてください。なぜなら、これは事前に準備ができるものなので、どの候補者も万全を期して準備をしてくるからです。少しでも言葉が詰まるようなことがあれば、結果は推して知るべし。ここはまだ勝負どころではありません。
とはいえ、面接中に頭がパーっと白くなってしまった経験はぼくにもたくさんありまして、なんとか編み出した隠し技を紹介します。
それは、インパクトの大きなストーリーを5~10個ほど用意し、何を聞かれても、それらから1つずつ取り出して答えていく、というもの。結局のところ、どんなビジネスであれどんなプロジェクトであれ、リーダーシップやチームワークのスキルは必要なわけですから、「かくかくしかじかのような逆境下ではありましたが、僕のXXスキルを使って、いくらいくらの結果を達成することが出来ました!!」というXXスキルには何を入れても話が通じちゃうわけです。しかも、自信たっぷりに言えばそれらしく聞こえます。
ですから、必殺ストーリーをいくつか用意して、どんな質問を聞かれても、そのうちのどれかを引っ張り出して使う、という練習をすると良いです。
Case interview
ほとんどの業界ではBehavioral interviewがメインとなりますが、コンサルティング業界などを受けるとCase interviewを課されます。簡易的な想定ビジネスケースを言い渡され、それに対する解決案を説明することをその場で求められるというものです。
例えば、あるブランドの売り上げが前年対比で落ち込んでいるが、それを改善するにはどうすれば良いか?など。
コンサルティング業界を目指し、ケースインタビューの練習に興味がある方は、「Case in Point: Complete Case Interview Preparation by Marc P. Cosentino」や「Case Interview Secrets: A Former McKinsey Interviewer Reveals How to Get Multiple Job Offers in Consulting by Victor Cheng」といった鉄板教科書を読むところから始めると良いでしょう。
ぼくの友人たちでコンサルティング業界を目指した人たちは、毎晩、自習室にこもり、お互いにケース問題を出し合って練習を重ねていました。
STARメソッド
さて、Behavioral interviewに戻りますが、答え方にもコツがありますので紹介します。それはSTARメソッドと呼ばれており、Situation (シチュエーション) 、Task (タスク) 、Action (アクション) 、Result (結果) の頭文字をまとめたものです。
聞かれた質問に対し、その時どのような状況にあったのか、組織の目標とその中での自分の役割、自分が実際にとった行動、それによる結果、という流れで答えるのです。もちろんハイライトは自分が実際にとった行動ですが、一連の流れにしてあげると面接官が聞きやすくなるのです。
この方法はアメリカでとても有名なので、むしろ少しでもこの流れから外れると、面接官が期待しているものとはずれてくるとすら考えた方が良いと思います。シンプルで便利ですので、使ってみてください。
簡潔な回答
回答は最長3分にしましょう。聞いている方にすると3分でも長く感じるので、むしろ2分以内を目指すくらいがちょうどいいと思います。
候補者が一方的に話すというよりも、聞かれた質問にはポイントだけを簡潔に回答し、深掘りされるようであれば求められた分のみをまた回答し、そうやってコミュニケーションが何度も自然に行き来する状態が理想です。
「今日はいろんな質問をすることで、候補者のあらゆる面を見せてもらうことが出来、募集要項にフィットする人物であることが十分に確認出来た。また、候補者も聞かれたことだけに的確に答えてくれ、充実したコミュニケーションを持つことに貢献してくれた。」と面接官に思ってもらいましょう。
熱意をアピール!
このように、聞かれた質問に的確に答えることがこの第1ステージをクリアする肝となりますが、アピールすることもお忘れなく!
