【失敗しない車選び】アメリカ駐在を充実させるためのポイント3点
“新しくアメリカに海外駐在をすることになりました。車の購入が必要になるのですが、おすすめはありますか?”
こんにちは、テツです。このような質問に答えます。
まず、アメリカでの海外駐在が決まり、おめでとうございます!
期待と不安が入り混じった気持ちでしょうが、たくさんの新しい出会いと経験に恵まれますので、今のワクワクした気持ちを大切にして欲しいと願っています。
さて、アメリカ生活で欠かせないもののひとつが、車!
アメリカは「超」がつくほどの自動車大国で、車生活を前提とした暮らしを送ることを求められます。
ニューヨークのマンハッタンで勤務する場合を除くと、ほぼ100%、車が必要になります。
アメリカでの車の使い方は、日本でのイメージと全然異なりますので、事前に使い方のイメージをつかんでおくことが重要です。
日本で車に乗っていなかった人はもちろん、日本で車に乗っていた人にとっても、失敗しない車選びの参考になると思います。
本記事のポイント
・家族構成から車を選ぶ考え方
・コストパフォーマンスから車を選ぶポイント
・車を安く購入する方法
・【参考】ぼくが乗った車たち
ぼくは4年強のアメリカ駐在を皮切りに、その後もアメリカで留学や就職をして、結局10年間住んでいました。
その間、自分で所有する車だけでなく、社用車やレンタカーなど、さまざまな車に乗りました。
日本人駐在員の視点に加え、現地のアメリカ人の視点も含めて、失敗しない車選びのポイントを紹介します。
家族構成から車を選ぶ考え方
まず海外駐在生活で一番重要なこととして、「一人で行くのか?それとも家族帯同で行くのか?」というポイントを考えましょう。
これはつまり、「誰が、どういった用途で、その車を使うのか?」という視点で考えるということです。
20~30代の単身者
20~30代の単身者であれば、悩むことは多くありません。
せっかくのアメリカ駐在生活ですから、自分が乗りたい車に乗りましょう。
車のタイプによって特色がありますので、そういったポイントを考えて選ぶと良いでしょう。
セダン
可もなく不可もなく、といったところです。
使い勝手も普通で、特に友達からも羨ましがられることはなく、車でモテるといったこともありません。
燃費が良いので、アメリカ国内を車で旅行して回るには良き相棒となります。
スポーツカー
単身者はどうしても遊びに出かけることが増えると思います。
そんな時、スポーツカーに乗っていると、車好きの人たちから声をかけられることが多くなります。
自動車大国のアメリカには車好きの人たちが多く、「この車のエンジンは○○ホースパワー(馬力)だぜ!」「おおーっ!!」だなんて会話をスポーツカーを囲みながらしている姿をよく目にします。
また、所有する車が、その所有者の性格やライフスタイルを代弁することもあり、スポーツカーに乗っていると、そういった派手なイメージを持たれます。
ただし、後部座席など居住空間は狭い上に、燃費は悪く、トランクなどの収納効率も悪いです。
SUVやクロスオーバー
セダンの乗り心地や居住空間を保ちつつ、車高を上げて、多少の悪路でも走りやすいようにしたものが、SUVやクロスオーバーになります。
トランクも広々としていることが多く、長距離移動にも快適です。
セダンと同じ車体プラットフォームを使っていることがほとんどですが、サイズが大きくなりますので、ベースとなるセダンに比べると、燃費が悪化します。
それでもキャンプやハイキングに行く時に便利なため、アメリカでアウトドア趣味を楽しみたい方にはピッタリです。
家族帯同:夫婦のみで子供がいない場合
家族帯同であっても、夫婦2人のみで子供がいない場合は、単身者と同じように自分たちの好きな車に乗ると良いでしょう。
夫婦であれこれと一緒に話し合って決めた車には、特別な愛着がわくと思います。
