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海外MBAの価値と得られること【アメリカTop20体験談あり】

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“海外MBAに興味があります。ただ、海外MBAは価値があるとかないとか、いろんな話を聞いて混乱しているので、実際に経験した人から海外MBAの価値について聞かせてほしいです。”

こういった疑問に答えます。

海外MBAに興味があるけれど、本当に行く価値があるかと悩む気持ち、よく分かります。しかも授業料や費やす時間など、相当な投資とコミットメントが求められるものですので、悩むことは当然だと思います。

この記事ではそんな疑問に答えられるよう、海外MBAの価値や実際にどのようなことを得られるのか、体験談をまじえて紹介します。

 

本記事のポイント

・海外MBAの価値と得られること

・【体験談】実際に海外MBA留学して得られた価値

・あなたにとって価値があるか判断するヒント

実はこの「海外MBAには価値があるか?ないか?」論争は、今に始まった話ではありません。10年前どころか20年前、そして30年前にだって存在した議論です。

いまだに続いているものということは、そこに正解も不正解もないということ。つまり、その判断は個々人がしなければならないのです。

ぼく自身はアメリカのTop20とよばれるMBA のひとつに通い、価値があったと感じています。

もちろん過去にもどって選択を変えることはできませんが、それでも今の外資系経営職というキャリアは海外MBAなくしてあり得なかったということは明らかです。海外MBAに行っていなかったら、このタイミングで経営を経験することなど実現しなかったでしょう。

あなたが海外MBAに価値があるかどうかの判断をするためにも、本記事で紹介する情報を参考にしていただければうれしく思います。

 

海外MBAの価値と得られること

海外MBAの価値や得られることは多岐にわたり、さまざまなことが挙げられます。

ビジネス知識やスキル

MBAでは「ハードスキル」と呼ばれることが多いですが、ファイナンスや会計などといった、すぐに自分の武器となるようなビジネス知識やスキルを学ぶことができます。他にも、マーケティングでもオペレーションでも、フワフワとした議論だけではなく、実際のビジネスに応用できるようなフレームワーク、思考プロセス、課題解決方法を学べます。

たとえそれが組織論のような、不確実に見える人間の行動に関することであっても、一定のロジックを持ち込むところがMBAなので、ひと通り、古今東西のベストプラクティスを効率的に学ぶ環境がととのっているというわけです。

さらに、MBAで学んだビジネス知識やスキルを実際のビジネスに活用して学びを深める機会も充実しています。そのひとつがコンサルティングプロジェクトです。

これは学校や教授たちがもっている企業とのネットワークを駆使し、実際に学生たちがチームを組んで企業に対して課題解決のコンサルティングを行います。課題は実際にそれらの企業が直面しているものですし、期間は数週間から数ヶ月間にわたって行われ、実践的です。

ぼくが通ったアメリカのビジネススクールでは、アメリカ国内企業がクライアントのほとんどでしたが、アメリカ国内ビジネスはもちろん、それらアメリカ企業がグローバル展開する際に課題となるようなことを解決するものもありました。そこで活躍した学生は、卒業後もそこの企業で働いてほしいとオファーをもらうことだってあり得ます。

また、企業コンサルティングだけでなく、地域コミュニティに対して、ボランティア団体と一緒に、ビジネスという観点から実地訓練をする機会が山ほど提供されており、それらを通じてビジネス知識やスキルがさまざまな角度から身についていく仕組みがあります

リーダーシップやコミュニケーションスキル

「ハードスキル」と対比して「ソフトスキル」と呼ばれるものに、リーダーシップやコミュニケーションスキルなどが挙げられます。ビジネスリーダーを育成することが海外MBAの役割ですが、ビジネスリーダーには知識やスキルだけでなく、それらを活用してチームメンバーたちを率いることも必要になります。そのときに求められるのが、リーダーシップやコミュニケーションスキルです。