たとえば、「なぜ我が社で働きたいのですか?」と聞かれる時に、ただ自分の希望を伝えるのではなく、「かくかくしかじかという強い思いがあり、御社を志望します。また実際に、御社のYYさんと話す中でも仕事のダイナミックさが伝わって来て、志望度は高まるばかりです!」と、これまで取り組んできたネットワーキングの努力を見せるなど、アピールを差し入れていきましょう。
面接官は、その候補者がHomework (宿題) をして来ているか?、つまりは業界・会社の研究を十分にして来ているか?ネットワーキングを通じて社風や業務内容も正しく理解しているか?という点を見ています。
ですので、むしろこちらの方からそういった宿題はしていることをアピールしてあげましょう。候補者が、何を聞かれてもそのような追加情報を少しずつ加えながら返して来るということが伝わると、面接官としては、「ああ、この候補者は就職活動というゲームの仕方を分かっていて、そのための準備はしっかりしてある。面接官である自分が聞きたいことも既に分かっているようだ。」ということが分かり、ニヤっとする表情を見せることがあります。
第2ステージのコツ
第1ステージをクリアすると、最後の第2ステージが始まります。まず面接官から、「たくさんの質問に答えてくれてありがとう。あなたのことがよく分かりました。」と御礼の言葉が述べられた後、「じゃあ、残り10分ほどで、あなたの方に何か質問があれば答えますので聞いてください。Do you have any questions?」と聞かれます。
いわゆる逆質問を聞かれたら、第2ステージ開始の合図です。ここが勝負どころです!
「最後に何でも質問をしていただいて結構ですよ。」と先方からふられるわけですが、この短時間のフリー演技でどれだけレベルの高いパフォーマンスを見せられるかが勝負の分かれ道。
ネットワーキングもレジュメもカバーレターもインタビューの第1ステージも、全ては前座に過ぎません。それらは事前準備がいくらでもできますし、候補者の全員が「出来て当たり前」のレベルで臨んでくるからです。
だからこそ、このインタビュー第2ステージが勝負どころであり、自分を輝かせ、「お、この候補者は一つ抜きん出ているな。」と思わせることが必要になります。
ここで面接官が見ていることは、(1)深いリサーチ力、(2)論理的思考能力、そして (3)熱意です。
ふさわしくない質問事例
まず、聞いてはいけない質問から。
- 「年間の有給休暇は何日ですか?」
- 「私はコンピューターはMac派なのですが、御社では何を使っていますか?」
分かりますよね?こういう仕事の本質とは関係のない質問をするような候補者には魅力を感じないということを。
もう少しつっこみましょう。
- 「御社の売上高はどれくらいですか?」
- 「御社は世界何カ国で事業を展開されていますか?」
どうでしょう?ちょっとはビジネスっぽい質問ですよね?でも、これもアウトです。その会社のホームページを見れば分かるようなことは、事前に調べておくべきであり、貴重な面接時間で聞くべきものではありません。
また、
- 「現在、御社の稼ぎ頭である事業・地域はどういったものですか?」
- 「ここ最近の大型M&A案件にはどのようなものがありますか?」
などと、より一層、それっぽい質問をしたところで、「 (そんなのアニュアルレポートに書いてありますけど。) 」と心の声で返されてしまうようなものもいただけません。
面接官が候補者に期待していること
面接官が候補者に期待していることを、ここでもう一度。
(1) 深いリサーチ力:ネット検索して分かることには全て目を通してあるはずだし、ネットワーキングを通じて社内の細かな事情も既にリサーチ済みであることを期待されています。
(2) 論理的思考能力:その上で、不確実な要素に対して論理的思考能力を用いて、取り組むべき課題を仮説立て、それを検証する能力を持っていることが求められる。それこそまさに組織のリーダーに求められること。
(3) 熱意:「もう、どうしてもこのポジションで働きたいんです!」という熱意を伝える必要があります。ただしそれは言葉で言うと「elephant in the roomのルール」に引っかかってしまうので、(1) と (2) を深いレベルで数多く準備していることでアピールにつなげます。
