トレードオフの考え方で意思決定を早くする【リーダーシップ】
こんにちは、てつです。
あなたはトレードオフという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
このトレードオフという考え方を身に付けると、意思決定が早くなりますし、ポイントを押さえて決断をすることができるようになります。
トレードオフとは
トレードオフとはわかりやすく言うと、日本語でいうところの、「あちらを立てればこちらが立たない、こちらを立てればあちらが立たない」というものです。
要するに選択肢のそれぞれが相反するため、どちらか1つしか選べない状況のことです。
たとえば、耐久性を上げるために頑丈に作られた車はその分重量が重たくなって燃費が悪くなりますが、逆に燃費を上げようとすると重量を軽くすることが必要で耐久性が犠牲にされてしまう、といったようなものです。
ビジネスではいたるところで右か左かの決断が必要になりますが、判断を下すことが難しい場合は大抵どちらの選択肢も正しいものです。そしてそういったケースをよく見ると、たいていトレードオフの関係にあり、どちらか一方を選択することを難しくさせているのです。
その際、それぞれの選択肢がトレードオフの関係にあるということを理解すれば、誰にとってもその決断が難しいものであると割り切ることもできますし、判断がしやすくなるようになります。
なぜならトレードオフとは、選択肢のすべてを両立させることがそもそも不可能であるからです。
僕がマーケティングで学んだトレードオフ
僕が最初にトレードオフの考え方を学んだのは、マーケティングの仕事をしていた時でした。
具体的には、新製品の開発をしていたのですが、そこでは3つのポイントを考える必要がありました。
1つ目は、できるだけ多くの機能を盛り込みたいということ。2つ目は、自分たちの開発能力に限りがあるということ。そして3つ目は、その新製品をできるだけ早く市場に投入をしなければならないということ。
これら3つはトレードオフの関係にありました。
どういうことかというと、できるだけ多くの機能を盛り込みたいものの、それらすべてを自分たちで開発できるとは限りません。自分たちの能力の中でできる機能に制限をする決断をしなければならなかったことがまず1つ挙げられます。
また、できるだけ多くの機能を盛り込むために時間をかけて開発していれば良いかというと、それも許されたものではありませんでした。できるだけ早く市場に投入をしなければならなかったので、そういった面からもどれだけの機能を盛り込めるかが制限されたのです。
さらに、開発に携わるエンジニアたちのリソースも限られていましたが、時間をかければいいというわけではなく、競合他社に先駆けて新製品を市場に投入しなければなりませんでした。
このように、スピード感を持って、現実的に自分たちの開発リソースで作ることができ、それでいて顧客に受け入れてもらえるほどの機能を盛り込んだ製品とはどういったものであるかという3点がトレードオフの関係にあることを認め、その上で決断を下す必要があったのです。
トレードオフの考え方で意思決定を早くする
このトレードオフという考え方を身に付けると、意思決定が速くなります。
まず、すべての選択肢を両立する事はできないという前向きなあきらめが生まれるからです。
その上で、どの点を本当に重要視したいのかということをを考える必要が出てきますので、自然と優先順位付けができるようになるのです。
ほとんどの場合、チームの中で「Aが重要だ」「いやBも重要だ」「いやCが重要だ」という意見が出て来ては、どれも間違っているわけではないため、ひたすら混乱をするばかりになってしまいます。
どれだけお互いに話し合ったところで、誰も間違ってはおらず、結論を出すことができなくなります。
そういった時にトレードオフの考え方が身についていると、どの選択肢も間違ってはいないけれども、それぞれが相反するために優先順位をつけ、どれか1つだけしか選べないという考え方を共有することができるようになります。
結果として、それぞれの意見を出していた人たちも、決して自分の考えが否定されたわけではないということがわかりますので、結論がどうであれ、それを受け入れることができるようになります。
これによって、意思決定のスピードが早まってくる上に、決断をした後の実行スピードも早まります。
まとめ:トレードオフの考え方で意思決定を早くする
このように、トレードオフという考え方は、「相反する、両立しない選択肢が存在する」ということを僕たちに教えてくれます。
まさに、「あちらを立てればこちらが立たない、こちらを立てればこちらが立たない」というものです。
この考え方を前向きに使うことで、意思決定がとてもスピーディーなものになります。
あなたもぜひ次の意思決定の局面で試してみてください。
Good luck!