MBAから海外就職後の実態。不安を乗り越え成功する方法5つ
“ようやく苦労してMBAを卒業して海外就職も果たしたけれども、正直、仕事がつらい!こんなに大変なものなの?なにかアドバイスが欲しいよ。。”
こういった声に答えます。
晴れてMBA・ビジネススクールを卒業し、長い間あこがれていた海外就職を果たしたあなた。
意気揚々と職場に行きはじめたは良いけれども、実ビジネスがMBAで学んだ通りに進むかというと、それほど単純なものではありません。
さっそく自信を無くすような状況にもなりかねませんが、そんな時に思い出して欲しいことを紹介します。
本記事のポイント
・何はなくとも、チームメンバーたちと信頼関係を築くことが大切
・スピード感をもって、小さな成功を積み重ねよう
・MBAを乗り越えたあなたなら大丈夫、自信を思い出して
ぼく自身もMBAを経てアメリカで働きはじめてしばらくは、毎日大変な思いをしていました。
しかし、メンターたちからアドバイスをもらうことで、勇気づけられ、少しずつ自分の成功パターンをつかんでいくことができました。
MBAから海外就職後の実態。不安を乗り越え成功する方法5つ
実ビジネスは、MBAで学んだことがそのまま通じるほど単純なものではありません。
特に海外就職をすると、日本で働いていた時とは異なるビジネス環境ですから、余計に面食らってしまうことでしょう。
しかし、MBAを乗り越えたあなたなら大丈夫、自信を思い出して。
以下、不安を乗り越え成功する方法5つです。
・チームメンバーたちとの信頼関係構築
・自分が貢献できることはないか、探して実行する
・会議や打ち合わせには十分に準備して臨む
・スピード感をもって学ぶ
・小さな成功を積み重ねる
チームメンバーたちとの信頼関係構築
いうまでもなく、ビジネスはチームスポーツですので、チームワークが大切です。
チームワークなくして、良い仕事などできません。
そのため、まずは上司や同僚たちとの信頼関係を深める努力をしましょう。
上司に対しては、自ら定期レポートを行います。日本でいうところの報・連・相です。最低でも週に1回は行いましょう。その日時を設定するのも、自分で行ってください。
これをやることで、上司からの信頼を得ることができます。
次に同僚に対しては、1on1を設定しましょう。
そこでは仕事の話はもちろん、仕事以外の話もしてお互いの理解を深めましょう。
特にポイントは、相手のことをよく聴いて知ることです。
相手のこれまでのキャリア、それから趣味や家族構成など、自然に聞き出しましょう。それらは忘れないようにメモしておいてください。次に話すタイミングで、それが良い話題になりますから。
こうすることによって、同僚たちも胸襟を開き、信頼してくれるようになるでしょう。
自分が貢献できることはないか、探して実行する
たとえあこがれて入った会社であっても、ビジネスの課題は山ほどあるはずです。
自分の強みや経験を活かして貢献できることはないか、よく探して実行しましょう。
たとえそれが、チームのための共有フォルダを作ることや、業界トレンドをまとめて共有してあげることなど、どんなことでも構いません。
みんなが必要としているけれど、なかなか手が回っていないようなことがあるはずですので、それを探してやってあげるのです。
すると、上司や同僚から感謝され、いろいろなことがうまく回ります。
チームのために積極的に貢献することは、MBAの基本でしたね?それを実ビジネスでも継続しましょう。
会議や打ち合わせには十分に準備して臨む
こちらも当たり前ですが、会議や打ち合わせには、十分に準備をして臨みましょう。
会議中に発言しないことは論外で、あなたの発言や意見がチームの意思決定に貢献し、その成否を決めます。
最初のうちは、はじめて聞くような案件ばかりで戸惑うかもしれませんが、翌日・翌週のスケジュールをよく確認し、十分に準備をして望んでください。
ぼくはこのため、最初のころは家に帰ってもずっとコンピュータを開いて会議の準備をしていました。
チームミーティングの前によく準備をして考えをまとめておくということは、これもMBA生活と同じですね?
