アメリカから日本へ本帰国。10年間で学んだこと【夢と希望】
アメリカから日本へ本帰国。10年間で学んだこと【夢と希望】
10年間のアメリカ生活で学んだこと
先日、10年間にわたったアメリカ生活に終止符を終え、日本にもどってきました。
これからも、世界を旅しながら、異文化体験を楽しんでいきますが、当面の拠点は日本におくことにしました。
若いころから、胸の奥が焦がれるほどにあこがれた、アメリカ。
やっとの思いで、アメリカ行きの切符を手にしたのが、10年前。
そしてこの10年間、アメリカで学んだこととはなんであったのか。そして結局のところ、アメリカとは何なのか。
それは、
夢であり、希望である。
今は、そう、考えています。
輝かしくあり、ダークでもある、アメリカ【表と裏】
40歳代で大統領にも大企業のCEOにもなれる、社会のダイナミクスさ。
世界一の経済規模と、その経済成長力。
世界中から優秀な頭脳が集まる教育機関。
宇宙に人類を送り込む、科学技術。
人間の身体の限界に挑戦し続け、観る者に感動を与えるスポーツ。
新しい価値観を次々に作り上げていくアート。
世界中の若者たちを惹きつけてやまない、音楽やエンターテイメント。
世界の隅々にまで行きわたる、魅力あふれるグローバルブランド。
アメリカの輝かしい点を挙げれば、きりがない。
しかし、それと同時に、アメリカのダークサイドも、見過ごせません。
根強く残る、人種差別。
肌の色が違うだけで、一般市民が警官に暴力を振るわれる様子など、涙なしに見られるものではありません。
経済力格差の拡大によって、収まる気配のない、高い犯罪率。
どこの都市にも、インナーシティやゲトーと呼ばれる貧困地域があり、そこには想像を絶する風景が広がっています。
若年層を中心にまん延する、違法ドラッグ。
パーティーやバーを通じて簡単に入手できるドラッグに、身を滅ぼす若者たちが後を絶ちません。
争いを助長してやまない、宗教対立。
信じるものが違うだけで、お互いを憎しみ合うその姿は、まさに異常。
倫理観はお構いなしに、権力闘争に明け暮れる政治家も、自らの利益拡大だけを追い求める企業経営者も、目につくケースが後を絶ちません。
希望を捨てない一般市民たちのエネルギー
それでも、一般市民たちに目をやると、まばゆいばかりの夢や希望にあふれています。
テロが起きた翌日でも、早朝にパワーウォークをする老婦人。
差別に負けずに、デモに参加して声をあげつづけるマイノリティ。
忙しい仕事の合間をぬって、次世代を担う子供達にサッカーや野球のコーチをする大人たち。
貧困層を草の根でささえる、多くのボランティア。
成功して手に入れた財産を、惜しげもなく次世代への貢献として投資をするビジネスパーソン。
そして、平和を祈って、路上で歌を歌う若者も。
明日はきっと、今日より良くなる。
そう、信じているのです。
海外から見たアメリカは、夢と希望の土地
なぜ、アメリカがこれほどまでに、多くの人々を世界中から惹きつけるのか?
アメリカ最大の都市、ニューヨークに行くと、文字どおり、世界中の人種を見ることができます。
中には、英語を話すこともままならない人も、数多くいます。
思い返せば、自分がまだ渡米前であった頃。
一体、アメリカの何を知っていたというのか?
表面的なことしか、見聞きしていない。
それにもかかわらず、
「アメリカに行ったら、何かがあるのではないだろうか?」
「アメリカに行ったら、自分の努力を正当に評価してもらえるのではなかろうか?」
「アメリカに行ったら、これまでは知らなかった新しい何かに、出会えるのではないだろうか?」
そのように、期待を感じていました。
これはきっと、ぼくだけではないはず。
世界中の多くの人たちが、「アメリカに行ったら・・・。」と、アメリカに「夢」や「希望」というものの、肩代わりをさせているように思うのです。
たとえ、人生を全うするまでに、アメリカの土地に踏み入れることが一回も無かったとしても、それでも、アメリカという「夢」や「希望」が存在していること自体が、自分の人生に灯をともしてくれるように感じるのです。
現実は複雑だし、現実は悲しい。
それでも、夢を見てみたいし、希望ももってみたい。
それを許してくれるのが、アメリカという存在だと思うようになりました。
ぼくが大好きなアメリカ、そして、
アメリカに行ったって、何か特別なことがあるわけではない。
アメリカに住んだからって、偉いわけでもなんでもない。
良いこともあれば、悪いこともある。
楽しいこともあれば、苦しいこともある。
なんのことはない。
胸が焦がれるほどに憧れたアメリカには、行ってみると、何もなかったのです。
あったのは、自分自身だけでした。
だけれども、
夢を見ること。希望をもつこと。
それらが、生きている場所に関係なく、万人に許されているということ。
そんなことを、アメリカ生活から、学ぶことができました。
これからも、夢と希望を胸の中に抱えながら、世界のどこかを生きていきたいと思うのです。