リーダーシップをきたえるとはどういうことか?と感じることがあるかもしれませんが、海外MBAにはさまざまな仕掛けがあります。

たとえば、自分自身を見つめなおすようなツールや、教授やクラスメートたちからフィードバックをもらう機会など。そしてなんといっても、授業や課外活動などがやりきれないほどある中で、「あなたのリーダーシップを見せてください!」と毎日毎日、問いかけられます。

「議論をリードしてください!」「チームプロジェクトをリードしてください!」「このイベントをリードしてください!」「この難しい決断を、あなたがくだしてください!」「あなたの意見を聞かせてください!」などと、次から次にせまってくる課題に対して、「リードするのはあなたです!」と求められるものですから、いやでも「私はこうしたい!」「みんなでこの方向に進もう!」と自分らしくリードする姿勢が身についていきます。

いわゆる「指示待ち」と呼ばれる姿勢とは真逆のものを1年から2年間にわたって、毎日毎日求められ続けると、誰しも自分らしいリーダーシップを発揮できるようになっていきます

勉強会などのイベントを企画実行することがあれば、100人以上の前でプレゼンテーションをする機会もあり、課題やチャレンジを乗り越えていると、卒業するころには自信にあふれるリーダーシップを発揮できるようになっています。こういったことは一人ではなかなか身につかないものですが、クラスメートたちと一緒に切磋琢磨することが効果的です。

キャリアアップの機会

海外MBAには全世界から人が集まってきますが、それらの人たちのほぼすべてに共通した目標があります。それは、MBAを卒業後に「キャリアアップ」したいということ。さらに言ってしまえば、キャリアップこそがMBAの最大にして唯一の目的であり、学校で提供されるすべてのプログラムがそのキャリアアップという目的を中心に組まれています。1年から2年というMBAへ投資をすることで、卒業後のより高い給料であったり、より自分が好きな仕事につくことを目指します。

たとえばアメリカでMBAに通うと、アメリカ中の名だたる企業たちが学生たちを採用しようと、リクルーティング活動をしに学校にやってきます。ほぼ毎日、どこかしかの企業が学校に来ては、会社説明会をもよおし、学生たちの興味を引こうと必死です。日本にも「青田刈り」だなんて言葉がありますが、それが海外MBAでも行われています。

MBA卒業後にキャリアアップを図りたい学生たちと、将来の幹部候補として優秀な人材を採用したい企業たちとが出会うマッチングの場として、MBAが機能しています。実際にどのビジネススクールも、「私たちの学生は素晴らしい授業やプログラムを受講しており、採用したい企業はお声がけください!」と積極的に売り出しています。企業からしても、即戦力としてリーダーシップを発揮できるような教育が施されていることが、MBA生を採用することの魅力となっています。

このように、海外MBAを通じて給料アップや希望の仕事につくことを希望する学生たち来る場所が海外MBAであり、そのキャリアアップのための機会がふんだんに提供されています。

人脈とネットワーク

海外MBAでは卒業直後のキャリアアップだけでなく、卒業しても半永久的につづく人脈とネットワークも提供してくれます。

幹部候補としてさまざまな企業に散らばる卒業生たちですが、何年かすると決定権をもって活躍するようになります。すると、学生時代の人脈やネットワークを活かし、ビジネスを紹介し合ったり、コラボレーションをしたりできるようになります。もちろん、同じ学校の先輩が後輩を引き抜いて一緒にビジネスをやるなんてこともめずらしくありません。

現役生たちが、自分自身の就職活動のために同じ学校の先輩たちを頼ることも推奨されており、あらゆる業界に広がる人脈やネットワークの恩恵にあずかることができるようになります。

海外経験と異文化理解

日本から海外にMBAを取得しにいくと、それ自体が海外経験や異文化理解につながる糧となりますが、学校側もさまざまな環境やプログラムを用意してくれています。

まず、クラスメートたちのバックグラウンドの多様性が挙げられます。世界中から広く学生を集めており、学校に通うだけで世界一周旅行をしたかのような感覚を得られるくらいです。アメリカの学校であれば、アメリカ人がマジョリティであることは当然ですが、中国やインドといった経済大国のみならず、ヨーロッパ諸国から、中南米から、そしてアフリカなどからも学生が集まります。そういったクラスメートたちからの学びが豊かであることはいうまでもありません。