スピード感をもって学ぶ
新しい業務は、スピード感を発揮して学びましょう。
英語で、Learning Agility (ラーニング アジリティ)と呼ばれますが、新しい情報や課題を次から次に学んでいくことは、ビジネスリーダーの基本姿勢です。
これもMBAの時と同じです。
なお、重要なポイントですが、分からないことは遠慮せず、どんどんと質問して聞いてください。
分からないことを分からないまま放っておくと、いつまで経っても業務に慣れないどころか、チームに貢献もできなくなります。
むしろ、積極的に質問することは能動的で素晴らしい!と見られますので、遠慮なく。
少なくともぼくが働いてきた環境はそうでした。
小さな成功を積み重ねる
小さな成功を積み重ねましょう。
Small Win (スモール ウィン)とか、Quick Wing (クイック ウィン)などと呼ばれます。
最初のうちは、みんなをあっと驚かせようと意気込む必要はありません。
それよりも、「お、この新しい人は、コツコツとチームに貢献してくれる。」と信頼してもらうことの方が、よほど重要です。
ですから、小さな改善機会を見つけては素早く取り組み、その数を積み上げていくことを意識してください。
やるべきことはMBA在学中と同じ基本的なこと
こうして5つを紹介しましたが、MBAで学んだこと、そして実践したことと、基本的に同じことです。
MBAで学んだ知識やスキルがそのまま活かせなかったとしても、MBAで身につけたチームワークやリーダーシップといった働き方は、そのまま実ビジネスでも活かせます。
あなたはそれらをやってきたわけですから、自信をもって取り組みましょう。
MBAを卒業しても海外就職の現場では、苦労が絶えない実例
最後に、海外就職の現場の実例を紹介します。MBAを出たところで、みんな苦労をしています。
ぼくのところに相談が入った
ぼくの母校であるビジネススクールをつい2ヶ月前に卒業した後輩から、相談に乗って欲しいと連絡が入りました。
ぼくは卒業してしばらく経つから、この後輩とは直接の面識がありません。
どうやら別の後輩から、「彼も苦労したみたいだから、連絡して相談してみろ。」と言われたとのこと。
普段、在校生から就職活動についての相談を受けることはありますが、今回はすでに卒業しているといいます。珍しいなと思いつつ、電話を受けました。
アメリカで働き続けていけるか、不安
相談内容を一言でいうと、「アメリカで職を見つけて働きはじめたが、この先ちゃんとやっていけるかどうか、かなり不安になっている。」とのことでした。
世間では高い評価を受けていて、あたかも万能のように見られるMBAも、実態は、不安やプレッシャーと向き合う毎日です。
特に、現実社会は教科書やケースに書かれている内容よりもずっと複雑で、MBAでつちかった経験やスキルを活かすも殺すも、自分次第。
この後輩、日本人ではないのですが、アメリカ国外からの留学生で、なんとかアメリカのビジネス社会で活躍しようとしており、ぼくと同じ境遇です。
母国では一流大学を出て、一流企業に勤め、意気揚々と留学に来たとのこと。
思いの外に厳しかった就職活動でも卒業間際に結果を出すことができました。
そして今、新しい職場で働きはじめて、ちょうど10日が経過したところだと言います。
すっかり自信をなくして疲れた声
向こうの声は、すっかり自信をなくして疲れていました。
自分はもう、どうしたらいいか分からない。今の職場で、自分は全然、使えないんだ。まず、自分の英語はまったくもってレベルが低い。同僚のほぼ全員がアメリカ人なのだが、彼ら彼女らの言葉が早すぎたり聞きなれない言い回しを使われていたりで、ほとんど理解ができない。きっと、自分の英語も聞き取りにくいと思われているに違いない。英語をしゃべるだけで気後れする。
他にも理由があって、今の仕事は、これまで経験したことと畑違いで、みんなが何を話しているのか、サッパリ分からないんだよ。会議でも何も発言できないし、後から上司に報告を求められても、議論された内容を理解できていないから、報告することもできない。それでいて、職場の色んな人達から、次から次に会議に呼ばれるし、頭の中はパニックだ。
しかも都合が悪いことに、自分はマネージャー職だから、部下を2人つけてもらっているんだけど、その部下たちの方が経験年数が多いし、仕事の内容もずっと分かっている。指示や決断を求められても、自分は全然分からないから、自分の上司に聞きに行くことしかできない。しまいには、自分を通り越して、部下が自分の上司へ直接、決断を仰ぎに行ってしまうんだ。議論をしていても、部下たちの方がよほど分かっているから、まるで自分の方が部下かのような気持ちになってくるんだ。格好悪いったら、ありゃしない!
自分にはこんなハイレベルな仕事は無理だったのかもしれない。自分は一体、どうしたらいいんだ!?
このようにとうとうと語る後輩の声は、今にも泣き出しそうな様子でした。
ようやくここまで来たのに、これまで経験したことのないような壁に突き当たり、ただただ、自分をちっぽけなものに感じ、無力感で押しつぶされそうになっていることが伝わってきました。
そんな彼の背中を支えてあげられるよう、上で紹介した5つのことをアドバイスしました。
これらは、過去にぼくがメンターたちからいただいたものばかりです。どれも自分のことを助けてくれました。
あなたの支えにもなりますように。