面接官ごとに質問内容をアレンジする
そして、面接官のバックグラウンドによっても、聞く質問内容を変えましょう。
たとえば、面接官が人事担当の場合に技術のことを聞いても困らせてしまうだけで、それがどんなに深く練りこまれた質問であっても、会話は盛り上がりません。そういう質問は、面接官が技術担当者の時にこそ聞くべきです。同じ質問を技術担当の面接官に聞けば、「おお〜、そこまで考えているのか!Good Question!!」と大喜びしてくれるというわけです。
ですから、面接官ごとに質問内容をアレンジしましょう。人事担当の方には人事関連の質問を、技術担当の方には技術関連の質問を準備して臨む必要があるということです。
質問例1
たとえば面接官がマーケティング担当の場合、こんな質問をすることが出来ます。
「御社は過去XX年間にわたって売上高が$YYから$ZZへと増えているように、年間成長率がAA%と業界ベンチマークを上回る成績を出しています。また、その成長と合わせてBB期連続増配も達成しており、株主への還元も同時に果たしています。」
→ リサーチ力をアピールする
「そこで質問ですが、持続的な成長を図るためには長期的な視点からの製品開発活動が必須である中、四半期毎に利益という短期的成功を株主から強い要求として求められことも容易に想像出来、それら相反する課題を一体どのようにバランスされ、意思決定をされているのでしょうか?」
→ 論理性をアピールする
これはまさに経営に関する内容で、とても難しいこと。そもそも、ここに正しい答えは存在しません。ただし、MBAホルダーには将来、経営職についてもらうことが期待されている中で、すでにこういったことまで思考が回っているということをアピールすることが有効になります。
質問例2
他にも、経営に関してこんな質問をすることができます。
こちらからの質問
「御社のようにXXカ国で事業を展開し売上のYY%は米国外から上がるような多国籍企業で、異なるバックグラウンドの人材をマネジメントしていくことは簡単でないと思います。また、貴方のようにMBA取得後ZZ年という比較的早いスピードでマネジメントポジションについていると、自分より経験年数が長く専門知識では長けている人材をリードする際に直面する課題も有ると思います。そういった状況下で成功し続けていく為に、人材マネジメントに於いて意識していることは何ですか?」
→ リサーチ力と論理性をアピールする
先方の回答
「自分はリーダーとして、バックグラウンドに関係なく、当人たちに出来るだけ権限を与え、それぞれの持ち場で自分のこととして仕事に取り組んでもらえるよう、心がけています。」
こちらからの返し
「なるほど、理解できます。私はビジネススクールでコーチングのプログラムを受講し、同級生や下級生の胸を借りて練習し、コーチングのスキルを磨いて来ました。コーチングにおいても、当人たちに主体性を持たせることが肝とされており、私がマネジメント職に就いた際には、そのスキルを発揮したいです。」
→ 熱意を前面に出して、ダメ押しでアピールする
この時、先方の回答というのは、事前に予想できるものです。多国籍企業のリーダーの仕事を想像すると、従業員一人一人の力をいかにして十二分に発揮させられるか、ということに日々注力しているであろう、ということが考えられます。
それに対して、ビジネススクールでコーチングの授業を取っていたとして、「私はマネジメントのポジションに立つ準備が出来ています!」というアピールをするために、逆算して組み立てた質問をしたというわけです。
これらはインタビューにおける自己アピールの一例に過ぎませんが、あなたの状況に合ったGood Questionsをひねり出してください。
ぼくの体験談:最終面接の相手は7人
ここで、ぼく自身の体験談を共有させていただきます。
オファーを頂いたある会社を受けていた時のこと。プロセスの一番最初はMBA生を30人ほど集めたグループディナーから始まりました。食事の合間に会社説明のプレゼンテーションがあり、目の前の食べ物の味も感じないまま、ぼくはメモを取りながら一生懸命に質問を考えました。「質問はありますか?」と聞かれると同時に手を挙げ、用意した質問を聞きました。手応えあり。