その車に乗って、休みのたびにアメリカ中をドライブ旅行をすることを考えると、すごくワクワクしますね。
その車で、アメリカの50州すべてを回るなんてこともできるかもしれません。
ただこの際、1台だけではなく、必ず2台目も買うようにしましょう。
どちらかが働きに出かけている間に、もう一方も買い物やその他の用事に出かけるために車を使う必要があるからです。
1台は二人のお気に入りの車、もう1台は通勤や買い物用に燃費の良い小型車、なんて選び方が良いと思います。
家族帯同:子供がいる場合
家族帯同でも、子供がいる場合はよく考えて車を選ぶ必要があります。
当然、2台持ちが求められますが、1台は通勤用、もう1台は家族用となります。
通勤用はシンプルに燃費の良いものを選べば良いですが、家族用は大きいサイズの車を選びましょう。
ミニバン
まさにミニバンこそ、家族用の車として開発されたものです。
座席数が多いだけでなく、トランクなどの収納スペースが広々としています。
さらに、後部ドアがスライド式になっているため、子供の乗り降りが楽にできたり、後部座席天井部にテレビモニターをつけることで、長距離ドライブ中の子供のエンターテイメントになったりします。
つまり、子供がいる家庭のことを考えて、かゆいところに手が届く、さまざまなアイディアが盛り込まれているすぐれものです。
セダンに比べると燃費は悪化しますが、使い勝手は大きく勝ります。
SUVやクロスオーバー
家族持ちであっても、スタイルにも気を配りたいという方は、SUVやクロスオーバーを選ぶと良いでしょう。
車内の居住空間や収納スペース、そして燃費などは、ミニバンとほとんど変わりません。
ただ、ミニバンに比べて車高が高くなることを忘れてはいけません。
車高が高くなることで運転が楽になるメリットがある一方で、子供の乗り降りには苦労します。
とくに子供が小さいうちは、チャイルドシートに乗せる手間を考えたり、ベビーカーをトランクに収納することを考えたりすると、やはり車高の低いミニバンの方が使い勝手は良いでしょう。
コストパフォーマンスから車を選ぶ基準
駐在期間というと、3~5年といったところがほとんどです。
その限られた期間を最大限に楽しめる車を選びたい一方で、お財布事情も考えるべきポイントです。
コストパフォーマンスが良い車とは何か、説明します。
燃費
まず当然ながら、燃費が良いかどうか、必ずチェックしてください。
日本では「1リッター当たり○○キロ」という基準で燃費を確認しますが、アメリカの場合は、「1ガロン当たり○○マイル」という基準になります。
「1ガロン当たり○○マイル」を英語でいうと「mile per gallon」であり、略して「MPG」と呼ばれています。
「ガロン」や「マイル」という言葉が聞き慣れませんが、1ガロンは3.8リットル、1マイルは1.6キロメートルです。
それでも分かりにくいですが、「30MPG」あると燃費がよく、「20MPG」あればまあオッケー、「20MPG」を切ってくると燃費が悪い、というイメージです。
各自動車メーカーのウェブサイトを見ると、それぞれの車種の参考燃費MPGが書いてありますので、イメージがわくと思います。
ただ、実際の生活で使った時の燃費は、メーカー公表値よりも悪くなることがありますので、少し割り引いて考えておいた方が良いです。
再販価格・リセールバリュー
ほとんどの人にとって駐在期間は3~5年と有限ですから、売る時のことも考えておきましょう。
再販価格のことを、英語では「Resale Value リセールバリュー」と呼びます。
リセールバリューが高くつく車の特徴は、「売れ筋で台数が出ていること」「燃費が良いこと」「故障しにくいこと」などが挙げられます。
やはりどうしても中古車を買うとなると、燃費が良く、故障していないものを選びたくなりますよね?