また、国際経験豊かな教授の先導のもと、ビジネス機会の豊富な海外諸国に研修に行くようなプログラムも多く用意されていることがあります。クラスメートたちと数週間にわたって海外滞在し、現地企業を訪問しながらディスカッションを行う経験はプライスレスで、非常に多くのことを学ぶ機会となります。

他にも、インターンシップを海外で行うことも可能ですし、先に述べたコンサルティングプロジェクトにたずさわることもできます。学校によっては海外提携校と交換留学をしているところもありますので、他ような海外経験を積みたい方にとっては活用しない手はないでしょう。

生きたビジネス英語

以上が一般的な海外MBAの価値ですが、日本人にとってはそれ以外にも得られることがあります。それは、「生きたビジネス英語」を学べることです。

もちろん日本国内にいても英語を勉強することは可能です。英会話教室やオンライン英会話でローカル教師から直に教えてもらうこともできます。しかし、です。そういった英語教師たちは英語の先生であり、ビジネスのプロであるとは限りません。あなたはこれから英語でビジネスをしようとしているわけですから、やはり本物の生きたビジネス英語を学ぶためには、それにふさわしい環境に身をおいた方が効果的です。

ビジネス英語は世界中どこでも使われている便利なツールで、それが身につくと仕事の幅が一回りも二回りも広がります。海外MBAではビジネスの知識やスキルを、実際にビジネス現場で使われている英語を使って学びますので、をれを身につけることができれば、あなたの活躍するステージを一気にグローバルへと進めることが可能になります

家族との経験

ビジネス知識やスキルを身につけ、キャリアアップを目指すことが海外MBAを目指す主目的といえますが、中には少しまとまった時間をとって家族と一緒に海外で暮らすことを海外MBAの目的のひとつにすえている方もいるかもしれません。

単身ではなく、パートナーと一緒に、そしてお子さんと一緒に留学する方も少なくなく、家族でかけがえのない時間を過ごすことが可能になります。アメリカやヨーロッパなど、留学先で出産をすることもめずらしくなく、そういった形でお子さんに将来の選択肢を増やしてあげる方も実際にいます。また、長期休暇の際には世界中を旅行することが可能で、勉学やキャリアの観点からは外れるものの、そういった家族で一緒に海外経験をすることが人生を豊かにしてくれるものであることも見逃せません。

 

 

【体験談】実際に海外MBA留学して得られた価値

このように、海外MBAにはさまざまな価値があり、得られるものは山ほどあります。その中、ぼく自身がどのような価値を得ることができたか、体験談をまじえて紹介します。

キャリアアップ

まず、ぼく自身がMBA卒業後にアメリカ現地の大企業に幹部候補として入社することができたことが挙げられます。これは、日本から直接ねらったところでほぼ不可能ですし、アメリカ人にとってもMBAに進まないと開かれない門戸です。アメリカの多国籍企業に入るためには海外MBA留学が非常に有効であることの証となります。そして今では外資系企業の経営にたずさわっていますが、海外MBAに進んでいなかったら実現しなかったでしょう。

リーダーシップ

MBAの日々では、もう嫌というほどに「あなたはどうしたいの?」「あなたのリーダーシップとは何?」「あなたはどうリードするの?」と問い続けられたため、自然と自分らしいリーダーシップの形というものが身につきました

すると、卒業後に勤めたアメリカ現地企業でも、職場に日本人一人ながら、「ああしよう!こうしよう!」と、同僚たちを率いてプロジェクトを前に進めることができました。また、力強さだけでなく、共感を示したり気配りをしたりするなど、まさにMBAで学んだ数々のソフトスキルを実践する結果となりました。