その後もその会社の社員とネットワーキングを続け、社内情報を色々と教えてもらいます。カスタマイズしたレジュメとカバーレターが無事に目に止まったようで、インタビューに呼ばれました。スクリーニングのインタビューが3ラウンド。それらを無事に通過し、最終面接ということで、オフィスに呼ばれたので飛行機に乗って行くことに。
最終面接は7人との1対1、合計7ラウンドとのこと。
それぞれの面接官の名前と肩書きを人事担当者にお願いして教えてもらい、全員のバックグラウンドを事前にネットで検索。インタビューの第2ステージ用として、それぞれに10個ずつの質問を用意しました。合計70個の質問をふところにたずさえて、いざ出発です。
移動前日に先方から連絡が有り、せっかくだから面接前夜に採用マネージャーと夕飯でも、と。もちろん返事は「はい、喜んで!」でしたが、内心は、「き、来た!!」でした。
そこから必死に「夕飯時に話すこと・聞くこと」を急いで準備。追加の質問も作りこみ、フライトの中でもずっとブツブツ言いながらシミュレーション。夕飯は結局3時間に及ぶ長丁場。もちろんここでも味なんて感じられませんでした。
翌日が本番で、朝から7ラウンドのスタート。へとへとになりながら迎えた最終ラウンドの面接官は前夜に夕飯を一緒に取った、採用マネージャーご本人。彼の口から出た言葉は、「ぼくはもう昨夜の夕飯時に色々と質問をさせてもらった。わざわざここまで来てくれた君に敬意を表して、この時間は全て、君が僕に質問をしていいよ!」とのこと。この言葉の意味は分かりますよね?ぼくの熱意を確かめるために、どれだけ質問をすることができるか、試しているわけです。
頭の中が真っ白になりながら最後の力を振り絞って質問を続け、時間いっぱいにて終了。帰宅してすぐに電話が入り、「Congratulations!! (おめでとう!) 」のメッセージを聞いた後、ベッドに倒れ込みました。
最終関門インタビューを突破するポイントまとめ
就職活動に必要なポイントと流れを確認しましたが、一連のプロセスを逆算をすると、次のようなことが分かります。
- オファーをもらうにはインタビューを成功させなければいけない。
- インタビューで成功するためには想定質問に完璧な準備をするのみならず、ネットワーキングを通じて得た情報を織り交ぜてアピールし、さらには面接官をうならせるような深い質問をしなければいけない。
- インタビューに呼ばれるためには、磨き上げられたレジュメとカバーレターが必要であり、その上、ネットワーキングで自分の名前を覚えてもらっていないといけない。
- ネットワーキングをする際、会社説明会で黙って座っているだけではダメだし、カンファレンスでも社員に積極的に話しかけていかなければいけない。
- 自分をアピールするためには、事前に業界や会社のリサーチをしっかりして、良い質問を数多く用意しておく必要がある。
というわけで、肝心なネットワーキングで社員にコンタクトをする前から、その会社についてくまなくリサーチを行い、練りこまれた質問を数多く用意しておかなければいけないのです。
「え、じゃあ、普通に話すだけとか、ダメなの!?」と思うことがあるかもしれません。
もちろん、普通に話すことも、全然アリです。ただし、その社員の頭の中には、「この候補者は違うな。」と瞬時にインプットされ、その情報がその先しばらく持ち越される可能性が有るというリスクをお忘れなく。
MBA就職活動のスケジュールと効果的な進め方
このように、アメリカでMBAを取得してから現地で就職するには、非常に長いプロセスをふむ必要があります。
そのプロセスをできるだけ効率的にするために、一般的なスケジュールと効率的な進め方を紹介します。
インターンシップとフルタイム
このように、アメリカでMBAを取得してから現地で就職するには、非常に長いプロセスをふむ必要があります。
そのプロセスをできるだけ効率的にするために、一般的なスケジュールと効率的な進め方を紹介します。
インターンシップとフルタイム
就職活動において企業が採用を行う形式として、2つのものがあります。1つはインターンシップであり、もう1つはフルタイムです。
インターンシップは日本でも広まってきているので皆さんご存知と思いますが、数週間から数カ月間にわたる短期就労のことです。フルタイムについては、通常の採用のことで、インターンシップと区別するために、full-time positionのことを、そう呼んでいます。