そして、そもそも売れ筋で人気車種でないと、お客さんがつきにくいのです。
こうして考えると、実は「日本車」がこの特徴に当てはまってきます。
売れ筋で台数が出ているという基準も考えると、日本車のセダン、SUVやクロスオーバー、ミニバン、といったところがリセールバリューの高い対象になります。
もちろんこれはあくまでひとつの考え方でして、「帰国時に売れる値段なんて考えず、自分が乗りたい車に乗る!」という考え方でも大いに結構です。
ただ、日系自動車メーカーの無難な車を選んでおくと、「新車を約300万円で買ったのに、帰国時に売ったら約100万円で売れた!」なんてうれしいオマケがついてくることもあるということです。
車を安く購入する方法
さあ、お目当ての車が見つかったら、いよいよ購入する番です。
車は高い買い物ですから、できるだけ安く購入しましょう。
複数のディーラーで交渉する
アメリカではディーラーに車を買いに行くと、すでに在庫として並んでいる車から選ぶことになります。
スーパーマーケットのような買い方で、日本での「発注→納車」という買い方とは異なります。
この際、お目当ての車があるディーラーを複数回って、相見積もりをとるようにしましょう。
「複数のディーラーを回っていて、最安値を出してくれるところを選ぶ。」と伝えても問題ありません。
そうすると、それぞれがベストプライスを出してきますので、その中から選べるようになります。
中古車を買う
正規ディーラーであっても、中古車を置いてあるところがほとんどです。
メーカー保証がついたものも多いですので、新車にこだわらない人であれば、中古車を買ってお金を節約することもひとつです。
その際に気をつけて欲しいことは、必ず「Accident History アクシデントヒストリー」や「Damage History ダメージヒストリー」を求めてください。
もしあなたが気に入った車であっても、事故歴があるような車ですと、安全性に問題がある可能性がありますので、よくよく注意する必要があります。
場合によっては買わない方が良いものもありますので、注意してください。
中には事故歴があっても、車の重要機能に影響のない軽微なもので済んでいるものもあります。
そういったものであれば大丈夫でしょうし、むしろそれを価格交渉のネタに使うこともアリです。
いずれにせよ、重要欠陥がないかだけは、必ず確認してください。
帰任する駐在員から購入する
新車でも中古車でも、ディーラーから購入すると、どうしても販売手数料が乗って割高になります。
そこで、できるだけ安く買いたい!という人は、あなたの前任者など、まさに帰任しようとしている駐在員の方から購入することを考えてみてください。
これによって、ディーラーの手数料が乗らない、車の価格そのもので売買することが可能になります。
売買価格の基準についても、そこは自動車大国のアメリカ、世の中にあるほとんどの車種の基準価格を算出してくれるウェブサイトがあります。
Kelly Blue Book: https://www.kbb.com/
略して「KBB」と呼ばれていますが、メーカー名、モデル名、年式、走行距離などを入力すると、個人間で売買する際の推奨価格を出してくれますので参考にしてください。
なお、個人間で売買する際には、「Vehicle Title タイトル」と呼ばれる所有権の受け渡しをする必要があり、少し手間がかかります。
しかし、DMVと呼ばれるアメリカの陸運局に行けば、簡単に手続きを行うことができます。
craigslist (クレイグズリスト)から購入する
できるだけ安く、個人間で売買したいけれど、帰任する前任者の車は自分が求めているものと違う。
ローカルの人たちから直接買うことはできないかな?と考えたあなたは、craigslist (クレイグズリスト)をのぞいてみましょう。
craigslist: https://www.craigslist.org/about/sites#US
このウェブサイトからあなたの住んでいる都市を選択すると、そこでは個人間売買の掲示板が広がっています。
最近のウェブサイトにしてみてはずいぶんとシンプルで古いフォーマットに見えますが、これはあえてユーザーにとっての使いやすさを損なわないよう、昔のままのデザインにしているようです。(アメリカ人の誰もが知っている、超有名サイト)
ただこのcraigslist、中身は海千山千ですので、駐在して日が浅く、アメリカの文化を深く理解していないような人にはおすすめしません。
【参考】ぼくが乗った車たち
このように、単身か家族帯同か、新車か中古車かなど、考えるべきポイントはたくさんあります。
その中で、ぼくが実際に乗った車を紹介します。
社用車やレンタカーを含めると数が多すぎて紹介しきれませんので、自分でお金を払って所有していたものだけに絞ります。
【ピックアップトラック】トヨタ・タンドラ