海外経験と異文化理解

ぼくの通ったノースカロライナ大学MBAでは、毎年3つから4つの海外地域が選択され、学生たちで現地企業を訪問するプログラムがありました。ぼくはそのプログラムを通じてインドとドバイを訪れました。まさに、百聞は一見にしかずで、現地で得られる経験は素晴らしいものでした。

現地企業を訪問し、それぞれの幹部社員たちと直接ディスカッションする機会もいただき、現地のナマの情報だけでなく、リーダーたちの情熱あふれる金言の数々に触れたことが、卒業して何年も経った今でも印象強く残っており、自分自身のリーダーシップの指針にもつながっています。

 

 

あなたにとって価値があるか判断するヒント

海外MBAにはさまざまな価値があり、得られるものも数知れませんが、あなたにとって価値があるかはしっかりと判断をする必要があります

海外MBAに対する反論

海外MBAを検討し始めると、必ず反論が聞こえて来るものです。それは、「MBAをもっている人を身近に知っているが、そこまで仕事ができない。」だとか、「投資費用や時間に対して、得られるものが限られており、コスパがよくない。」などが含まれます。

それらが間違っているとは言いませんが、仕事ができるかどうかも、コスパが良いかどうかも、その基準や判断軸は人それぞれです。ですから、それらの反論は正解かもしれませんが不正解かもしれません。ましてや、仮にそのようにコメントしている人が海外MBAを経験していない場合、あまり参考になりません。

それらのアドバイスは受け止めつつも、あなたにとっての価値、あなたにとって得られるものな何なのか、しっかりと考えた上で判断をするようにしてください。つまり、海外MBAに価値があるかどうかという点は、あなたにしか判断できないということです。

MBAの後に何がしたいかを考えよう

あなたにとっての価値や得られるものを考える際に、非常に重要な視点があります。それは、「海外MBAをとって何をしたいか?」です。

本記事で説明しているように、海外MBAとはキャリアアップを果たしたり、人脈やネットワークを広げたりするためのものです。

たとえばあなたが「アメリカの多国籍企業に幹部候補として入社して活躍したい!」と考えるならば、アメリカでMBAをとることは強く勧められます。それが「日本国内の外資系企業でキャリアアップしたい」というものでもアリでしょう。反対に、「とくに卒業後の目標は無いけれど、何となく海外MBAかなぁ」くらいですと、小さくない投資ですのでもっと真剣に考えた方が良いでしょう。

海外MBAが提供する価値はたくさんありますが、それらを活かせるかどうかは、あなたの卒業後の進路次第になるというわけです。ですから、「海外MBAをとって何をしたいか?」という点について整理をすることが非常に大切になります。現に、どこのビジネススクールでも受験の時に、「あなたがMBAをとって何をしたいか、聞かせてください。」ということを聞かれます。ここでしっかりと答えられない人は、そもそもMBAにすら行くことができないようになっています。

 

【まとめ】海外MBAの価値と得られること

本記事では海外MBAの価値とそこで得られることについて紹介しました。海外MBAの主目的はキャリアアップで、それを果たすためのビジネス知識やスキル、そしてリーダーシップや人脈ネットワークを手に入れることが可能です。

それらに価値を見出すかどうかは、あなた次第です。あなた自身にとって最適な決断ができるよう、本記事の情報を参考にしていただければうれしいです。

 

https://onboard-career.com/why-mba-reasons/

https://onboard-career.com/job-search-us-mba/

 

ブログを引っ越しました。→https://presence-japan.com/blog/

現在、プレゼンスジャパン株式会社としてエグゼクティブコーチングを提供しています。

プロフィール
西原哲夫
西原哲夫
経営アドバイザー | エグゼクティブコーチ
慶應→住友電工→アメリカ駐在(25歳)→ノースカロライナ大MBA(30歳)→エマソン米国本社幹部候補(32歳)→日本エマソンGM(35歳)→ユーピーエス社長(39歳)→経営アドバイザー兼コーチ(今) | 2児の父親|アメリカ在住10年|表千家茶道学習者
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