もちろん職を探す誰もがフルタイムのオファーをもらうことをゴールとして活動しますが、目当ての企業にインターンシップから入り込んで、その間に自分の実力をアピールし、フルタイムのオファーにつなげることが可能です。
そのため、アメリカの学校では、夏休みなどの長期休暇に入ると学生は必ずインターンシップを行います。そして、そのインターンシップを取る過程でまた、レジュメやインタビューなどのプロセスをくぐり抜けないといけないわけです。
つまり、まずはインターンシップを獲得するために就職活動をし、晴れてインターンシップを獲得出来、そこでの活躍が認められて企業からフルタイムオファーをもらえれば就職活動は終了。もしインターンシップをしてもフルタイムオファーをもらえなかったり、実際に働いてみたら自分のやりたいことではないことに気付いたりしたら、もう一度、フルタイムに向けて就職活動を再開する、というのが一般的な流れです。
たとえば、アメリカの2年制MBAプログラムの場合、スケジュールは概ね以下のように進みます。
1年目
- 9月入学〜年末まで:会社説明会や就職カンファレンスなどを通じてネットワーキング。
- 年明け1月:インターンシップ獲得に向け、レジュメを提出し始め、企業とのインタビューが始まる (1年目の年内は学校と企業との就職協定によってインタビューを行わないことになっているケースがほとんど) 。
- 5月まで:それぞれの企業とインタビューを続け、インターンシップのオファーが出そろう。
- 5月から8月の夏休み期間:それぞれのインターンシップ先で働く。
2年目
- 9月:学生たちがインターンシップから学校に戻って来る頃には、企業からフルタイムオファー有無の連絡が入る。
- 9月以降:インターンシップがフルタイムオファーに繋がらなかった学生は、翌5月に卒業するまでの間、目当ての企業からフルタイムオファーをもらえるまで就職活動を続ける。
- 5月以降:卒業時点でもオファーを持っていない学生は、その後も就職活動を続ける。
学生も企業もお互いに「お試し」が出来るという意味で、インターンシップの方がフルタイムに比べて獲得しやすいと言われていますが、どちらにせよ、レジュメやインタビューなど、同じようなプロセスを経る必要があります。
CPT・OPTとH1Bビザの申請ステップ
ぼくたち外国人がアメリカで働くためには就労ビザが必要ですが、前述の通り、留学生にはOPT (Optional Practical Training) という「働く権利」がついてきます。
OPTは卒業後に働く権利のことですが、インターンシップとして働く場合には、CPT (Curricular Practical Training) と呼ばれる、「学校の学びを深めるため、在学中に、実務経験を積む権利」が与えられます。CPTであればインターンシップが始まる前までに、OPTであれば卒業前までに、学校の就職課に相談して発行のサポートをしてもらいましょう。
このOPTですが、有効期限があります。それは通常12ヶ月間であり、これが切れる前に就労ビザ (H1B) を獲得しなければいけません。企業がビザ申請をすぐにしてくれれば問題はないのですが、この繋ぎのタイミングが複雑なので、念のためにモデルケースを書きます。
モデルケース
- 5月に卒業し、6月から勤務開始。OPTの有効期限は12ヶ月なので、翌年6月までにH1Bビザを獲得しなければアメリカで働き続けることが出来ない。
- ただし、H1Bビザが有効になるのは毎年10月1日以降であるため、6月から10月までの間にギャップ期間が出来てしまう。
- そこで、Cap-Gap Extensionという制度を利用する。文字どおり、OPTからH1Bまでのギャップ期間を埋めるものであり、その間の働く権利を保障してくれる。
- ただし、このCap-Gap Extensionは、OPTが切れる前までにスポンサー企業がH1Bビザの申請をしないと得ることが出来ない。よって、OPTを使って働き始めたら、すぐにスポンサー企業がH1Bビザの申請準備を進めなければいけない。