渡米して初めて買った車は、トヨタの「タンドラ」と呼ばれるピックアップトラックでした。
「え、ピックアップトラックって上で説明されなかったよね?」と思ったかもしれませんが、なぜならそれは、ぼくがおすすめしないからです。。
「せっかくアメリカで暮らしていくのだから、一番アメリカンな車にしよう!」
「やっぱり、アメリカはデカくなけりゃ!」
と単純に考えて、購入したものです。
サイズが桁違いに大きいですから、購入価格も非常に高かったです。
エンジンはV8の5.7リッター!(普通の車は4気筒なので、2倍の大きさ)
パワーがすごいし、バスを運転しているようにスムーズだし、大好きな車でしたが、泣く泣く1年で手放すことに。
その理由は、激しく燃費が悪かったことでした。
ちょうどガソリン価格が上がっていた時でもありましたが、1ヶ月の通勤用のガソリン代だけで10万円弱が消えていきました。
同僚たちからは、「お前の車は、よくガソリンを飲む!」だなんて冷やかされていましたが、ぼく自身は笑えず、1年で売却することになったのです。
いくら気に入った車でも、身の丈以上の買い物はNGだと学びました。
【セダン】トヨタ・カムリ
ピックアップトラックをディーラーに持っていき、何か他の車と交換してくれるように交渉をはじめました。
しかし、相手もぼくの足元を見てきて、どんどんと価格を下げさせてきます。
ぼくは後がありませんから、先方の言いなり。身の丈を超える買い物は、本当に大失敗だと学んだ経験です。
そこで代わりに乗って帰ってきたのが、このトヨタ・カムリ。
セダンなんて面白くもなんともない車だとひねくれていましたが、ピックアップトラックに懲りたため、一番普通の車にしたのです。
本当に面白みの無い車でしたが、いやはや、1番の売れ筋である理由が分かりました。
実は、すごく使いやすかったです。
燃費も悪くないですし、車体が安定しているため、長距離運転をしても全然疲れない。
友達を乗せても問題ないですし、本当によくできた車だと思いました。
それまでセダンをオジサンっぽいと食わず嫌いしていましたが、これは非常に良い車でした。
【オープンカー】フォルクスワーゲン・ビートル
次に縁があったのが、フォルクスワーゲンのビートルです。
しかもオープンカー!
知り合いから直接譲ってもらったもので、手ごろな価格で手に入れることができました。
見ての通り、運転しやすいサイズで風を感じて走ることもでき、楽しい車でした。
しかし、いくら遊びの要素を取り入れたとはいえ、トヨタ・カムリの後では使い勝手が悪すぎました。
トランクは狭いし、後部座席に大人の男性が座るのは困難。
しかも、よく壊れました。
特に電気系統。窓が動かなくなること、しばしば。
加えて、シャーシの下のエキゾーストパイプが外れて落ち、爆音と共に真っ黒な煙を上げたことも。
故障するたびに修理費がかかるので、売却を決定。
【SUV】ホンダ・CR-V
アメリカ生活の最後に乗っていたのが、ホンダ・CR-Vです。
ビートルの故障の多さに懲りて、やはり品質の良い日本車に戻ろうと考えたのです。
加えて、ちょうど日本に帰国するという友人が譲ってくれるということだったので、こちらも格安で買わせてもらいました。
セダンに比べて車高が高く運転しやすいこと、トランクルームが広々していることなど、とても使い勝手が良かったです。
ベースは小型セダンですので燃費が良いことも好印象でした。
アメ車に乗らなかった理由
こうして振り返ると、日本車とドイツ車だけでして、アメ車には乗りませんでした。
というのも、やはりアメ車には品質を期待できなかったからです。
車は命を預かるもの。
そして、アメリカの大地は広く、気候は厳しく、いざという時に信頼できる車に乗りたかったのです。
灼熱の砂漠でエンストしている車はアメ車でした。
ブリザードのような吹雪の中でスタックしている車も、アメ車でした。
(アメリカ系自動車メーカーで働いている方、ごめんなさい。)
そういった姿を見ると、どうしてもアメリカでアメ車に乗る勇気が出なかったのです。
【まとめ】アメリカ駐在で失敗しない車選びのポイント3点
本記事では、アメリカ駐在で失敗しない車選びのポイント3点を紹介しました。
家族構成からの視点、コストパフォーマンスからの視点、そして安く購入する方法まで、参考になれば幸いです。
どれが正解というわけではないので、あなたが納得のいく車選びができることを願っています。
せっかくのアメリカ生活ですから、普段の生活や旅行などが2倍も3倍も充実するよう、お気に入りの相棒を見つけてくださいね。
楽しいアメリカ駐在は、気づくとあっという間に終わってしまいます。その限られた期間をできるだけ充実させるためには、やはり英語を上達させたいところ。そんな方には、ESLがおすすめです。
なかなか英語が上達せずに悩んでいる人は、ぜひ外に出てナマの英語を使う機会を増やしてみてください。アメリカ文化も奥が深く、いろんな楽しいことがありますよ!