と、いうのがモデルケースですが、実はこのH1Bビザの申請をしてもらうまでがまた一苦労です。というのも、ぼくたちは企業に対して、「この人はビザをスポンサーするのに価値がある。」と思ってもらわないといけないからです。
フルタイムオファーを得てからいざ働き始めても、数ヶ月で見切りをつけられてはビザをスポンサーしてくれない可能性があります。アメリカ人ですら試用期間が有るのが通常ですから、仕方ないものです。
というわけで、ぼくの場合、勤務初日から必死になって働きました。まだ結果も出していない段階で「ビザ申請を進めてください!」と口に出すことも控えました。
代わりに、6月に働きはじめてから半年間かけて一つのプロジェクトを仕上げ、その成果報告を年末に実施。それをもってはじめて、上司と人事に対して正式に、ビザ申請を進めてもらえるようにお願いをしました。結果、「もちろん!」と合意をもらうことが出来ましたが、そこの順番はやはり大事であったと思います。
その後、年明け1月から会社お抱えの弁護士事務所との打ち合わせを進め、必要書類を揃え、無事3月末に申請に至りました。
H1B申請のステップ
H1Bの申請開始期間は決まっており、それは毎年4月の第1週となっています。ここ最近は申請数が増えており、受付開始後すぐに発行上限数に到達してしまうことを書きましたが、受付開始と同時に申請することが大事です。数日でも遅れたがゆえに受け付けが打ち切られ、受理してもらえなかった、だなんて笑えない話も現実にありますから、気をつけなければいけません。
ここでぼくの失敗談をひとつ。
実は3月末に僕がどこにいたかというと、仕事の関係でアジア諸国を周っていました。そろそろ3月末だな、という時、ぼくは念のために担当弁護士に対してメールを送りました。「そろそろ、受け付けが始まりますね。申請書類が必ず受け付け初日に届くよう、よろしくお願いします!アジア某所より。」と。
すると、1時間後にメールの返信が来ました。どれどれ、と、そのメールを開くと。
「大至急、アメリカ本国に戻って来てください!ビザ申請をする際、申請者が物理的にアメリカ国内にいなければいけません!」
一瞬、時が止まりました。。。やがて我にかえり、「ひぃぃ〜っっ!!!!」と思うものの、やることは決まっています。すぐに翌日のフライトを抑え、関係者に謝罪の連絡を入れ回り、調整を続け、生きた心地のしない時間が続きました。無事に申請日までにアメリカ国内に戻ることは出来ましたが、その後しばらく謝罪連絡と調整が続き、非常に気まずい思いをしたことは言うまでもありません。
申請をしてからのプロセスですが、受け付け開始後すぐに発行上限数を上回り、抽選が始まりました。ぼくは無事に抽選を通ることが出来、4月末に承認の連絡が入りました。H1Bビザが有効になるのは10月1日以降なのですが、それまではアメリカ国外に出ることが出来ません。海外出張ができずにフラストレーションのたまる日々を過ごしました。
10月1日にH1Bビザが有効になるのですが、これは正確に言うと、10月1日以降に母国のアメリカ大使館でビザ申請面接を受けることができる、という意味です。
つまり、正式にH1Bビザを獲得するためには母国、ぼくの場合は日本に戻り、アメリカ大使館でビザ申請面接を受け、無事に通過する必要があるのです。アメリカ大使館での面接はホームページから予約・申請できまして、面接日から1週間以内に、パスポートにビザがついて返ってきました。それをもって、アメリカに戻り、空港の入国審査でスタンプを押してもらい、晴れてH1Bビザホルダーとしてアメリカの地を踏み、オフィスに向かうことができました。
とても長いプロセスですが、ここまで来てようやく、H1Bビザという就労ビザを手にし、アメリカにおける就職活動が完了しました。
【まとめ】アメリカMBAから現地就職する方法
ここまで長い記事を読まれて、お疲れさまでした。
ぼく自身も先達の体験談やアドバイスを大いに参考にし、さらにその上に自分自身の経験と知恵を肉付けしたものが、本記事になります。
アメリカでMBAを卒業後に現地就職することは簡単なことではありませんが、本記事でまとめたことを行えば、高い確率で手に入れることができるはず。再現性の高い内容になっていると信じています。
アメリカMBAから現地就職を目指すあなたに、幸あれ。
Good luck!